'Afternoons with Mr. Hogan'
by Jody Vasquez(Gotham Books, 2004, $20.00)
この本『ホーガンさんとの日々』の一部は2004年春に一度紹介しました。その時は本の抜粋を掲載した'Golf Digest' の記事を元にしたのですが、今度改めて単行本を全部読んでびっくり。こんな面白い本はありません。どれほど面白いかと云うと、午後11:00、ベッドで就寝前に一章だけ読もうと思ったら、あっという間に午前3時になっていたくらい。とにかく、親しく付き合った人間にしか語れないBen Hogan(ベン・ホーガン)の個性が満ち溢れていて、どんどん頁を繰ってしまうのです。今回の記事は以前のものを全面的に書き直したものです。
筆者Jody Vasquez(ジョディ・ヴァスケス)は、1964年、高校のゴルフ部員だった頃(17歳)の夏休みにテキサス州フォートワースにあるShady Oaks C.C. (シェイディ・オークス)で、プロショップの雑用係に雇われます。Ben Hogan(当時52歳)のホーム・コースはColonial C.C.(コロニアル)ですが、このShady Oaks C.C.には彼専用の練習スペースと練習グリーンが用意されていたため、平日のほぼ毎日の練習をここで行っていました。その頃Ben Hoganはツァーの常連ではありませんでしたが、まだいくつかのトーナメントに出たり、彼自身の会社が開発するクラブの試打も続けていたのです。筆者Jody VasquezはBen Hogan専属のボール拾いとなります。プロショップ勤務は時給95セントという劇安でしたが、約二時間のボール拾いにはBen Hoganが$7.50払ってくれたそうです。
Ben Hoganは打ちっ放し練習場を嫌いました。だだっ広いだけで何も目標が無く、練習ボールは本当の軌道を見せてくれないという理由です。ですから、コース内に彼専用として設けられたフェアウェイで、自前のボールを使って打ちました。通り過ぎるメンバーたちは、「挨拶はいいが、お喋りでBen Hoganの邪魔をしないこと」と申し渡されていました。Ben Hoganはサンド・ウェッジから始め、ドライヴァーまで全てのクラブで打ちます。Jody Vasquezが指示された方角に走り、シャグバッグ(ボール入れの袋)を地面に置くと、ボールは正確にそのバッグを目がけて打たれ、バッグに飛び込んでしまうことすら珍しくありませんでした。次のボールが自分に当たらないように警戒しながら、ボールの泥を落としてバッグに入れるのがJody Vasquezの役目です。アイアンでは彼が一定位置から動く必要もないぐらい、Ben Hoganのショットは正確でした。ドライヴァーでさえ、僅か数歩移動するだけで済んだそうです。
「1967年、私が20歳の時のある日の午後、いつもの練習からクラブハウスに戻る途中、Mr. Hoganは9番ティーの傍でカートを停めた。Mr. Hoganは三個のボールを地面に転がし、くわえていた煙草を投げ捨てると8番アイアンでアドレスした。ピンまでは145ヤード。第一打はピンの10フィート右。第二打はかなり近く、三打目はピン傍へ。「こういう風に打つ方法を知りたいかね?」とMr. Hogan。私は逡巡することなく「ハイ!」と返事した。Mr. Hoganは8番アイアンを私に手渡し、「打って見せてくれ」と云った。驚いたことに、そのフェースは凄いオープンに作られていて、テキサスに立っていてシカゴを向くべきトゥはニューヨークを指しているのだ。私はピンをオーヴァーしたものの、幸い何とか真っ直ぐ打つことが出来た。Mr. Hoganは「いいね。しかし、8番アイアンをあんなに飛ばしちゃゴルフにならんよ」と云い、続く30分で彼の“スウィングの秘密”を伝授してくれたのである。
Mr. Hoganの秘密の最初のポイントは(1) バックスウィングとダウンスウィングの間、右膝の角度を維持する、(2) トップで左手首を"cupped"にする…の二点だった。【編者註:(2)は既に'LIFE'誌で公開済み】
私は『右膝の角度がそれほど重要なら、どうして'Five Lessons'(邦題『モダン・ゴルフ』)に出て来ないんですか?』と聞いた。Mr. Hoganは"I'm not telling them this."(競争相手の連中にバラすつもりはないからだ)と云った。Mr. Hoganはテイクアウェイの前後に右膝を引き締め、完全なるバランスを維持した。彼は『右膝は少しはスウェイしてもいいが、絶対にバックスウィングの途中で伸び上がってはいけない』と云った。
"cupped"な(甲側に凹の形に折れた)手首は以下のように作る。左手を身体の前に(誰かと握手するように)突き出し、腕をねじらないようにして手首だけ左へ45°の角度にひねる。そのまま、肩を右へ廻す。腕が水平を超えたら動きを止める。それが"cupped"な手首だ。『これが次に述べる右膝の動きと密接に関連するのだ』とMr. Hoganは云った。確かに、手首が真っ直ぐでも、掌側に凸の形に折っても身体のバランスが崩れて爪先に寄りかかる体勢となり、手打ちへの一本道となってしまう。
ダウンスウィングの秘密は、最初の動きが右膝をボール方向に左へ押すことであった。右膝をボールに向かって落すと云い換えてもよい。Mr. Hoganは『ボールを強めに打ちたい時は、右膝を速めにボールに向かって送る』と云った。彼にとって、右膝の動きが唯一の要素であり、他の身体の動きは忘れ去られていた。右膝を送るスピードを加減することによって、インパクトの力をコントロールしていたのだ。
Mr. Hoganの最後の言葉は、私の顔に人差し指を突きつけ『わしが喋ったことは誰にも云うな』というものだった。以来36年、私はMr. Hoganがどこかで同じことを書いたか語ったかしたのではないかと注意していた。しかし、彼は私以外の誰にも秘密を明かしていなかった。私は秘密を守った。例外はNick Faldo(ニック・ファルド)に話したことだ。私は“秘密”の意味を理解出来る誰かに伝えたかったのだ。これはMr. Hoganも許してくれると思う」
(February 09, 2005)
'Master Strokes'
by Nick Mastroni and Phil Franke (Running Press, 2003, $9.95)
「アマチュアの80%がアプローチ・ショットをショートする。このtipはあなたがボールをピン・ハイに付ける助けとなるものである。
ピンがグリーン中央にあり、奥には何の障害物もないと仮定しよう。あなたが完璧なショットを打ったとしたらグリーン奥にこぼれるクラブを選んで打つ。その理由は、あなたのほとんどのショットは完璧ではないからだ。そういう平均的ショットをピン・ハイ・ショットに変化させよう。【編者註:われわれは半年に一遍ぐらいしか出ない完璧なショットの飛距離を自分の平均飛距離と思い込みたがる。その自惚れを捨ててピンをオーヴァーしそうなクラブを選べば、実際にはピン・ハイの結果になるというのが、上の趣旨】
このクラブ選択により、あなたの最も貧弱なショットでさえグリーン手前に届くことになる」【編者註:われわれの“完璧なショット”はまぐれに近いものなので、グリーン・オーヴァーを恐れることはない。ワン・クラブ大きければミスしてもエプロンには届くという意味】
(February 13, 2005)
「下りのパット、上りのパット」で、「急な下りのパットはパターのトゥ(つま先)寄りで打つ」というtipを紹介していますが、それを補強するtip。
急な下りのラインでは、非常に軽くストロークしたつもりでもボールは暴走し、グリーンを出て行ってしまうことすらあります。それを防ぐ方法。
'Local Knowledge'
by editors of 'Golf Tips' ('Golf Travel Annual,' December 2004)
「スウィート・スポットをわざと外し、パターのトゥでボールにアドレスする。やや左を狙うことを忘れないように。インパクトでフェースは少しオープンになる。ストロークは普通に。これによって勢いの無い転がりにさせることが出来る」
トゥでストロークするというのは何度もやっていますが、一発で入ったということはありませんでした。「やや左を狙う」ということを知らなかったせいです。次回が楽しみです。
【参考】 (February 15, 2005)
「下りのパット、上りのパット」
「下りのパット」
●トラブル・ショットの要点
この本の著者著者Barbara Puett(バーバラ・ピュエット)は伝説的コーチHarvey Penick(ハーヴィー・ピーニック)に師事し、テキサス州女子アマチュア・チャンピオンになり、その後コーチとなって数多くの女性を教えています。
'A Woman's Own Golf Book'
by Barbara Puett and Jim Apfelbaum (St. Martin's Press, 1999, $21.95)
「慣れないショットを打つ必要に迫られたら、バックスウィングを遅くし、両脚の動きを控えめにし、全てをコンパクトにすること。ボールがどんなライにあろうとも、その下の草を刈ることに専念する。
確信が持てない時は楽な脱出ルートを選ぶ。深いラフでは横に出すだけの場合もある。それは一打を無駄にし、グリーンへの距離を詰めることにはならない。しかし、チェスではビショップ(将棋の角に相当)を一旦危険から遠ざけ、次の攻撃に備えることがある。ゴルフでも同じである。
傾斜したライでは、二、三度クラブで草を掃いてみる。スタンスのどこでクラブが地面に接したかチェックする。クラブが草を刈った地点をボール位置とすれば、確実にソリッドに打てる」
(February 17, 2005、改訂June 01, 2015)
'Weather Elements and Special Shots'
by Patrick O'Keefe ('The Meridian Star,' September 13, 2003)
これは当地のローカル紙のゴルフ欄に掲載された記事。筆者はDancing Rabbit G.C.所属のPGAプロ(インストラクター)。 ・向かい風 風に抗して、攻撃的に目一杯叩こうとすると惨事につながる。通常のスウィングか、クラブを短く持つなどして守りの姿勢を取るのが正しい。 次のような助言、すなわち「向かい風でドライヴァーを打つ時はティーを低くせよ」というのは危険を内包している。ティーを低くすると自然にディセンディング・ブローを誘い、それはバックスピンを増やしてしまうからだ。 ボールの軌道を低く保つのは風の中のプレイの基本であるが、それには以下のような手順を取るのが正しい。 1) 普通7番アイアンの距離だとすれば5番アイアンを持ち、1〜2インチ(2.5〜5cm)ほど短く持つ。1インチ短くすると、一本短いクラブの距離に相当する。 2) ボール位置をボール二個分後方へ移す。これはロフトを減らす効果を生む。 3) スリー・クォーターのバックスウィングを取る。通常のリズムをキープすること。これらがきっちりしたインパクトをもたらす。ウッドやロング・アイアンの場合、ショットを急がないこと。ウッドでは広いスタンスが重心を低くし、バランスを保ち、低くボールを打ち出すためのヘッドの下降角度も保ってくれる。 ・追い風 |
追い風はボールを推進させるだけでなく、バックスピンをも減少させる。それは着地してからの転がりが増大するということを意味する。ティー・ショットでは追い風は助かるが、グリーンを狙う時にはありがたくない要素である。
1) ティーを高くする。
2) 高い軌道により距離を得るため3番ウッドを使う。これは方向のコントロールにも役立つ。ホールのレイアウトによっては、距離はボーナスと考え、正確なショットが出来るクラブを優先すること。
・横風
風の影響を考え、狙いを風上側に調整するのは当然であるが、通常のスウィングでボールを低めの軌道になるようにする。必要に応じてワン・クラブ長くする」
(February 20, 2005)
Byron Nelson(バイロン・ネルスン)は、Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)などのクラシックなスウィングと一線を画し、現在のプロたちも採用しているスウィングのスタンダードを確立した人なのだそうです。
何がそれ以前のゴルファーと違っていたのでしょうか?
'The Methods of Golf's Masters'
by Dick Aultman & Ken Bowden (The Lyons Press, 1975, $19.95)
「1) ワンピース・テイクアウェイ
以前のゴルファーは捩じれ易いヒッコリー・シャフトのクラブを使っていたので、手や手首でインパクト時のフェース角度を調整していた。Byron Nelsonは捻れの無いスティール・シャフトの使用によって、手や手首の角度を変えずに真っ直ぐな左腕でスウィングする方が正確であることを発見した。
2) アップライトなスウィング・プレーン
Bobby Jonesを初め初期の多くのプロたちは、両腕が身体に巻き付くようなフラットなスウィング・プレーンだった。Byron Nelsonのアップライトなスウィングは、クラブがターゲット・ラインに沿って回転した。
3) 左サイド主導
それまではインパクトで左膝を伸ばし『左の壁に向かって打つ」』方式が主流だったが、Byron Nelsonは柔軟な膝で両脚を使い、『体全体が左サイドに向かう』スウィングを確立した。
・腰を大きく廻さず(約45°)、肩をフルターン(90°)させた。
・どちらかと云えばショート目のバックスウィングで、最も大きいスウィングでもクラブは水平から下には下がらなかった。
・インパクトでは柔軟な膝によってスウィング弧の底部をフラット目にした。これはボールの高さにおけるクラブヘッドの(スクウェアな)移動幅を長くした。
『私のベストの時でさえByron Nelsonのゴルフには及ばなかった』とBobby Jonesは云った」
(February 22, 2005)
'Throwing Darts'
by Laird Small with Dave Allen ('Golf Magazine,' December 2004)
「お尻を突き出し、背骨を伸ばす。胸がボールと向かい合う。これが終始背骨の正しい角度を保つ方法である。膝は適度に緩める(緩め過ぎると上体が起きてしまい、胸はボールと向かい合わなくなる)。
ワン・クラブ大きいクラブで3/4スウィングをする。あなたの背後に仮想の大きな時計があるとしたら、両腕が10:30になったところで止める。この制御されたバックスウィングは、腕と身体の回転をマッチさせるのを容易にする。《両腕が12:00を過ぎてはいけない》
手首の折れ具合を制限する。バックスウィングの開始ではシャフトがターゲットの反対側に伸ばされ(右腕も伸ばす)、シャフトと腕の角度は90°に近づかないこと。
アドレスする前に、クラブヘッドが地面をこするように二、三度素振りをする。クラブが接地したポイントのすぐ手前がボール位置である。ショート・アイアンでは、その位置は通常胸骨に揃う筈だ。
ピンを狙わずグリーン中央を狙う。PGAツァー・プロでさえ、こうすることによってGIR(パーオン率)を改善している。次のラウンドでは、まるでピンが無いかのようにプレイするように」
【参照】「腰の関節とはどこか?」
(February 24, 2005)
タイトルは「ゴルフTipいろは歌留多」のリサイクル。ちと大袈裟ですが、ゴルファーの心理から云うと、そうオーヴァーでもありません。
私のグリップは右親指の横腹をクラブに添えます。その右親指横腹にクラブの重さを感じた瞬間でバックスウィングを終えるのが最適のようです。その段階ではコックが少ないように感じられますが、実は必要十分です。それ以上コックした時より、最初に右親指にクラブの重さを感じたところを終点とした方が、飛距離も方向性もいいことを実感しています。
右親指横腹にクラブの重さを感じた地点からさらにコックすると、かなりパワフルなスウィングになりそうに思えます。人によってはそうなるのかも知れませんが、私の場合にはまるでいい結果を生みません。
文字だけでは御理解頂けないでしょうから、実験をしてみましょう。クラブを手にして、グリップしてみて下さい。身体の前でクラブが地面と平行になるように手を伸ばします。この時点では、右親指横腹(写真の赤い部分)には何の刺激もありません。ではゆっくり、手首を曲げクラブを地面と直角になる迄立てます(クラブヘッドが天井を向く)。ほら、クラブが右親指横腹を押すでしょう?実際には、その刺激があるのは手首が直角になるちょい手前です。その時点が私の云う「右親指横腹にクラブの重さを感じた瞬間」で、その段階で手首はまさに十分なコックを形成しています。
コックに第一段階、第二段階というものがあるとすれば、まだコックなどしていないと思える時期(上の実験のように右親指横腹にクラブの重さを感じた瞬間)に、もう既に自然にコックされているわけです。これが第一段階。この第一段階を意識しないか、あるいはそのコック度に満足しない人は第二段階へと突入します。実験を続けてみれば、その第二段階がかなり手首を強ばらせるものであることを感じて頂けるでしょう。私の場合、強ばったままインパクトを迎える手首が、プルを引き起こす犯人ではないかと推定されます。コックは第一段階で十分。まだ何か必要だとすれば、それはもっと肩を廻すことだけでしょう。
自然なコックに更に上乗せしても、「過ぎたるは及ばざるが如し」のようです。"Less is more."
(February 26, 2005)
'The Best Golf Tips Ever'
by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)
「David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)のバンカー・ショットのtip。一定のリズムを作るため、大方のバンカー・ショットではほぼフルに近いバックスウィングをするべきだ。距離の調節はフォロースルーの長さで行なう」
(March 06, 2005)
Hな話ではありません。鶏の胸肉が好きか股肉かというものでもありません:-)。
最近、ティー・グラウンドに立った私は、「胸か股か?」と自分に問いかけます。「胸」は「インパクトで大きく胸を張って伸び伸びと打つ」ことを意味します。「股」は「トップからダウンへのギアチェンジを下半身主導で確実に行う」ことを指します。
上半身から下半身へのギアチェンジを怠ると、私の場合手打ちとなってプッシュすることが多く、右の林が恐い場合は絶対に「股」でなくてはなりません。本当は「胸」も「股」も両方一緒に出来れば理想的なのですが、「胸」を選ぶと、往々にして「股」を忘れる恐れがあるのです。
私のホームコースのスコアカードで点検すると、「股」であるべきホール数は10個、「胸」が8個でした。つまり、右が危ないホールと、そうでないホールの数はほぼバランスが取れていることが判ります。やや「股」が多いのはスライサーには不満でしょうが、そう大きな差ではありません。
余談ですが、私は食べるなら股の方が好きです:-)。
(March 08, 2005)
'Stroke saver'
by Lana Ortega ('Golf Tips,' April 2005)
「アマチュアが7番アイアンを振り、次いでドライヴァーを振ると、例外なく長いクラブの方を振るテンポが速くなる。確かにドライヴァーのヘッドは速く動く。しかし、それはドライヴァーのシャフトが長いからという物理的な原理に基づくものであって、ゴルファーが速いテンポでクラブを振るからではない。
テンポは個々のゴルファーによって異なり、Nick Price(ニック・プライス)のように速くてもFred Couples(フレッド・カプルズ)のように遅くても問題はない。ただし、バッグの中のどのクラブでも同じテンポでスウィングしなくてはならない。クラブによってテンポが変わるのはトラブルの因である。
『今日、アイアンは良かったがウッドはひどかった』(あるいは逆)ということがあるのなら、それはアイアンとウッドを打つテンポが異なっていたからだ。ウェッジからドライヴァーまで、同じテンポでスウィングすべきである。もしウェッジ・ショットに2秒かかるのなら、ドライヴァーも同じく2秒で振るべきだ。
【編註】《ウッドはボールを払うように打ち、アイアンはボールを押しつぶすように打つ》のが鉄則なので、スウィング・プレーンを変えなくてはなりません。
あなたに最適のテンポを見つけるには、以下のようにする。
1) ボール無しで5番アイアンを振る。
2) バランスを保ちつつ、振り子のようにクラブを行ったり来たりさせる。
3) ボールをティーアップし、最前のテンポを再現し、バランスのとれたフィニッシュを迎える。
この練習をショート・アイアン、ロング・アイアン、そしてウッドなどで行ない、一貫して同じテンポを保てるかどうかチェックする」
(March 10, 2005、改訂June 01, 2015)
'Focus on the Scoring Zone'
by Roger Gunn (Golf Illustrated,' March/ April 2005)
「どのラウンドにおいても、平均パット総数は31を越えてはならない。31を越えるストロークは全て無駄なストロークと考えるべきだ。だから、あなたが平均36パットするゴルファーなら、あなたのハンディキャップは本来5をマイナスしたものでなければならない。
ラウンド毎のパット数は当然ながらショートゲームの影響を受ける。3mのパットより1mのパットの方が成功率は高いからだ。
パットで最も大事なのは距離感である。先ず、これを身につける練習をする。第二は、1mのパットに習熟することだ。絨毯の上でコインをターゲットにして練習するとよい。本番でカップが巨大に見えるだろう」
(March 12, 2005)
Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)による最適のボール位置を見つける方法。この位置はショット毎に変わると思った方がいいです。
'At the Range,' a part of 'Breaking 90 with Johnny Miller'
by Johnny Miller (Callaway Editions, 2003)
「地面との関係でクラブをどこに置いたらいいか、その最良の方法はスウィング弧の最低点を知ることだ。"brush-brush"(ブラッシュ・ブラッシュ)という方法があり、これはプロがフルショットの前にいつもやっているものだ。
数歩ボールから離れて立ち、ボールがある地点と似たライの草を素振りで薙(な)ぎ払う。もし、あなたのクラブが草にタッチしないようなら、本番ではトップして右へ出るショットを打つに決まっている。
スタンスのどの辺りの草を薙いでいるか判ったら、そこがスウィング弧の最低点であるから、その位置関係にボールが来るようにアドレスする。
1インチ(2.5cm)の差は、弱々しいスライスとパワフルなショットを隔てるものである」
(March 18, 2005、改訂June 01, 2015)
'Re-create the feel of the impact position'
by Wendy Ward ('Golf Digest,' January 2005)
筆者のWendy Ward(ウェンディ・ウォード)はLPGAの中堅プロ。 「ボールとのコンタクト、リズム、タイミングを改善する練習法を教えましょう。 ボールにアドレスする。体重の70%をターゲット方向に移し、腰もターゲットを向く。腕とクラブはアドレスした時のまま。これがインパクトの体勢であり、これを筋肉に覚え込ませる。このインパクト体勢からスウィングをスタートする。普通にバックスウィングし、先ほどのインパクト体勢を再現するように努める」 実はこれ、“幻の名著”として以前に紹介した本'The Golfing Machine'(ザ・ゴルフィング・マシン)のメソッドによく似ているのです。Wendy Ward自身か彼女のコーチが'The Golfing Machine'を読んで学んだのではないか?と思えるほど。しかし、大きく異なるポイントが二つあります。 'The Golfing Machine' 著者Homer Kelley(ホーマー・ケリィ)は、スウィングをスタートさせる前にインパクト体勢を予習することを"Impact Fix"(インパクト・フィックス)と呼んでいます。"Impact Fix"では上のWendy Wardのように「腕とクラブはアドレスした時のまま」ではなく、腕とクラブ、そして肩でもインパクトの体勢を作ります。 |
・左爪先が隠れるぐらいまで両手をターゲット方向に移す。
・インパクト時にそうであるように、左腕を伸ばす。
・インパクト時にそうであるように、左肩は右肩より高くなる。
また、Wendy Wardの方法ではそのままスウィングに移行するのですが、Homer Kelleyのヴァージョンでは一旦通常のアドレスに戻してからスウィングを開始します。これが相違点の二つ目です。
PGAプロのJerry(ジェリィ)と話し、「Homer Kelleyのメソッドで完璧なインパクト体勢を作り、Wendy Wardのようにそのままスウィングするのはどうか?」と尋ねました。「'The Golfing Machine'のことなら何でも聞いてくれ」という彼の答えは明快で、「"Impact Fix"の体勢からスウィングを始めたのでは勢いが不足する。やはりアドレスに戻った方がよい」とのことでした。
これはフォワード・プレスやワッグルとは違いますので、お間違えなく。例えて云えば、釘を打つ時に、一旦トンカチを釘の頭に当てる動作に似ていると云えましょう。筋肉にインパクト位置を教え、そこに戻すわけです。全く別の方角からトンカチを振りかぶるよりは、釘に精確に当たりますよね。
(March 22, 2005)
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