Golf Tips Vol. 65

総括・振り子式パッティング

「振り子式ストロークの作り方」を冗談だと思った方もおられるでしょうが、あれは非常に真面目なものです。誰しも振り子式ストロークの良さは聞いていて、自分も実行していると思っています。しかし、実はそれは完全な振り子式ストロークではなかったのです(私がそうでした)。あの紙人形が示すように、肩+腕+パターは一体となって(形を変えずに)他の部位から独立して動きます。

[Loose Grip]

これを理解するのにいい練習が「ストロークの基本」でした。クラブ、あるいは棒、物差しなどを両脇の下に挟むとパンタグラフ型のポスチャーになります。実際のラウンドでもパンタグラフ型で完全振り子式ストロークを目指したのですが、これですと1:2のストローク(前方を二倍)の加減が難しい。そこで右肘は脇腹にくっつけて、大きなバックストロークを封じてしまいました。左側だけパンタグラフ型が残っていて、左肘はターゲットを指します。ボールは真ん中よりも左足の近く。

以上で完璧だった筈なのですが、どうもショート気味です。7mぐらいのパットに、相当大袈裟なバックストロークをしなければなりません。これは異常です。色々なストロークを試していて発見したのが、パターがずり落ちない程度に精一杯緩めにしたグリップで、パターの反動を使う方法です。手で弾くのではなく、パター・ヘッドの重みを利用します。これですとパワーがフルに伝わるので、ボールが良く走ります。ボールが良く走ると真っ直ぐ転がり、あまり切れません。狙い易くなります。いいことずくめ。

どの位緩めに握るかと云いますと、図のようなイメージです。相当緩いです。

上の「パター・ヘッドの重みを利用するパッティング」には、私の“ベリィ・パター”が役立っています。お腹の支点がありますから、パターを一点で保持するための力が要りません。これが「精一杯緩めにしたグリップ」を可能にしてくれます。

もともとパッティング・ストロークの改造は、あるシニアから「あんたのティー・ショットとアイアンは素晴らしい。パットさえ良ければ、相当タフなゴルファーになれるだろう」と云われたのがキッカケでした。パットが好調になっても「これでティー・ショットさえ良ければ…」とか、「寄せさえ良ければ…」と堂々廻りになるのが恐いですが、パットが良ければグリーンに至るまでのミスをカヴァー出来るのが強味です。今はまだ「自信が持てた」という段階ですので、これからが楽しみです。


(February 05, 2002)


パットにおける利き腕の役割

インストラクターButch Hamon(ブッチ・ハーモン)とその弟子だったプロによるパッティングtip。

[Butch]

'The Four Cornerstones of Winning Golf'
by Claude "Butch" Harmon, Jr. and John Andrisani (Simon & Schuster, 1996, $15.00)

「パットの距離をマスターする練習には、次のようなものもある。

4〜8フィート(1.2〜2.4m)の短いパットをする。左手をズボンの左ポケットに入れ、右手だけでパットする。低くパターを引き、ターゲットに向って振り抜く。ダウンストロークで加速し、出来るだけしっかりと打つように心掛ける。最初はおぼつかないだろうが、根気よく続ける。コースで両手でストロークする段になれば、ターゲット・ラインにクラブフェースを合わせるのはお茶の子さいさいとなる」

【編者註】この練習をやってみましたが、気が付くと振り子式ではなく、手首で弾いていました。これでは逆効果です。片手を使い、肩でパットするというのはなかなか難しい。うまく出来ない場合は、この練習法には近づかない方が安全です。片手でもキチンと振り子式を実行出来ると、ボールはちゃんとホールに向います。

'How I Play Golf'
bby Tiger Woods (Warner Books, Inc., 2001, $34.95)

「パットはテイクアウェイもフォワード・ストロークも同じペース、同じスピード、同じリズムで行なわれるべきである。

右手(右利きの場合)はパッティングの重要な要素だ。この右手にパッティングのペースを教える必要がある。

私は右手一本でパットする練習を好む。一本だとパターが重く感じるが、それでもパターは緩めに保持すること。右手で振るのでなく、パターがひとりでに前後に揺れる感じを獲得する。私はバックストロークで、右手にごく僅かの折れを許すが、それをアドレス時の角度以上に戻すことは絶対にしない。手がリードし、クラブヘッドは遅れてついて来ることを忘れないように」

上の図が正しいことは、このTigerの「パターがひとりでに前後に揺れる感じ」という言葉が証明しています。また、最後の文句も極めて重要です。手首の角度を変えたら、それは振り子式ではなく弾くパッティングだからです。

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(February 05, 2002、改訂May 31, 2015)


片手でのパット練習

「パットにおける利き腕の役割」を補足する記事です。

'Precision Putting'
by James A. Frank (Human Kinetics, 1999, $16.95)

「パッティングにおける右手の役割はパワーである。もし、あなたの距離のコントロールがいまいちであれば、右手一本での練習が必要だ。

普通にアドレスする。左手を外し、右手のグリップを軽く保持し、若干インサイド→スクウェア→インサイドのストロークをする。

方向はどうでもいい!問題は距離である。パターヘッドのことは考えず、右手と軽いグリップ、その振幅だけを考える。

【編者註】「パットにおける利き腕の役割」の際の留意点と同じく、手首で弾かないことが肝要です。片手でも手首や肘の角度を変えず、肩でパットしなければなりません。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は、「手が先行し、クラブヘッドは後からついて来る」と述べています。

次に左手一本の練習もする。普通にアドレスして右手を外す。グリップは軽く保持。ややインサイド→スクウェア→インサイドのストロークをする。ストロークの間、パターフェイスはターゲット・ラインの真上を行き来する。左手の手首はずっと角度を変えない。

ホールから2フィート(0.6m)の距離で実行する。手首をしっかり維持したまま、加速しつつストロークする。上手く出来るようになったら、3フィート(0.9m)、5フィート(1.5m)、10フィート(3m)という風にトライする」

(February 13, 2002)


パットでもトップの間(ま)

'The Art and Science of Putting'
by Rik DeGunther (Masters Press, 1996, $14.95)

「パターがバック・ストロークのトップに達したら、そのまま数秒間静止し、それからフォワード・ストロークしなさい。この練習はいいテンポとリズムを生む。バック・ストロークを完了させないままフォワード・ストロークに移行するのは誰しもに共通するミスである。特に緊張する場面において。

コースで緊張を感じたら、パットの前の素振りでこれを試しなさい。これは驚くべき効果をもたらす」

確かにこれは素晴らしい。フル・スウィングでトップの間(ま)がヘッドの加速を生むように、パットでもバック・ストロークを完了させると加速するモーションになります。「1:2のストローク」を併用すると完璧です。

(February 13, 2002)


フィニッシュを作る

'Golf Digest'『ゴルフダイジェスト』誌に掲載された読者投稿による「スウィングを助けるイメージ」特集。「プレッシャーが強い場合、断崖から大海原へショットするイメージ」とか、「Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)になったつもりでパット」、「右手に持ったソフトボールをアンダースローするつもりでピッチング」などというアイデアが寄せられ、David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)が賛辞と留意点を付け加えるという趣向。その一つを紹介します。

'Image is Everything'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' February 2002)

読者のイメージ:ティー・グラウンドに立ったら、ボートに使う錨をフェアウェイに投げ飛ばすイメージを思い描く。リラックス出来、両手のリリースがうまく行く。

David Leadbetterのコメント:ハイハンデの人はボール打ちに行ってしまう。本当はボール通過して振り抜かれるべきなのに。ボールがゴールになると、左腕は崩れ、クラブはスロー・ダウンし、弱々しいショットになるのがオチである。錨をフェアウェイに放るイメージは、ボールを過ぎても十分伸びた両腕が得られ、スウィングを加速させ、インパクトでクラブフェースをスクウェアにする。頭を残すように注意」

[icon]

たまたまですが、私もボール打ちに行くのではなく、振り抜いて大きなフィニッシュを作ることに専念し始めたところでした。このDavid Leadbetterのコメントは、私の試みをタイミングよく応援してくれました。

フェアウェイ・ウッドでツー・オンを狙うような場合、当てようとするだけでは大した距離が出ません。自分のスウィングを信じ、大きく綺麗なフィニッシュを目指すと、いい軌道で驚くような距離が得られます。ロング・ホールでのイーグル・チャンスが増えます。

【参照】「フィニッシュから始めよ」

(February 13, 2002、改訂May 31, 2015)


ボールを追え!

これは昨年の日めくりゴルフ・カレンダーに出ていたtipです。表紙は既に捨ててしまったので、出版元や編者名は分りません。

「短いパットではボールを追え!

恐ろしい1mぐらいのパットに遭遇した時はこうしなさい。短く低いバックスウィングをし、パターを出来るだけ長くホール方向へ出す。パターがボールをホールまで追いかけるように…」

確かに、短いパットではブレイクを読む必要もなく、真っ直ぐにキチンと打てば入ることになっています。入らないのは、絶対に入れようとする緊張と、失敗を想定した恐怖により力の無いふにゃらけたパットになるからです。ふにゃらけてもパターを出し続ければ、ホールにボールを追い込めるという寸法でしょう。

間違えてはいけないのは、「ボールを追う」のはパターであり、プレイヤーの目ではないことです。ボールを見送る、あるいはインパクトの前に既にホールにルックアップした場合、身体が開くためプッシュになったりしがちです。私はパットの長短を問わず、ボールを見送らない習慣をつけたいと願っていますが、これは非常に難しい。友人のMike(マイク)がいいtipをくれました。「パター・ヘッドが左足を通過するのを見届けてから、顔を上げる」 これは実用的でいい方法です。

(February 17, 2002)


'One Move'(ワン・ムーヴ)修士課程

'One Move to Better Golf'
by Carl Lohren with Larry Dennis (Golf Digest, Inc., 1975)

['One Move']

'One Move'については過去に何度か触れています。当時は町の図書館にあった本を借りて読んだものを引用したのでした。自分の本ではないので傍線も引けず、時間も限られているので、最初から最後までを通読したわけではありません。'One Move'が提唱するのは「左肩からスウィングを始動する」という、実に簡明なものでしたし、それを実行するためのスウィングの基本はこれ迄目にしたメソッドと違わないようなので、勝手に中間を飛ばしていたのです。その後、ゴルフの稀覯本専門書店から'One Move'を購入し(1975年当時$8.95だったものが$40.00)、いつかちゃんと通読しようと期していました。読んでみて、改めてこの本はいい本であると再認識させられました。スウィングをこまごまと切り分けて分析したゴルフ理論は無用。「左肩主導テイクアウェイ」だけを実行しさえすればいい。そういう気にさせられます。

なお、'Golf Magazine's Complete Book of Golf Instruction'(1997)に'One Move'に触れた箇所があり、「当時ベストセラーだった」と書かれています。ベストセラーだった本ががどうして復刻されないのでしょう?著者の「この“左肩からスタート”というメソッドがあまりにもシンプル過ぎたということでしょうか?

「“ワンピース・テイクアウェイ”という言葉をよく聞く。これは、スウィング開始にあたって両肩、両腕、両手、クラブ、そして上体が一体となって動くという歓迎出来ないイメージを創り出す。あなたの意識に両手、両腕が含まれていると、これらはスウィング全体の主導権を握ってしまう。特に両手は機敏に動く筋肉で出来ているため、すぐフライングを犯す。先行した両手、両腕は、クラブを特定の方向に導くことをしない。

バックスウィングにおける両手は悪者である。左肩からスタートすれば、両手、両腕の影響は皆無である。両手、両腕を動かそうとしないこと。それらは肩にくっついているのだから、黙っていても一緒に動く。

スウィング開始の最後の瞬間に考えるべきことは、唯一“左肩からスタート”だ。そして、テイクアウェイを自然のスピードとテンポにゆだねる。

スローなテイクアウェイというのは賛成出来ない。意図的にゆっくりのテンポは、両手、両腕が肩より先行したテイクアウェイという欠点を増幅する。こういう人はバックスウィングの軸を失い、両肩を廻すのでなく傾げてしまう。

“左肩からスタート”した自然のテンポのスウィングは、それ迄のテンポより早く感じるかも知れない。両手とクラブヘッドが以前に増して速く動いているのは確かだ。これはスウィング・パワーが身体の中心から構築された結果である。鞭でピシリと打つのと同じで、動きの少ない中心部に較べ先端が速く動く。

正しくスウィングをスタートすれば、スウィングそれ自体が正しいテンポを見出す。テンポやリズムについてあれこれ考えず、本能と自然のリズムが仕事を遂行するのに任せる。“左肩からスタート”だけを考え、コトを複雑にする他の一切を忘れること。

不動の頭は結果であり、原因ではない。頭を静止させつつ身体を廻そうと試みるのは矛盾であり、自由な身体の回転とスウィング半径の拡張を妨げる。

いい回転は、回転しないのに等しい。それはほとんど労せずして起ることである。スウィングのトップで、いかなる異常な感覚をも見出してはいけないし、無理に引っ張ってもいけない。自然の回転を損なってしまう。

身体を最高に捻ることを習得する際に、顕著に現われる物理的側面が一つある。あなたのバックスウィングは短くなるということだ。バックスウィングを完了出来ないという感覚も得るかも知れない。あなたの左サイドは前方へのダウンスウィングの動きを始めるからだ。これは右サイドの影響が無いという点で、快い感覚であると云える。

“下半身主導”という言葉は、下半身が最初にアンコイル(捻りを解く)するような意味にとられ易い。しかし、これはそう見えるだけである。両手はトップまでの長い道のりを辿る。両肩は両手、両腕、そしてクラブなどを運ぶ遠心力の影響下にある。しかし、下半身はそうした遠心力の影響の外にあり、自由に動ける。これが、バックスウィングが完了する前、つまりクラブがまだあなたの背後で動いている間に、下半身が前方に動くように見える理由である」

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は「『スウィングの良し悪しは最初の数インチによって決まる』という格言はそのまま私にも当てはまる。特に、バックスウィングの開始時における肩のアライメントが重要」と書いています('Golf My Way')。彼の場合は両肩の線が指す方向の微妙なズレが、スウィングに及ぼす影響について云っているのですが、それでもバックスウィングのスタート時の大切さを云っていることには変わりありません。

'One Move'を試す場合、下記のいくつかの記事を先ずお読み下さい。なお、著者によれば「足元はスクウェア、肩はオープン」というアライメントが'One Move'を効果的にするそうです。

【参照】

'One Move'
'One Move' Video篇
Carl Lohrenの'Next Move'

(February 21, 2002)


プレストローク・ルーティーン

'Precision Putting'
by James A. Frank (Human Kinetics, 1999, $16.95)

「フルスウィングの際のプレショット・ルーティーンは、心理的にも身体的にもベストのスウィングの用意を整える。プレショット・ルーティーンはスウィング・モードに突入することを脳に伝え、全ての邪魔な要因をシャットアウトし、ボールと置かれた状況に集中し、練習場で磨き上げたスウィングに抵抗なく全権を委譲する。

パッティングにもプレストローク・ルーティーンがあるべきだ。それは、いつも連続した同じ動きでなくてはならない。プレストローク・ルーティーンを実行することによって、すでに練習グリーンで確立されている身体的動きを心配することから解放される。それはまた、潜在意識が後を引き継ぎ、いいストロークをする瞬間がやって来たことを脳に告げる。

プレストローク・ルーティーンに万人向きの定番は無い。実験によってあなたに適した、快適なものを見つける必要がある。しかし、あなたのプレストローク・ルーティーンに必須のいくつかの要素はある。一回か二回ホールを見ること、ストローク開始寸前の引き金となるアクション(フォワード・プレス、最後の一瞥、独自のおまじないアクションなど)である。それはパットを自動操縦に切り替えることを意味し、スムーズなストロークの開始に繋がる。

【プレストローク・ルーティーンの確立】

練習グリーンでストロークする前に、次のような様々なことを試す。
・ホールを一回見る
・ホールを二回見る
・ホールを三回見る
・パターを少し浮かす
・ホールに向けてフォワード・プレスをする
・呼吸をする
…これらをストローク寸前に行なう。異なるアクションは異なる結果を生む筈だ。

次に、同じ動きで数回連続パットを行う。どれかが他よりも自然に思えたら、それをあなたのプレストローク・ルーティーンに取り入れる。それはメカニクスを忘れさせ、潜在意識によるパットを実現する」

(February 25, 2002)


プレッシャー下のパット対策

'The Golf Magazine Putting Handbook'
by Peter Morrice and the Editors of 'Golf Magazine' (The Lyons Press, 2000, $14.95)

「コースでは5フィート(1.5m)のパットに失敗することもあるが、練習グリーンではお茶の子さいさいである。練習する意味が無い…とおっしゃる?では、自分でプレッシャーを作り出したら、どうだろうか?

例えば、3フィート(約1m)のパットを15回連続で成功させなければ練習を終えないと自分に誓う。一個のボールだけを使うこと。ミスしたら、カウントはリセットされて、新たに15回への挑戦が始まる。必ずや、10回成功したあたりからプレッシャーが強くなる筈だ」

以下は本の中の一つのコラムとして掲載されている、コーチMike McGetrick(マイク・マゲトリック)のtip。

「ラウンド前のパット練習は相当軽視されている。ティー・タイムまでに五分しか無い場合には次のようにウォームアップする。

・練習グリーンの端から端へパットし、スピード感を掴む。必ず、フリンジの手前で止めるように。これを二分間行なう。

・残りの時間をストレートな3フィート(約1m)とブレイクのあるパットに使う。ショート・パットでは一個のボールだけ使って集中心を高め、コースでの思考形態に近づける」

(March 06, 2002)


パターを加工する

'The Art and Science of Putting'
by Rik DeGunther (Masters Press, 1996, $14.95)

鉛を貼るのはウッドやアイアンだけかと思ったら、パターにもいいようです。

「重量を付加すると、ストロークの物理的要素をダイナミックに変化させる。重いクラブを振るように、テンポを遅くしたり、いいフォロースルーを実現したり出来る。

パターの背面に鉛を貼ると、スウィート・スポットを拡大出来る。この場合、スウィート・スポットの後ろの部分に鉛を貼るのは間違いで、スウィート・スポットの両端に同じように貼る」

なお、パターのスウィート・スポットの見つけ方は、他のクラブと違うようです。ただ垂直にぶら下げるのではなく、ソールを地面と平行になるように下げ(クラブのライによってシャフトの角度は変わる)、それから鉛筆等でフェースをコンコン叩きます。フェースが揺れずに静止するポイントがスウィート・スポット。次のも安価な改造案。

「パターを短く持ってみる。グリップの下を握るのも試す。ひょっとしたら、シャフトを短くした感じが気に入るかも知れない。もしそうなら、グリップを外して、シャフトを切断し、またグリップを戻すのはとても簡単である。これは鉛を貼るのと逆の効果がある。短いパターはストロークし易い。多分、短いシャフトと鉛の組み合わせが最高かも知れない」

(March 17, 2002)


人造芝目

'Getting Up and Down'
by Tom Watson with Nick Seitz (Random House, 1983, $14.00)

「ボールがくねくねと蛇のように左右にのたくって進むのを見たことはないだろうか?これは人造芝目による現象だ。芝刈り機が進んだ方向に芝が寝るため、人工的な芝目が出来てしまうのだ。

芝刈り機は行ったり来たりすることによって、濃いのと薄いグリーンの縞を作る。大きい芝刈り機なら巾は3フィート(約1m)、手押しの芝刈り機でその半分。

芝の長い、遅いグリーンで人造芝目は影響大になる。平らな10フィート(約3m)のパットをするとなると、三つの芝刈り機の縞を越えることになるが、三つのうち同じ方向に寝ている二つの縞の方向にブレイクを考える」

まさしく、これでした。長雨で水を含んで重く、芝も長めでした。私が試したグリーンでは、ピンの前を斜めに横切るように芝刈り機の縞がありました。これで不思議な切れ方をしたわけです。

(April 02, 2002)


緊縛趣味をパットに活かす

'Precision Putting'
by James A. Frank (Human Kinetics, 1999, $16.95)

[17inches]

パットの距離感が悪く、アプローチ・パットがちゃんと寄らない場合の練習法。

「余っている“ロープ”を1メートル程に切ったものを二本用意する。練習グリーンのホールが無い場所を選び、30センチの間隔を空けてロープ二本を平行に並べる。1メートルぐらいの距離からボールをストロークし、ロープの間に届かせる。4〜5個の全部で成功したら、ロープの間隔を半分にしてトライする。

もっと遠い距離から練習する場合は、多少のエラーは認めてよい。しかし、絶対にショートしてはいけない。ショートしたら最初からやり直すこと」

次は加速するパッティングの練習法。

「加速するパッティングはボールとの確かなコンタクトと、パターヘッドがインパクトでスクウェアになることを約束する。

ホールの手前2インチ(5センチ)に直径1センチほどの“ロープ”を横たえる。ボールを2フィート(60センチ)離れた場所に置き、ロープを飛び越えてホール・インするように打つ。リズミカルに、適切な力加減を追求する。2フィートに慣れて来たら、3フィート(1メートル)、4フィート(1.2メートル)、6フィート(1.8メートル)、10フィート(3メートル)に挑戦する」

原文ではシャフトと書かれていましたが、ロープの方が音が出ないので、他の人々に迷惑をかけずに済みます。この練習は室内でも可ですが、この場合、「絨毯上のパッティング」のように紙のカップがお薦めです。

これを練習グリーンでやっていると、少年達が寄って来て訳を知りたがりました。かなり変わった練習法だし面白そうに見えるのか、皆がやらせてくれと場所を取られてしまいました。実際、面白いですけどね:-)。

最後は攻撃的パッティングの習得法。

「ホールの後ろに半径17インチ(43センチ)の半円が描けるだけのロープを用意する。これはDave Pelz(デイヴ・ペルツ)考案の練習法なので、何故17インチかは「ホールはゴールではない」を参照のこと。ボールがカップに沈むかこの半円内に入れば合格。もし、オーヴァーしたりショートしたら、罰としてパター一本の長さ分後退した地点から二打目を打つ。

これはパートナーとの競争としても面白いし、一人でも出来るゲームである。

もっと楽しく(?)したければ、ミスした時の後退距離をパター二本分とする。この過酷な罰により、次第に合格圏内に納まるようになる」

(April 17, 2002、改訂May 31, 2015)


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