Golf Tips Vol. 66

ブッチが説く75%スウィング
[Butch]

'The Four Cornerstones of Winning Golf'
by Claude "Butch" Harmon, Jr. and John Andrisani (Simon & Schuster, 1996, $15.00)

Claude "Butch" Harmon, Jr.(ブッチ・ハーモン)がTiger Woods(タイガー・ウッズ)と会ったのは1993年。TigerはGreg Norman(グレッグ・ノーマン)の大ファンだったので、Tigerの父親は当時Greg Normanのスウィング・コーチだった"Butch" Harmonのところへ息子を連れて来たのでした。

「速過ぎるスウィングは右足を使い過ぎ、インパクト前に右足を伸ばしてしまう原因となる。Tigerを飼育(!)するにあたって、私は彼が出せるスピードの75%でスウィングすることに集中するよう説いた。

フル・ショットの前に非常にゆっくりと素振りをする。通常のスピードの75%を越えてはならない。素振りの後、ボールに向い、先ほどと同じ通常の75%のテンポでスウィングする。

いつもの75%しか飛ばないと思ったあなたはその結果に驚く筈だ。賭けてもいいが、最高の飛距離を伴うその日の最高のショットとなるだろう。

このからくりだが、あなたがフル・スピードの75%だと確信したテンポは、実は80〜90%なのである。そして、これは速めのスウィングが災いしていたあなたの最適のスピードなのだ。3/4のスピードで素振りし、それを実際のショットで再現する訓練を積みなさい」


【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(May 05, 2002)


超ロングパット対策

'Precision Putting'
by James A. Frank (Human Kinetics, 1999, $16.95)

Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)は長距離パット対策として"Chiputt"(チッパット)なるものを考案しました。チップとパットのいいところをミックスした技法です。当人の説明は冗長なので、他の筆者による解り易いヴァージョンで紹介します。

「長いパットでは、パッティングのように屈み込むとホールが見えないし、距離感も掴みにくい。そこで、使うのはパターだがチッピングのように背中を伸ばし、両足も狭く構える。低く転がるようにボール位置はスタンス後方にする。グリップはあなた好みのチッピング用グリップ。両手がクラブに先行するように注意して、長い、リズミックなストロークをする。非常に長いパットでは、下半身が若干回転してもよい。

これは、短い芝の上であればグリーン外からや、フェアウェイからでも使える。コースで実行する前に、練習すること。多少の練習でその効果が分ると思う」

(May 15, 2002)


距離感のトリック

前回出場したトーナメントで、私がパットをショートしたら、Jim(ジム)という青年が笑いながら「昨日の晩、ビーンズとライスを食べなかったようだね。それじゃ駄目だよ」と云いました。周囲も笑いましたが、私には何のことか分りませんでした。彼が同じ台詞を三回云った時(つまり、私が三回ショートした時)、たまりかねて「どういう意味だい?」と聞きました。彼が説明困難というジェスチャーをしたので、「エアー・プレッシャーが必要というワケ?」と聞き返すと、安心したように「そうそう!」と頷き、全員で笑い転げました。お米については誤解でしょうが、豆類が消化が悪いのは確かです。日本なら焼き芋が登場するところでしょうか。

私の現在の課題はボール一個分手前で止まってしまう距離感です。これにはシニア達が口を酸っぱくして云う「長いフォロースルー」が必要です。分っていながらそれが実行出来ないのは何故か?試しに、バック・ストロークを極端に短くしてみました。1mぐらいならボンボン入るようになりました。2mもかなりイケます。3mも…ボンボン入るようになるといいのですが、まだそこまで到達していません。

ホールを10cmほど過ぎる強さのパットが理想的です。しかし、頭脳にはたった10cmプラスする微妙さが困難なようです。「強めに」という注文のためバック・ストロークがかなり大きくなってしまい、「これは暴走だ!」とATS制御がかかって不完全なフォロースルーになるかパターを止めてしまうのでしょう。逆説的ですが、距離に応じた短かめバック・ストロークが距離を増やしてくれます。すなわち、バック・ストロークで「あ、これでは短い!」と頭脳が判断し、加速するためのフォロースルーが不可欠と指令するからです。私の仮説であって何の論拠もありませんが、これまで学んだ脳と筋肉の関係からすれば、容易に結論づけられます。インストラクター達は「振り子運動」、「バック・ストロークと同じ巾のフォロースルー」を説きますが、私の現在の距離の克服には「短かめのバック・ストローク」が有効だと考えています。

(May 15, 2002)


リズムの構築

'Take Control'
by Mike McGetrick with Tom Ferrell ('Golf Tips,' March 1999)

Mike McGetrick(マイク・マゲトリック)はJuli Inkster(ジュリ・インクスター)やMeg Mallon(メグ・マロン)らのスウィング・コーチ。

「テンポとはクラブを振るスピードのことであり、あなたがどのクラブでも一定のテンポでスウィングするならば、早かろうが遅かろうが問題ではない。言葉を変えれば、ドライヴァーもウェッジのスウィングも、ほぼ同じ所用時間であるべきだ。

リズムはバックスウィングからフォワードスウィングへの推移に関連する。大抵は非常にゆっくり振り上げるもののトップから急に乱暴に振り下ろすか、さらに悪い場合は、非常に素早く振り上げておいて徐行運転でボールに向うスウィングとなる。

次回の練習では三個のボールをお好みのミドル・アイアンで打つ。そのスウィングをドライヴァーとサンド・ウェッジで模倣する。どのショットでも同じテンポとリズムになるように努める。

ゴルフは自分が希望する場所にボールを運ぶゲームである。距離のコントロールが上達への鍵である。

1. ストップ & ゴー
 普通にトップまで振り上げ、そのまま静止して三つ数える。数え終ったら、通常のリズムとテンポで振り抜く。完全に静止した状態からだと、ボールに飛びつくようなスウィングは出来ないことが分るだろう。五個のボールを1セットとし、1セット終ったら数える数字を一つ減らす。しばらく経つと、あなたのバックスウィングからフォワードスウィングへの推移はeffortless(力まない)で、かつスムーズなものになる筈だ。

2. 1クラブ、複数ターゲット
 一本のクラブ(ミドル・アイアンがお薦め)で、三つの異なる距離の目標に打つ。日によって目標の順序を変える。例えば、150ヤードから100ヤードへと練習したら、次の日は100ヤードから始める。

3. 複数クラブ、1ターゲット
 150ヤードの的に数回打ち、別のクラブで同じ的を狙う。仮に150ヤードを7番アイアンならば、同じ的を狙って6番アイアンと8番アイアンで打つ。

4. チェインジ・アップ
 5番アイアンで、通常の飛距離の半分を目標に五個のボールを打つ。次に、それに10ヤード足した距離を目標に五個打つ。自分の5番アイアンの飛距離になるまで続ける。

(May 23, 2002)


ボールよ、さらば

振り子式パッティングが身について来て、かなりの成果を納め始めました。しかし、問題は転がるボールを目で追ってしまうことによる弊害です。ターゲット・ラインに沿ってパターを押し出すのでなく、オープンになってしまったり、それを恐れてクローズにしたりする余計な動きが生じてしまいます。

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のように左目を閉じてパットすればいいのでしょうが、練習ではともかく、本番では恐ろしい気がします。

そこで、こういうテを考案しました。アドレスし、ターゲットを見て目をボールに戻し、パターのアライメントをチェックしますが、この一回目は普通に行います。二度目にホールを見る時に、「あそこへお前を送り届ける。悪いけど見送らないから…。さらばだ」とボールに話しかけます:-)。目を戻したら、ほとんど間を置かずにストロークします。ボールがどう進んだかは、パートナー達が喚声をあげるか嘆声を洩らすかで分かります。そこまで待てるようになれば本物です。

(May 29, 2002)


下りのパット

「凄い下りのパットはパターのトゥ(つま先)寄りで打つ」というtipを既に紹介していますが、以下は別ヴァージョン。

'Precision Putting'
by James A. Frank (Human Kinetics, 1999, $16.95)

「トゥでストロークするよりも、パターを短く持つ方がもっと簡単である。シャフトを握れば短いクラブのようにパワーが小さくなるし、長いバックスウィングも出来なくなる。

急な下りであれば、クラブヘッドの上に両手を置くぐらいに短くすることを恐れてはいけない。自然なストロークは困難だろうが、練習が解決してくれる。やがて、短く速い下りのパットも楽になること請け合いである。

スローに転がる下りのパットは、(勾配の影響を受け)ブレイクが大きくなる。いつもより高めに狙うこと。ブレイクを少なくしようとして強く打ってはいけない。強く打てば、非常に長い返しのパットが待っている」

(June 04, 2002)


ゴルフの最大の秘密

'Leveraged!'
by Shawn Clement ('Golf Tips,' March 2001)

「どうやったら正しいバックスウィングを間違いなく実行出来るか?という質問は、100万ドルに値するゴルフの最大の秘密を聞き出そうとするものだ。これをあなたに漏らすことは、魔術師が禁を犯してトリックの種明かしをしてしまうに等しい。これはMoe Norman(モー・ノーマン、カナダの伝説的プロ)やBen Hogan(ベン・ホーガン)が、ごく一部の人にしか明かさなかった秘密である」

どう思います?「凄え!やはりプロしか知らない秘密があったんだ。一体、どんなものだろう?」と興奮しませんか?筆者はカナダのインストラクターです。私はこの文章にさしかかった時、思わず座り直してしまいました。

「その秘密とは"pre-turn"(プレ・ターン)である。"Pre-turn"はアドレスにおける位置であり、ゴルファーに完璧なバックスウィングの捻転をもたらし、テコの作用を最大限にする。

通常のアドレスをし、クラブヘッドは両足の中間にする。ボールはクラブヘッドの少し前。さて、ここで"pre-turn"を行なう。胸骨、お臍、頭をクラブヘッドの後ろに位置させる(この時、正しい背骨の角度を失わないように)。左膝は若干ボールと右膝の方向に寄り、右腰も若干廻る。このセットアップは効果的捻転を可能にし、テコの作用を形作る。

多くの偉大なプロが云うように、ダウン・スウィングは『引く』動作であり、『引く』ためにはテコの作用が無くてはならない。『引く』ことなしに、レイト・アンコックは実現出来ない。バックスウィングの目的の一つはテコの原理を確立することである。そのためには、スライドでもスウェイでもシフトでもない、堅実な回転をしなくてはならない。ワイドなスタンスがより大きなテコの作用を実現する」

やってみました。実はこのオリジナル記事はずっと前に目にしていたのですが、英語で読んでいてもどういうことか理解出来ませんでした。今回、訳しながら身体を動かしてみて、やっと分りました。

「やっと分った」とは云っても、どう身体を動かすかだけです。この結果の素晴らしさがどういう原理で起るのかは、まだ理解出来ません。

私のドライヴァーのボール位置は左足踵の前です。これは変えたくありません。で、そのままにして、クラブ・ヘッドはボールから離して両足の真ん中で構えます。そして、胸、腹、頭を右(飛行線後方)に若干ターンさせます。左膝も少し押し込みます。ボールが随分左にあるので見にくいのですが、目の隅から睨みます。なんか、拗ねているような感じ:-)。

練習で数十球と18ホール(の主にティー・ショット)で試してみました。まだスウィート・スポットで打てず、どれもガツン!という当たりで並みの飛距離という感触でしたが、ボールの所へ行ってみて驚きました。今日だけで三ホールぐらい自己新記録の飛距離が出たのです。

この『日記』に「飛んだ、飛んだ」、「自己新記録」という言葉が出るのはしょっちゅうなので、「このヒトの最近の飛距離は450ヤードぐらいになっているに違いない」と思っておられるかも知れません。勿論、飛距離は体調や季節によっても違うのですが、ホームコースのティー・ショットがいつもホールのどの辺に落ちるかは誰しも関心を持っているので分るじゃありませんか。今日、数ホールでそれを塗り替えたのは間違いありません。風は微風で、新記録のうち二つは向かい風でした。

だからといって、「引く」とか「テコの作用」とかが体得出来たわけではありません。"Pre-turn"という言葉が表すように、これはバックスウィングを既に始めた段階を形作るアドレスです。いわば、合法的にフライングしている感じ。既に始まっているので、捻転し易いということはあるでしょう。そこから先は解りません。解らないけど、飛ぶのは嬉しい:-)。

【参考】「先行捻転で飛ばす」(tips_161.html)【本格的リポート】←必読です!

(June 09, 2002、改訂October 15, 2015)


戦略的パッティング

'The Golf Magazine Putting Handbook'
by Peter Morrice and the Editors of 'Golf Magazine' (The Lyons Press, 2000, $14.95)

「8フィート(約2.4m)前後のパットが好きなゴルファーはいない。この距離は易しそうに見えるし、実際易しい筈だが、なぜか恐ろしい距離でもある。

Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)の調査でも、PGAツァー・プロのパット名人たちが6フィート(約1.8m)のパットを成功させる平均確率は60%だそうである。“平均”ですよ。彼等がアンダーで廻る場合に60%以上なのは間違いない。ここで云えるのは、あなたもこの距離で完璧にパット出来ると思う必要はないということだ。しかし、打数を減らすために必要なのは、こうした短いパットを成功させるべきだと自覚しなければならない。

ショート・パットにおいてはラインに乗せることが最重要なポイントだ。6フィート以内の距離では、ボール一個以上カップの外を狙わなくてはならないケースは希である。

4フィート(約1.2m)程度の距離でブレイク(曲がり幅)を見込まなくてはならない場合でも、ターゲットはカップの内側であって、外側ではない。一寸強く打たなくてはならないだけである。

あなたが2パット目に膝がガクガクするような距離を残しがちなゴルファーであれば、あなたは3パット製造機に等しい。大抵のゴルファーは3パットを無くすだけで3〜5ストローク減らすことが出来る。言葉を変えれば、ロング・パットをカップに近づけることは、いいスコアへの近道だということである。

あなたがいかにパットの名手でも、常にタップ・インの距離を残せるとは限らない。2パット目のための最良のポイントと最悪のポイントを見極めること。原則として、ストレートで平らなパットを残すように。そういう条件に合致しない場合、ストレートで上りのパットを残す。

また、自分がどういうタイプのブレイクを好むか自覚すべし。右利きのゴルファーの多くは右から左へのブレイクを処理し易いと感じる。好みの方向はリラックスする助けとなる。

もし、ボールがカップを通り過ぎても、ウンザリ顔で目を逸らしてはならない。ボールを注意深く観察すること。これは次のパットのための無料のヒントなのだから、絶対見逃さないように」

(June 13, 2002)


牧場が買えるゴルフ

Byron Nelson(バイロン・ネルスン)はテキサス生まれ、少年時代はキャディをしながらアマ・トーナメントの優勝を重ね、そのままプロ入りしたという、Ben Hogan(ベン・ホーガン)とそっくりな境遇です。二人はよきライヴァルでもありました。Byron Nelsonは1945年にPGAツァー11連勝、計18勝をあげるという記録を樹立。無敵の快進撃を続けている最中なのに、ある年突然引退を表明して世界を唖然とさせました。その理由は「ゴルフは牧場を買うためにやっていたのであり、もう資金は出来た」からだそうです。

[CD]

'Shape Your Swing the Modern Way'
by Byron Nelson with Larry Dennis (Golf Digest, Inc., 1976)

この本も'Five Lessons'(by Ben Hogan)、'One Move'(by Carl Lohren)などのイラストレーターAnthony Ravielli(アンソニィ・ラヴィエリ)を起用した美しい本です。

「長いバックスウィングが長い飛距離をもたらすと思うのは完全な間違いだ。バックスウィングの目的は、十分に身体を捻り、あなた自身とクラブを、ボールをスクウェアに力強く打つための正しい位置に納めることにある。

バックスウィングでしてはいけないこと。

1) グリップを緩める
2) 頭を動かす
3) 左腕を折る
4) コックのし過ぎ、あるいは手首を折る
5) 左爪先を上げ過ぎる

…こういうミスをしないでフル・ターン出来るところが、あなたの正常なのバックスウィングの終点である。

バックスウィングを完了させるまでダウンスウィングを始めてはいけない。慌ててダウンスウィングに移行すると、あまりにも急いだスウィングになり、手打ちとなってコックがほどけてしまう。ダウンスウィングは下半身がリードすべきものであり、両手とクラブは後方に置き去りにされなければいけない。

“ゆったりとした気分”を維持するように。私の最盛期には完璧な“躊躇(ためら)い”を感じるように努めた。それは非常に短く、トップで完全休止するものではなかった。スムーズでしかも急がないトップを作れれば、それに比例してボールをしっかり打てるようになる。

目一杯打って距離を稼がなければならない場合、ボールに一寸近く立つのが秘訣だ。力一杯打つとインパクトで立ち上がる動きになり、いつものアドレスではトップしてしまう。ボールに近く立ったら、クラブをゆっくり長く上げる。これは大きな弧を作り、ヘッドスピードを生み出す。大きな弧は、がむしゃらで急速な手打ちをも防いでくれる。

ゴルフ・スウィングとは、ボールに打ちに行くのではなく、ボールのある場所からその先へと振り抜くことである。

『ネヴァー・アップ、ネヴァー・イン』は悪しき格言だ。カップで息絶えるように打たれたボールは、カップのあらゆる角度から転がり落ちる可能性がある。落ちなかったとしても、膝がガクガクするような距離が残ることはない。カップを通り過ぎるように強く打たれたボールは、カップから上の難しいラインを残し、プッシュやらプルやらを生じ易い。もっとも、4フィート(約1.2m)までの短いパットは、しっかりカップの向こうの壁に当たるように打つことが望ましい。これはラインを易しくする。

バンカー・ショットはボールをスライスするように打つ。リンゴの皮を剥くイメージ。皮だけで身を抉らないように。ボールはスタンスの前方、左足の前あたり。この位置だとクラブヘッドが砂の中を水平に抜ける。ボールの2インチ(約5cm)後ろを狙い、スウィングの間中この位置を凝視する。ボールを見るとホームランになり易い。掬ってはいけない。振り抜くこと。

どんな場合でも急いではいけない。時間を浪費せよと云っているわけではなく、リラックスせよという意味である。興奮したりミスに怒ったりしたら、歩くスピードや動作をスローダウンすること。気持ちの焦りはスウィングをも早めてしまう。ストレスを感じたら、呼吸もゆっくりすること。深く呼吸する。各ショットの前にゆっくり深呼吸する習慣をつけるのはいいことだ。特にパットの前には効果がある」

【おことわり】図版はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(June 29, 2002、改訂January 07, 2016)


パター・デザイナーの贈り物
[CD]

'Scotty's Secrets'
by Scotty Cameron and Dave Phillips with Hunki Yun ('Golf Magazine.' July 2002)

そう、Tigerが使っているパターのデザイナーが開陳する意見と素晴らしいアイデアです。'Scotty Cameron'(スコティ・キャメロン)ブランドは、David Duval(デイヴィッド・デュヴァル)、Phil Mickelson(フィル・ミケルスン)、Brad Faxon(ブラッド・ファクスン)、David Toms(デイヴィッド・トムズ)、Karrie Webb(カリー・ウェブ)なども使っています。

「パット名人達はほとんど1インチ(ほぼ3cm)ターゲット・ラインの内側に両目を置く。真上ではない。古いCDの鏡のような面を上にして地面に置き、ボールを乗せて、パターを持って構えてみなさい。自分の両目がどこに映っているかチェックしなさい」

古い雑誌の付録のCD-ROMはどこの家にも転がっているでしょう。アメリカですと食料品店にまでAOLの無料配布CD-ROMが山と積まれています。

やってみました。私の場合、両目はボールの真上でした(写真上の緑色が私の頭)。写真下のように見えないといけないようです。練習グリーンでもやってみました。ちと強めに打たなければいけないのが難点ですが、そのまま打てないこともありません。確かに、両目の位置は重要です。Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)の目の位置もターゲット・ラインの内側です。


(July 05, 2002)


続・パター・デザイナーの贈り物

'Scotty's Secrets'
by Scotty Cameron and Dave Phillips with Hunki Yun ('Golf Magazine.' July 2002)

パター・デザイナーScotty Cameron(スコティ・キャメロン)のtips第二弾。

Scotty Cameronの信念は「パットは芸術ではない。科学である」だそうです。ボールのいい回転のためにはパターのロフト、長さ、軌道などが合致しなければならないと考えています。

「私のリサーチによればインパクトにおける理想的なロフトは4゜で、それがナックルボールのようなスピンの無いキャリーを概ね12インチ(約30cm)生じ(打たれた強さによる)、着地後順回転を始める。過剰なロフトはバックスピンにょってボールを空中に弾いてしまい、着地後ラインから逸れてしまう。ロフトが異常に少ない場合、ボールは地面に沈むように押しつけられ、浮かび上がってからはラインから逸れる。

大抵のパターは4゜のロフトを持っている。インパクトではその角度に戻さなくてはならない。そのためには、ボールを左足に近い位置に置き、パターを垂直にする。ボールが後方にあると、フォワードプレスでロフトが失くなってしまう。フォワードプレスは一旦両手を後ろに引き、フォワードプレスでシャフトが垂直になるようにする。

大抵のパターはライアングルが18〜19゜である。それは、真の振り子式軌道はインサイド→スクウェア→インサイドになるということを意味する。軌道がボールの転がる方向を決定する。たとえインパクトでパター・フェースがスクウェアだったとしても、(アウト→インの)カットされたパットは右→左へのスピンを生じる。

私はハイスピード・カメラによって、パターの軌道はプレイヤーのスウィング・プレーンと同じであることを発見した。あなたがフル・スウィングでカットする打ち方なら、パットでもカットするということだ。

身体の各部品全てをスクウェアに構えること。特に前腕部に注意。それがオープンだったりクローズだったりすると、ダイレクトにパターの軌道(とボールの回転)に影響する」

(July 09, 2002)


左の壁は忘れよ
[CD]

'Shape Your Swing the Modern Way'
by Byron Nelson with Larry Dennis (Golf Digest, Inc., 1976)

Byron Nelson(バイロン・ネルスン)が語る「左の壁に向って打て」の内幕。

「私がゴルフを始めた頃は、ダウンスウィングで『(身体の)堅固な左側に向って打て』と教えられた。これは、当時、しなり易い木製のシャフトを使っていたからだ。左脚を固くすることによって両手を遅らせ、クラブヘッドが追いつくのを待ったわけだ。

こういうアクションは最近の硬いシャフトには必要ない。労せずにスウィング出来る。いま、両手を遅らせたら、ヘッドスピードと距離を犠牲にするだけだ。

『左の壁に打て』という格言は葬り去るべきものだ」


【おことわり】図版はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(August 03, 2002)


チップ・ショットのドジを防ぐ

女性インストラクターJane Frost(ジェイン・フロスト)によるチッピングに不可欠な知識。なお、これはピッチングにも有効です。

'Make a Match'
by Jane Frost ('Golf Magazine,' July 2002)

「大方のゴルファーがチップ・ショットで失敗する理由は簡単である。『ボールは後方、体重は前方』というセオリーを、上半身はターゲット寄りの足におき、ボールは後方の足におくと誤解しているからだ。胸骨(みぞおちの上にある骨)はスウィングの中心である。もし、上の誤解のようにアドレスすると、ボール位置は胸骨(スウィングの中心)の遥か後方であり、そこにクラブがタッチダウンするのだから盛大にダフって当然である。

歯切れのいいコンタクトを得るには、ボールと胸骨を揃えなければならない。ボールが後方にあるなら胸骨も後方、ボールが前方なら胸骨も前方であるべきだ。どちらがいい、悪いという問題ではない。予期せぬ体重移動を避けるため、体重の大半はターゲット側の足にかけるべきだが、そうしたとしても上半身(胸骨)を後方に戻すことは出来る筈だ。

【胸骨のチェック法】

アドレスし、クラブのグリップエンドをみぞおちに当ててぶら下げる。ボール位置か上体の角度を調節して、シャフトがボールの真上になるようにする。

ポイントは『ボールに胸骨を揃えること』。これを忘れないように」

【参考】
・「David Leadbetterの チッピングとピッチングでは胸骨にボールを揃えよ」(tips_141.html)
・「チップする時、左右どちらの目でボールを見るべきか?」(tips_141.html)
・「オープン・スタンスの誤謬」(tips_129.html)

(August 22, 2002、改訂June 16, 2012、再訂April 18, 2015、増補May 12, 2015)


レフト・ハンド・ローに向いている人

インストラクターでありスポーツ心理学者でもあるDavid F. Wright, Ph.D(デイヴィッド・F・ライト博士)によるパッティングtip。

[Webb]

'Are you a Candidate for Cross-handed Putting?'
by David F. Wright, Ph.D. ('Golf Tips,' August/ September, 2002)

「レフト・ハンド・ロー(クロスハンデド)・グリップは肩をオープンにして立つ人に向いている。そして、ほとんどのゴルファーは自然に立つとオープンな肩になっているのだ。

肩のオープン度チェック法:

1) 戸口に立って、両足は絨毯の縁などに揃える。真っ直ぐな姿勢で正面を向く。ゆっくり頭を廻し(肩を廻してはいけない)、左右の肩のどちらが戸口の左右の柱から遠いか調べる。もし、左の肩が遠ければ、あなたはオープンな肩の持ち主である。

2) 姿見の前でリラックスして、姿勢よく立つ。どちらの手がより内側(手のひら側)に曲がっているか調べる。【編者註:手の甲側に指が何本見えるか数えれば簡単】 オープンな肩の人は左手がより内側に曲がっている。

両肩を結ぶラインはセットアップとストロークに大きく影響する。

普通のパッティング・グリップ(逆オーヴァラップ)でアドレスする。そのままでは両肩を結ぶラインがオープンの筈なので、スクウェアに修正する。と、ボール位置は両足の中心より後ろになってしまう。

パットの際、ゴルファーはボールがターゲット方向にあるのを好む。上のように後方だと、パットすると右へプッシュしてしまう恐れを抱く。これは自然な成り行きだ。

では、レフト・ハンド・ローでパターを握ってアドレスしてみよう。両肩を結ぶラインはスクウェアにする。どれだけレフト・ハンドをローにするかにより、両肩はオープンからスクウェアに変化する(鏡で確認されたい)。この左手の高低による微調整が限界に達したら、ボール位置を僅かに後方に移すことでスクウェアにする」

これは鏡を見てびっくりでした。私の肩のラインも見事にオープンでした。その上、ボールをターゲット方向にも置いていました。うむむ。

(August 27, 2002、改訂May 31, 2015)


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