スポーツ心理学の本のベストセラーとなり、スポーツ心理学のゴルフへの応用のブームに火を点けた本『ゴルフは完璧なゲームではない』から。
'Golf Is Not a Game of Perfect'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Simon & Schuster, 1995, $20.00)
Dr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)はスポーツ心理学のドクターですが、Tom Kite(トム・カイト)への協力が抜群の成果を上げ、ゴルフ界に心理学ブームをもたらした人。三冊出ているシリーズは、それぞれ20前後の実例が紹介されます。ベストセラーとなったこの第一巻にはNick Price(ニック・プライス)、Tom Kite、Seve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)、David Frost(デイヴィッド・フロスト)などが登場します。
この巻の基調としては、「自分を信頼する」ことの重要性が強調されていると云っていいでしょう。コースではスウィングのメカニズムをあれこれ考えず、自分の本能的判断と身体の動きに任せる。「たかが遊びじゃないか」という余裕を忘れない。ミスがあっても淡々とその事実を受け入れ、次のショットでベストを尽くすことに専念する…というものです。
パッティングについて。「ロングパットの理論に、ホールの周りに3フィートぐらいの円を想定し、この円の中に到達させることを目指せば失敗しないというのがあるが、これはナンセンス。アーチェリーにしろ射撃競技にしろ、似たような大きさの的を使うが、真ん中を狙うからこそ失敗しても的のどこかを射抜くことになり、減点の巾が小さくなる。パッティングでもド真ん中を狙うべきである」 Tom Kiteもどっかでこう書いていました。「バスケットのフリースローで輪っかの周り3フィートを狙う選手なぞいない。誰だって輪っかの中心を狙う。パットやチップ・ショットも同じだ」 まあ「3フィート理論」がリラックスしてパット出来るようにという配慮であることは解りますが、これではどこをターゲットにして目を向けたらいいのか特定出来ません。目からの情報による距離感に基づいて身体がショットの振幅、強さを調節するわけで、曖昧なターゲットは曖昧なショットを導くということが云えそうです。
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(April 18, 1998)
スポーツ心理学のベストセラー『ゴルフは完璧なゲームではない』に続く、Dr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)の第二弾『ゴルフは自信のゲームである』より。
'Golf Is a Game of Confidence'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Simon & Schuster, 1996, $21.00)
この本は'Golf Is Not a Game of Perfect'の続編。依頼人の数だけ原稿が書けるわけですから、Dr. Rotella(ロテラ博士)は金鉱を発見したようなものです。こちらには有名どころではBrad Faxon(ブラッド・ファクスン)、Davis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)、LPGAのVal Skinner(ヴァル・スキナー)、Paul Runyan(ポル・ラニャン)、Billy Mayfair(ビリィ・メイフェア)などが登場。しかし、アマチュアの話の方が参考になります(当然ながら)。
「いかにしてFred Arenstein(フレッド・アレンスタイン)は80を切ったか」という章はFredという会計士の話です。彼は37とか38は出したことがあるものの、いつも次のハーフで44とか45になってしまう。Fredは80がゴルファーの王国とダッファーの王国を隔てる国境であると思っている。彼の努力はいくつかあって、一つはクラブ選択。常に無造作にドライヴァーを手にするのでなく、必要なら7アイアンを続けて打つという姿勢。的を絞るということと、プレショット・ルーティーンの確立。自分のスウィングを信じ、「オーケー、Fred、これが今日最後のショットだと思って、もう一回だけいいショットを打とうじゃないか」と呟く。
勿論タイトル通り80は切れるのですが、彼は先ずNo. 1でボギーを出しています。「No. 1で失敗した後は過度の期待が薄れ、リラックス出来ることが多い」という著者の解説。アウトで一個のバーディーと四つのパーがあるものの、結構な数のボギーも連発。このボギーの連発が80を切れるかどうかというようなことを忘れさせ、一回一回のスウィングに神経を集中して行く契機となります。ラウンド終了後、一緒に廻った友人が計算してくれたところ、なんと78。めでたしめでたし。
(April 18, 1998、改訂May 29, 2015、再訂January 02, 2019)
著者のTimothy Gallwey(ティモシー・ゴルウェイ)はアマ・テニスの世界で有名だった人で、自分をコントロールする術を書いた'The Inner Game of Tennis'『テニスのインナー・ゲーム』なるベストセラーを作り、その姉妹編『ゴルフのインナー・ゲーム』を出版しました。この本は初版が1979年なので結構古い本ですが、1998年になって改訂版が出ました。
'The Inner Game of Golf'
by W. Timothy Gallwey (Random House, 1979, $21.00)
この本には、平均95程度でラウンドしていた著者がスコットランドのSt. Andrews(セント・アンドリュース)で80を切るまでのストーリーを縦軸に、心理的な面をコントロールする方法の模索が綴られています。
Timothy Gallweyによれば、「ゴルファーの内面に二つの自己が存在する。Self 1は理論家でコーチで評論家でもある自己。Self 2は実際に身体を使ってスウィングする自己。Self 1はいちいちSelf 2にああせいこうせいと命令し、結果が悪いと意気消沈するまでSelf 2を責め立てる。実際にはゴルファーは本能的にいいショットをする術を知っていて、目から入った情報を元に正確な距離と方向でボールを打てるのに、このSelf 1が妨害してぎごちない動きをもたらす」のだそうです。
では、そのSelf 1の妨害を排除するにはどうしたらいいか。スウィングの間じゅうSelf 1の登場を許さなければいいので、
a) 終始クラブヘッドの位置に意識を集中し、スウィングのトップで"Back"と呟き、インパクトで"Hit"と呟く。
b) スウィングのトップで"da"、インパクトで"da"、フォロースルーの最後で"da"と云う。
c) スウィングの全過程で歌をハミングする。
著者は(b)の"da-da-da"でスコアが95から88になったと書いています。私には(c)のハミングする方法が合っているようで、無心にクラブを振れるのは嘘ではありません。試してませんが、「ケセラセラ」などを歌うといい加減な方向に飛んじゃうのでしょうか(^-^)。いずれにしても、調子が良くなるとハミングするのを忘れてしまうのが欠点で、すぐSelf 1がしゃしゃり出て来てしまいます。どういう文句でもいいわけですから、日本人には「般若心経」なんかいいかも知れません。何か、悪霊退散を念ずる耳無し芳一の話みたいですけど:-)。
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(April 28, 1998、改訂May 29, 2015)
インストラクターMike McGetrick(マイク・マゲトリック)の、「もっと気楽にラウンドしよう」というアイデア。
'Save Five Strokes Without Changing Your Swing'
by Mike McGetrick with Tom Ferrell ('Golf TIPS,' June, 1997)
「あなたがスクラッチ・プレイヤーでない限り、スコアカードのパーは現実的基準とは云えない。いいゴルフというのはあなたの限界を広げて行くことであり、それは現実的な期待からスタートすることによって可能になる。これはいじけた発想ではない。あなたのハンディキャップを基準とするだけだ」
オフィシャル・ハンディキャップがなくても、次の計算で出る数字でいいと思います。
(【10ラウンドの合計打数】−【10ラウンドの合計パー(注)】)÷10
(注)常に72とは限らない。
「G.I.R.(Greens In Regulations、パーオン率)などは気にしない。パー4を簡単なパー5と考えれば、寄せも気楽に出来るのでは?フェアウェイをキープしていれば、8とか9とかいった大きい数字を出さずに済み、それどころかパーが転げ込んでくることだってある筈だ」
(April 30, 1998、改訂May 29, 2015、再訂January 02, 2019)
'Controlling Your Emotions'
by Dr. Matt Mitchell ('Golf TIPS,' June, 1997)
「ゴルフ・コースで心の平安を得る最も簡単な方法は、その日その日の現実的なゴールを定めることである。スコアに焦点を合わせるのではなく、スムーズなテンポとか、完璧なスウィング・バランスとかの目標を設定する。こういう一見平凡な目標の達成に専念して行くと、一日の終りには結果としていいスコアが得られるものだ」
「スウィング・キー(スウィングの遵守事項)が必要の場合、一つに絞ること。一つ以上のスウィング・キーは、テンションが高まっている際には脳の混乱を引き起こす」
「緊張を解くには深呼吸を二回繰り返す。これでも駄目なら、木の葉をしげしげと観察して“母なる自然”の驚異を感じる。あるいは遠い山並み、木の頂き、ビルなどに焦点を合わせ、他の一切を排除する」
私は“母なる自然”じゃなくて“神々”を時々引っ張り出します。絶対に成功させたいショットの場合、シェイクスピアかギリシア悲劇の台詞のように「神々も御照覧あれ!」と念じます。天上の神々が、「下手くそがまた何をやろうというのか?」とぞろぞろ集まって私の一打を見下ろすという設定になります。人間に凝視されている蟻のように、自分がちっぽけな存在であることが意識されます。不思議に力が抜け、邪心が消え、ピュアなプレイが出来ます。
(April 30, 1998)
クラブ | ロフト | 飛距離 |
---|---|---|
ピッチング・ウェッジ | ||
? | ||
サンド・ウェッジ | ||
ロブ・ウェッジ |
大きいクラブを短く持ってスリークォーター・スウィングするとか、小さめのクラブを力一杯振るなどということは素人にはとても難しいことです。同じスウィングでロフトにお任せ出来れば、それが一番。上の表のように、普通のゴルファーが持っているのは三本のウェッジで(ロブ・ウェッジ抜きで二本の人も多いと思うが)、ピンまで80〜100ヤード残すと厄介なことになります。ピッチング・ウェッジを短く使うか、サンドウェッジを強打するか、決断を迫られるわけです。この位の距離になるとピンそばギリギリに付けたいという欲望が湧き、忘我状態に入りやすいので、クラブを調節するようなコントロール・ショットなど出来ません(私には出来ない)。そこで、ギャップを埋めるギャップ・ウェッジの登場。クラブ・メーカーのほとんどが52゜前後のクラブを製造・販売しています。実際にはギャップ・ウェッジの出番は少ないのですが、スコア・メーキングに重要な要素なので、3アイアンを追い出して私のバッグに納まっています。
私は別々なメーカーのを購入してしまったのですが、どうせならロブウェッジとお揃いの方が気持ちがいいですね。
【参考】「ギャップウェッジとロブウェッジがない人の苦難」(tips_142.html)
(May 03, 1998、増補August 16, 2018)
'The Good Golf GuideCorrecting Common Faults'
(Eaglemoss Publications Ltd., 1989)
てんぷらが出るようになるとスコアも悪くなりますが、ドライヴァー(あるいはスプーン等)もダメージを受けます。クラブヘッドの上部にかすり傷が出来てしまうのです。こういう時は、てんぷらが出なくなる日までヘッド上部にビニール・テープを貼って練習に励みます。
(May 03, 1998)
'The Golf of Your Dreams'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Simon & Schuster, 1997, $22.00)
スポーツ心理学のDr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ)による臨床例集三冊目。今回はコーチと生徒との関係、トレーニングの心構えなどがテーマになっています。
'One Stroke at a Time'という章に登場するPatty Pilz(パティ・ピルズ)という女性は、少女時代にゴルフを始めたものの一度挫折、中年以降になって再挑戦し全米壮年アマ選手権にも出場するような実力派になりました。
「何がハンデ9からスクラッチにしてくれたかというと…」と、パティは語る、「ものごとを一個単位で進めて行くことだわ。ワン・ラウンドにつき一個ずつパット数を少なくすることから始める。寄せワンをもう一個増やすことから始める。ワン・ラウンドにつき一個よりよいターゲットを選ぶ。で、知らず知らず、スクラッチ・プレイヤーになるの」
この本の共著者である作家のBob Cullen(ボブ・カレン)は、カヴァーの紹介によれば「ボブ・ロテラとの共同作業を始めてから、ハンディキャップを9減らすことに成功し、初めて80を切った」そうです。スポーツ心理学は偉大ですね。
(May 04, 1998)
以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。
'The Golfer's Book of Wisdom'
compiled and edited by Criswell Freeman (Walnut Grove Press, 1995, $5.95)
「誰でも一回のラウンドで四つのまずいショットを出す可能性がある。そういうショットをしたら、あと三つ出るまでは気にしないで心から追い出すことだ」
Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)
「まずい一打がスコアを壊すわけではない」
Gay Brewer(ゲイ・ブリュウアー)
「トラブルに陥ったら、あなたが体得しているショットをせよ。体得したいと“願っている”ショットではなく…」
Jack Burke, Jr.(ジャック・バーク・ジュニア)
「練習場では、あなたをトラブルに陥れるクラブを使え。あなたを満足感でうっとりさせるクラブでなく…」
Harry Vardon(ハリー・ヴァードン)
「忘れなさんな気分よくなくちゃいけないということを。ゴルフは生死に関わる問題じゃない。ただの遊びだし、そう扱うべきだ。気楽にしていなきゃ」
Chi Chi Rodriguez(チ・チ・ロドリゲス)
「先のことを考えろ。ゴルフは次のショットのためにどうするかを考えるゲームである」
Billy Casper(ビリイ・キャスパー)
(May 09, 1998)
'One Move'(ワン・ムーヴ)の著者Carl Lohren(カール・ローレン)が著書のちりばめた名言。
'One Move to Better Golf'
by Carl Lohren with Larry Dennis (Golf Digest, Inc., 1975)
「強打者とラウンドする場合には、彼のスウィングを見ないこと。見てしまうと潜在的に無理をしがちになり、自分のスウィングを壊す。ゴルフは個々の技量を競うゲームであって、馬鹿力のコンテストではないことを忘れないように」
「覚えておくべき重要なことは、あなたの完璧なショットよりも結果オーライ("good misses")が一貫してスコア・メーキングを助けているということだ。正直に分析すれば、あなたには完璧と呼べるショットがほとんど無いという事実に気が付く筈だ。あなたのいずれのショットも、完璧という基準からすればミス・ショットでしかない。そうであれば、あなたの目標はミスの度合いを最小限にし、かろうじてフェアウェイやグリーン(あるいはグリーン・エッジ)のどこかへボールを運ぶというように、なんとかショットがものになるにようにすることである。これが自覚出来れば、リラックスしたプレイが可能で、ミスへの心の準備も出来るというものだ」
(May 11, 1998、改訂May 29, 2015)
どの雑誌で読んだ記事だったか忘れましたが、「池越えのホールに臨むと古いボールを引っ張り出す人がいる。これは暗黙の内に池ボチャを最初から容認しているわけで、負け犬の発想だ」というのがありました。似たようなものに、「クラブ・チャンピオン級だった人が不調になって、数年後にはBall retriever(池からボールを拾い上げる竿)を購入する有り様になり、仕舞いにはゴルフをプレイするよりも出来るだけ多くボールを掬うことに喜びを覚えるようになってしまった」というのがあります。
私の現在の本拠地の海軍航空訓練基地ゴルフ・コースは、アウトもインも最初のホールは池越えなのです。とても練習無しではスタート出来ません。しかし、いるんです、練習無しで出て行く人達が。見ているとそういう人の半分は池ボチャです。
'Confession of a HookerMy Lifelong Love Affair with Golf'
by Bob Hope (Doubleday, 1985)
Bob Hope(ボブ・ホープ)はゴルフ気違いとして有名で、映画「珍道中シリーズ」でコンビを組んだBing Crosby(ビング・クロスビー)と張り合っていました。Bobはハンデ6ぐらいで、Bingは2〜4あたりだったようです。それも当然。Bingは一寸でも時間が空くと練習場へ通っていたそうです。Bob Hopeの本は日本を含む世界各地でのゴルフ体験と交友録です。
この本で印象に残ったのは、「練習が鍵である。プレイする際はいつでも、先ず一篭打つことにしている。ウォーミングアップしないでプレイするプロはいない。同じことをしないで、我々アマチュアがいいプレイを期待することは出来まい」という部分でした。
告白すると、私はそう練習熱心な方ではありません。家の庭でのショート・アプローチ練習はほぼ毎日やってますが、練習場での練習には熱心ではないのです。専門の練習場は大きい篭が$6.00ぐらいします。もう一寸足せばグリーン・フィーになっちゃう額ですから(そもそもグリーン・フィーが安いんですが)、そういう見地からするとこれは高いです。ゴルフ場の練習場では50球ほど入った篭が$2.00です。これも安いとは云えませんが、まあノッケに池にブチ込みたくないので仕方がありません。
普通は7番アイアン、5番アイアン、ドライヴァー(か3番ウッド)という順序で練習するのですが、それぞれ二つ三つ、いい球筋が出ると、「いい球が品切れにならないうちに早く本番に移行しよう」と思っちゃうのです。調子が悪ければとても50球では足りないのですが、$2.00ケチって追加なぞしません。本当は「意図的スライス(とフック)」などをちゃんと長時間かけて習得したいのですが。
(May 15, 1998)
心理学者が書いたゴルフの本というのも相当増えていますが、これは「自己催眠」をゴルフに応用しようというもので、ただメンタルな対処法を教える類書と一線を画してします。
'Mental Management for Great Golf'
by Dr. Bee Epstein-Shepherd (Lowell House, L.A., 1996, $24.00)
別売のテープを購入するか、本にあるサンプルにならって自分で録音し、それを聞いて「自己催眠」を実施します。どのケースにも共通の「イントロ」(身体をリラックスさせる)と、「自信をつける」、「ティーショット」、「パッティング」などがサンプルに含まれています。私の場合、アプローチ等も含めて全五巻のテープを作ったのですが、自己催眠どころかいつも気持ちよく寝てしまって、未だに効果の程が分りません:-)。
ショットの前にボールの軌道と落ち場所をvisualize(視覚化)することの重要性も強調されています。その練習として、寝る前に好きな18ホールを自分の理想的なショットと攻め方でプレイするディテールを視覚化するという方法が紹介されています。私は何度試みても4ホール目あたりで熟睡してしまい、ついぞ最後まで行ったことがありません。
'The Inner Game of Golf'でSelf 1となっていたものが、ここでは“意識”、Self 2が“潜在意識”となっています。“意識”から“潜在意識”へ単純明解な指示を与えるのがコツだそうです。パッティングの場合なら、簡単に"In the cup."(入れ)と唱える。“潜在意識”は為すべきことを知悉しているので、これ以上グダグダ指示を与える必要はない…とのこと。いやあ、これは効きます。まあ、ちゃんとラインを読みアドレスはしなきゃいけませんが、あれこれ考えた末にプッシュしたりプルしたりするミスは無くなります。
スポーツ心理学では今や常識ですが、「Positive(肯定的)に思考する」ということが強調されています。否定的な"Don't"は“潜在意識”には理解出来ない。たとえば「絶対に池に入れないぞ!」と念ずると、“潜在意識”は「入れないぞ!」は理解出来ないが「池」は理解出来るので、「俺の主人(ゴルファー)はボールを池に入れたいと欲しているようだ」と推測し、その通り実行するのだそうな。おお恐い。
【参考】「自己暗示」(tips_31.html)
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(May 18, 1998、改訂August 16, 2018)
'A Round of Golf with Tommy Armour'
by Tommy Armour (Lyons & Burford, 1959, $13.95)
全く上達しないので「もうゴルフは止めた」と決意した男をコースに引っ張りだし、Tommy Armour(トミー・アーマー)が攻め方、テクニック等を指導し、「頭を使えばゴルフは簡単」ということを証明する物語。
テクニックとしては'Classic Golf Tips'のいくつかの項目(「トップの間」を含む)が登場します。「なるほど!」というコース・マネジメントを期待したのですが、感心するようなものはありません。これに似た本としては'How to Break 90Consistently!'という本や、最近ではTiger Woodsのスウィング・コーチによる'Butch Harmon's Playing Lessons'という本も出ました。
コース・レイアウトに応じてティー・グラウンドの左右どちらから打つかというTipが印象に残る程度。「左ドッグレッグのホールでティー・グラウンドの左にボールをセットすると、それはラフや林への近道。右にセットすれば、スライス、フック、どちらに転んでも安全」…というものです。
'Strategic Golf'
by Tom Watson with Nick Seitz (Golf Digest, Simon & Schuster, 1993)
Tom Watson(トム・ワトスン)は「左ドッグレッグなら右にティーアップすれば、わずかでもフェアウェイを真っ直ぐに出来る」と表現しています。
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)やChi Chi Rodriguez(チ・チ・ロドリゲス)に云わせると、「障害物(ドッグレッグの曲り角の林やフェアウェイ・バンカー)に近い方に立て」です。自然に障害物から遠い方を狙うことになるからだそうです。
がっぷり四つですね。両方試してみましたが、私は後者の方が安心して打てます。
(May 22, 1998)
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