'Why You Should Never Leave the Ball Short' 「入るべきパットをショートするのは致命的なミスである。 いくらラインをうまく読んだからといって、ホールに届かないボールは入りようがない。 ホールでボールが死ぬパッティングの場合、ブレイク(曲がり)を大きく読まなくてはならず、判断が難しい。強めに打たれたボールは少ないブレイクで転がる。 強めに打たれたボールはグリーンの多少の凸凹を問題にせず転がる。 ショートする人はインパクトで減速しているはずだ。減速はパットの強さに影響するだけでなく、パターフェースをスクウェアに保つことをも妨げる。 【練習】10フィート前後のパットは攻撃的にストロークすべきである。練習として、バックストロークは通常のまま、フォロー・スルーだけ膝の高さに到達させる。この誇張したストロークは、ソリッドでラインをキープした加速を身につけさせてくれる。 ショートした場合、次のパットのブレイクがどうなるのか、未だ五里霧中である。反面、ホールを越えるボールを見つめていれば、次のパットのラインのヒントが得られる」 |
(Aug 10, 2003)
'Drive less, Score lower'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' February 1990)
「あなたの大好きなクラブ(=ドライヴァー)は、多くの場合あなたの敵でもある。その長いシャフト、垂直に近いフェースゆえ、ドライヴァーは14本の中で最も不正確なクラブと云える。
あなたのようなパワーヒッターが、パー4のホールで毎度ドライヴァーを使う必要はない。他のクラブを用いても、あなたなら快適に2オン出来る筈だ。次のような基準でクラブを選択しなさい。
ホールの長さ | ティー・ショット |
---|---|
350ヤード以下 | 4番アイアン |
351-370 | 3番アイアン |
371-390 | 2番アイアンか4番ウッド |
391-410 | 3番ウッド |
411ヤード以上 | ドライヴァー |
もし、パー4でもランディング・エリアが広く問題ないようなら、クラブの番手を上げてもよい。。
パー5でドライヴァーを使っても2オン出来ない長さなら、ドライヴァーは止める。ドライヴァーが唯一2オンのチャンス(=イーグル・チャンス)ということであれば、危険を冒す価値はある」
(Aug 17, 2003)
'Golf Past 50'
by David Chmiel and Kevin Morris (Human Kinetics, 2001, $16.95)
この本はU.S.シニア・ツァーの錚々たるメンバーがコラムを執筆しています。次のはパット名人のDave Stockton(デイヴ・ストックトン)担当の「パッティング」の一部。
「多くのアマチュア・ゴルファーは、自分の読みを信じ、それとストロークを結びつけることをせず、練習ストロークをやり過ぎる。三回も練習ストロークを繰り返したら、頭の中に構築した強さとラインは蒸発してしまう。
かなりラディカルに聞こえるだろうが、練習ストロークはしないことを勧める。私の場合、一旦強さとラインを定めたら、パターをボールの前に置き、足を調整し、パターをボールの後ろに移し、ホールに最後の一瞥をくれ、ストロークする。
心の中のイメージがフレッシュなうちに、きっぱりとパットすることだ」
(Aug 24, 2003)
「グリップ・プレッシャー」という記事があります。
私はこれを応用して、
1) 右にトラブル(OB、池、林など)がある時は、やや緩めのグリップ(ボールはやや左方向へ)
2) 左にトラブル(同上)がある時は、ややきつめのグリップ(ボールはやや右方向へ)
…というテクニックを使って成功しています。
「緩め」、「きつめ」の基準ですが、「適切なグリップ圧」の45°に構えた時のグリップ圧がニュートラルで、それを基準に緩めたりきつくしたりします。これはいいです。お試しを。
(September 08, 2003)
'Terminator'『ターミネーター』とか'Matrix'『マトリックス』などの映画は、意志を持ったコンピュータ(マシーン)が人類に襲いかかるという物語です。'2001: A Space Odyssay'『2001年宇宙の旅』(1968)の頃はまだコンピュータも一般化していなくて、いわばコンピュータ神話時代でしたから、コンピュータが人間に刃向かうなどというストーリィも成立しました。「コンピュータがはじき出した結論だ」などと云われると、「ヘヘーッ」と平伏しなければならないような有り様でした。
しかし、コンピュータはプログラムで動くもので、そのプログラムは人間が作るものです。私も簡単なソフトをいくつか作って分ったのですが、便利なソフトを作るには、欲張りなユーザのあらゆる要求を叶えなくてはならない。無茶苦茶なユーザの気違いじみた行動をも予測して対策を講じておかなくてはならない。しかし、プログラムはプログラマの能力を越えるものではないんですね。彼が思いつきもしなかったようなことは、普通出来ません。
つまり、「人類を壊滅させる」というプログラムが組まれていない限り、コンピュータが人間に襲いかかることはないわけです。そうなったとしても、それはそういうプログラムを組んだ「人間」がやったことなので、結局コンピュータの“意志”ではありません。私が『ターミネーター』や『マトリックス』のテーマは古いと云い切ってしまう理由です。
さて、そこへ「ボールを打つ機械から学べ」というテーマで本('Swing Machine Golf')を作ってしまった人が登場。Iron Byron(アイアン・バイロン)という機械はクラブ・メーカーやボール・メーカーに欠くべからざる道具ですが、「その完璧なメカニズムを真似してスウィングすりゃいいじゃないか」という発想です。私は呆れました。上に述べたコンピュータ神話に似たものを感じたからです。
五、六人の人間を並べて、順にメッセージを囁いて貰うと、最後の人に伝わったメッセージはオリジナルとまるでかけ離れてしまうというゲームがあります。アイアン・バイロンはプロのスウィングを元に作られたもので、人間のアクションを模倣した機械です。その機械を模倣しようというのは模倣の模倣となり、オリジナルからかけ離れたものになってしまうのではないか?
読み進んで行くと、アイアン・バイロンの誕生秘話も興味深いし、機械のメカニズムから得られるヒントも面白い部分がありました。私が読んだのは雑誌に掲載された抜粋ですが、本を買う必要はないまでも、皆さんに紹介する価値はあるものと思えました。
'Become a Swing Machine'
by Paul Wilson with Ken Steven ('Golf Tips,' Aug./Sept. 2003)
Part 1: Iron Byron誕生秘話
1963年、Gurdon Leslie(ガードン・レズリィ)という当時True Temper(トゥルー・テンパー社、シャフト・メーカー)の副社長が、新製品のシャフトをテストする人造人間を作ることを思い立ちました。それまでもボールを打つ機械は作られていましたが、人間が実際にクラブを振る動きとはかけ離れていました。彼はオハイオにあるBattelle Memorial Institute(バテル記念研究所)に「完璧なスウィング・マシーンを作ってくれ」と依頼しました。
そのプロジェクトのチーフとなったのは当時28歳だったGeorge Manning(ジョージ・マニング)という技術者でした。彼とスタッフは高速度カメラでとらえられたプロのスウィングを集め、誰がスウィングのエネルギーを最も効果的に使っているかを検証しました。その結果、Byron Nelson(バイロン・ネルスン)が模倣すべき最適の人物であることが分りました。1947年に既に引退していたとはいえ、Byron Nelsonはその当時も機械のように正確なボールを打つことが出来、George Manningの前で素晴らしいスウィングを披露しました。
二年後、$250,000という当時としては巨額の経費をかけて、最初の機械が完成しました。当時この機械は'Iron Byron'(鋼鉄のバイロン)とは呼ばれず、'Golf Club Testing Device'と呼ばれていました。George ManningはTrue Temper社に移り、Bob Bush(ボブ・ブッシュ)との共同研究で、機械の改良に励みました。現在のこの機械'Iron Byron'は、世界の40箇所で使われているそうです。
Part 2: Iron Byronに学ぶ
「設計者George Manningはテイクアウェイのプロセスには全く興味がなかったので、この Iron Byronはスッとクラブを持ち上げるだけである。
クラブが装着される腕の部分には、自由に動く蝶番(ちょうつがい)がある。トップでは一杯に折れ曲がり、インパクトではフルにほどかれ、フォローではまた一杯に曲がる。この蝶番が錆び付いたらどうなるか?動きの自由度が減り、インパクトでタイミングよくフェースがスクウェアにならない。同時に、最高のパワーを生み出さなくてはならないインパクト・ゾーンにおける鞭のような動きをスロー・ダウンさせてしまう。これでは飛距離は伸びない。
プレイヤーの緊張は、上のように機械が錆び付いたのと同じことをもたらす。ボールを腕で強く打とうとすると、手首に生じたテンションがアンコックのプロセスを遅くしてしまう。これはクラブヘッドの動きを遅くし、インパクトでフェースをオープンにしてしまう。目一杯力を篭めたショットが、短く、しかも右へ飛ぶのはこのためである。
この機械の“腕”の部分にはパワーを生み出すものは何もない。つまり、ダウンスウィングで腕の筋肉に相当するものは全く使われず、単に“上半身”の捻転が解(ほど)かれるのに連れて振られるだけである。
もし、もっと距離を増やしたい場合、Iron Byronでは圧搾空気の圧を増やして胴体の回転を速くするのだが、これは人間だと脚・腰によってスウィングを速めることに相当する。
スウィングの間じゅう両腕は力を篭めずに、上半身の捻転、振りほどきに追随するだけだということを忘れないように」
最近の私のテーマは「無力感」、「脱力感」です。これらは普通は病気一歩手前か、軽い病気の症状に使われるネガティヴな言葉ですが、私の現在のゴルフにとってはポジティヴそのもの。以前に「円月殺法」(tips_52.html)として書いた、全く力を入れないテイクアウェイを更に推し進めているのですが、この効果が絶大なのです。「バック・スウィングでボールを打つわけではない」ということは常識ですが、つい歯を食いしばったゴチゴチのテイクアウェイをしがちです。しかし、要は野球のバッターがバットを持ち上げるように上げればいいだけなので、その時に力んでも仕方がない理屈です。「無力感」、「脱力感」でスーッとクラブを持ち上げた後は、直前のショットの反省により「ボールの後ろに頭を残す」か、「大きく振り抜く」か、どちらかのスウィング・キィを選んで集中します。勿論、ダウン・スウィングでも「無力感」、「脱力感」では飛ばないのですが、腕力ではなく身体の回転で飛ばすようにします。
ドライヴァーの飛距離は飛躍的には伸びていませんが、アイアンの飛距離がかなり伸びてしまいました。「無力感」、「脱力感」スウィングを徹底してから、ワン・クラブ(時にツー・クラブ)もオーヴァーして困るようになっています。真っ直ぐターゲットに飛ぶのでニタニタし始めると、どんどんグリーン奥へ飛んで行くので愕然とします。しかし、この状態で78ですから、距離感が掴めたらどうなるのでしょう(獲らぬ狸…)。
上のマシーンと私の「無力のゴルフ」はかなり近いと思われませんか?
(September 12, 2003)
普通のチップで寄せる場合には勾配やブレイクを読まねばなりませんが、チップインを目指す場合は真っ直ぐピンを狙います。パットと異なり勢いがあるので、あまり地形の影響を受けません。勿論、距離にもよりますが、ベラボーに長い距離でチップインを狙う人というのはいない筈ですよね:-)。
かなり勾配の変化があるグリーンでは、最後の一転がり分だけ高い方を狙います。
「寄せるのではなく、入れるつもりで」という心構えを説く記事は多いですが、「チップインを狙う」などという図々しい方法はゴルフ本には登場しません。上のは私の経験則です。数年前、私は「30分の練習中チップインが五回」という記録を持っていました。最近、「変則ロブ」を忘れていたこともあって、チップインも稀になっていたのですが、ここのところ4ラウンド連続で一回ずつ達成しています。復活の兆し大というところです。
P.S. 私の寄せはロブ・ウェッジによるものです。ロフトの少ないクラブによるチップ・エンド・ランの経験は皆無です。
(September 15, 2003)
ノーベル賞にゴルフ物理学部門があれば、私のこのtipは受賞間違いなしの逸品です。この記事一つだけでも、皆さんがこの「日記」にこれまで通いつめた御利益はあったと申せましょう(自画自賛)。
私は1996年からアメリカのゴルフ雑誌四誌を購読し、100冊余のゴルフの名著、佳著、駄著を自前で購入し、図書館の50冊余のゴルフ本も読破しました。そのどれにも見当たらないtipですから、これは真に私のオリジナルですし、世界に誇れる日本の財産と云えるものです(同上)。
実は、このtipを発表するのは今回が初めてではありません。2002年4月2日に「ある発見」と題してこの「日記」で発表しました。しかし、「一介のダッファーがこんな大発見をするなんて、何かの間違いではないだろうか?」と自信のない書き方でしたし、図解もなく文字だけの記事でしたから、多分読者諸氏にもよく理解されないまま読み飛ばされてしまったのでしょう。しかし、今回は読み飛ばさないで下さい。日本の、しかもこの「日記」の読者だけがマスター出来る超簡単・傑作tipです(同上)。
以下は左足上がりの場面を例にとりますが、左足下がりにも同じように適用出来ます。
急勾配の左足上がりではボールが過剰に左へ飛ぶのが常識とされています。モノの本では、それを調整するためかなり右を狙うようにと書いてあります。「何故、左へ飛ぶのか?」とか、「ヤーデージと勾配による調整法」などというものはお目にかかったことがありません。私のtipはそれら全てを解決します(同上)。
では先ず、証明篇。左足上がりでは両膝、腰、両肩を斜面に平行にアドレスするのが原則。ピンを狙ってアドレスしてみて下さい。そこで、ストップ!そのまま両手を上げてシャフトが90°になる(天を指す)ようにして、クラブのリーディング・エッジを御覧下さい。写真円内のようにシャット(クローズ目)でしょう。これでは左へ飛んで当然です。
一気に、解決篇。先ほど垂直に上げたクラブの握りを緩め、シャフトとリーディング・エッジが垂直になるように調整し、その後でグリップを固めます。そのクラブを地面に下ろしてアドレスしますが、もうフェースの角度を弄くってはいけません。
これまで、急勾配の左足上がりではピンのかなり右を狙うか、フェードをかけるかしなければなりませんでしたが、どの方法も適当に右を狙うことになり、誤差は激しく、確信のないショットになるのが常でした。しかし、上の方法でリーディング・エッジをスクウェアにした以上は、もう右を狙ってはいけません。というか、問題なくシンプルにピンを狙えるのがこのtipの真骨頂です。
今後は確信を持って丘の上の旗竿を目標に出来ます。ガンガン攻めて下さい。
左足下がりでは、斜面に沿ってアドレスしたフェースは逆にオープンになります。右へ出て当然です。この場合も垂直に上げたクラブをスクウェアにしてからグリップを作ればいいのです。左を向いてアドレスする必要はありません。ピンを直接狙えます。
ティー・グラウンドそのものが傾斜している場合があります。その時にも上の方法を応用します。
【参考】
・「Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)版・斜面の克服」(tips_131.html)
・「斜面の公式」(tips_131.html)
(September 18, 2003、改訂April 19, 2015、増補May 25, 2015、再訂September 18, 2016)
人間が振り子の運動を真似すると仮定しましょう。物指しか何かを堅く握って往復運動をします。軌道がジグザグになったり、振幅も一定にならず、かなり見苦しい“振り子”になることでしょう。もっといい例がブランコです。子供にせがまれて背中を押してやる。子供の背中の真ん中を押さないと左右にぶれます。押す強さを一定にしているようでも、振幅も毎回微妙に異なるでしょう。
振り子式パッティングが理想なら、なるべく人間の手は介在しない方がいいようです。最適のバックストロークのトップを作ったら、重力がパター・ヘッドを呼び戻すまで待つ。自然にパターヘッドが下りかけたら、長めのフォロースルーが取れる程度に力を貸す。ブランコでも、戻って来た子供をすぐ押すとブランコの動きはぎくしゃくします。頂点から戻りかけたタイミングで押せば、真っ直ぐスムーズに動いて行きます。御存知ですよね?
結局、ロング・ゲームもショート・ゲームも地球の影響下にあるわけで、人間が小賢しくコントロールするよりも、地球の重力と慣性に仕事をさせるのが一番ということでしょう。最も繊細な動きが要求されるパッティングにおいては、「正しくバックストロークした」と思われた時点で人間の役割は90%終えたと考え、後は地球に任せた方がいいようです。
最近、ロング・ゲームが良くなって来たため、いまひとつ冴えないパッティングが同伴競技者たちの批判の的にされています。結構少ないパット数(下記)でラウンドしていてもああだこうだ云われるのは不当だと思いますが、彼らからすれば数多のバーディ・チャンス、パー・チャンスを台無しにする私のパッティングは目を覆いたくなるものがあるのでしょう。
【参考:最近の少ないパット総数】 25 8月07日、9月08日、9月23日 26 8月11日 27 8月04日、9月19日 28 8月21日、9月01日、9月15日
最近一緒に廻ったJ.W.(ジェイ・ダブリュー、よく登場するJ.B.とは別人)は、練習グリーンに立たない日はないというぐらいパットを重要視している老人です。振り子式とは程遠い、パチンと弾く古い型のパッティングですが、水準以上に上手いと云えます。彼に「ボクのパッティングを見てて、何か感じたことある?」と聞きますと、「もっとリラックスせよ。身体全体をリラックスさせるんだ」という返事でした。
リラックスしていたつもりでしたが、よく考えるとリラックスしていない箇所がありました。グリップと手首です。「総括・振り子式パッティング」の図解のようなフレキシブルなイメージを忘れていました。
Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)のヴィデオをいくつか見直しましたが、彼は左腕とパターを一体化して、棒で払うようなパッティングです。私のイメージ画のようにゆるゆるのグリップではありません。彼は「左手で舵を取り、右手でパワーを与える」と云っています。フォローを長くせず止めているので、インパクトで若干力を入れているように見えます。“名人”と云われながら、その神通力が現在まで生き延びていないのは、地球に仕事をさせず、彼独自の感覚と技でこなして来たメソッドだからではないでしょうか?
リラックスさせたグリップと手首は、地球の仕事の邪魔をしません。ボールもよく走ります。最後の一転がりでポトンとカップインする確率も高くなります。さて、同伴競技者たちの批判を消滅させたいと願っていますが、一体どの程度の日数がかかるでしょうか?
(September 25, 2003)
'True Grit'
by Nick Seitz ('Golf Digest,' July 2003)
「最近のゴルフTV中継を観ていると、素晴らしいバンカー・ショットが続々登場する。インストラクターのRick Smith(リック・スミス)は『プロたちはバンカーからチップインさせようと考えている』と云う。“考えている”だけでなく、彼らは実際にやってのけている。
Jeff Sluman(ジェフ・スルーマン)は57°のサンド・ウェッジを愛用し、『バンカーでロブ・ウェッジを使う連中は下手くそなのさ』と云うが、あのJose Maria Olazabal(ホセ・マリア・オラサバル)でさえ60°のロブ・ウェッジを使っているし、Phil Mickelson(フィル・ミケルスン)などは62.5°のウェッジを最大限オープンに寝せて使うので、インパクトでは事実上90°のロフトになっている。今や、バンカー・ショットではロブ・ウェッジを使うのが主流である。 David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は云う: ・昔のメソッドは56°前後のサンド・ウェッジを用い、ターゲットの左に足・腰・肩を揃え、クラブフェースをオープンにし、身体の向きに沿ってスウィングした(カット打ち)。クラブの砂への進入ポイントはボールの2.5〜5cmほど後ろで、深めに砂を取った。 ・最近のメソッドは60°以上のロブ・ウェッジを用い、ターゲットの左に足・腰・肩を揃えるがクラブフェースはターゲットにスクウェア。身体に沿ってバックスウィングするが、ダウンではターゲットに向かって振り抜く(スクウェア)。クラブの砂への進入ポイントはボールの5〜7.5cmほど後ろで、砂はごく浅めに取る。ボールは真っ直ぐ転がる。 Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)は云う: ・若手プロは短い距離のバンカー・ショットでは60°、人によっては64°のロブ・ウェッジを使う。これらはハンド・アクションを必要としない。ボールのかなり後ろにクラブを入れ、ボールの下を浅くスライドさせる。 |
・彼らはロブ・ウェッジでタイトなピン位置をも攻める。顎の深いバンカーも、ものともしない」
やってみました。私のはCleveland(クリーヴランド)の588と呼ばれる型の60°ウェッジです。顎が1m余りある深いバンカーでテストしてみましたが、上手く行くとプロ裸足の寄り方をします。「バンカーからピン傍へ」というtipを併用して実践すると最高です。砂を爆発させるのではなく「ボールの下を浅くスライドさせる」だけですから、力は要りません。これが実現出来ると、ショックのないフワッとした感触の振り抜き、スルスルとピンに寄って行く結果が得られます。「これだ!プロたちがやってたのはこれだ!おれにだって出来るじゃないか!」という感動と同時に、一種呆気ない思いも味わいます。
私の現在のホームコースである市営ゴルフ場は、18ホール中11ホールにバンカーがあるのですが、それらは全部グリーン正面で大口開けて待ち構えているものです。よく考えると、先日3オーヴァーで廻れた時は、全くバンカーに捕まりませんでした。これは滅多にない幸運だったようです。「バンカーを制するものは市営ゴルフ場を制す」と云って過言ではなく、今後しばらくはバンカーの鬼となって、当世風バンカー・ショットの習得に励もうと思います。
(October 04, 2003)
'Sand Saves'
by Eric Alpenfels with Lorin Anderson ('Golf Magazine,' April 2003)
'Golf Magazine'が三種類のバンカー・ショット練習法をテストしました。経験豊富なゴルファーを集め、三つにグループ分け。テスト前にバンカーから7.6m離れたピンに彼らがどれだけ寄せられるか、5回のショットのデータを記録。次いで、それぞれ割り当てられた練習法を72回実行し、最後にアチーヴメント・テストが行われました。
練習法その1:6インチ離して二個のボールを置き、それらの下をスライドさせる。
練習法その2:12インチ(約30cm)離して二本の線を引き、真ん中にボールを置く。線の間全体を浅くスライドさせる。
練習法その3:板を砂に埋め込み、僅かに砂を盛り上げた上に置いたボールを打つ。
テスト結果:「練習法その1」の成果は練習以前より平均84cmピンに近づき、「練習法その3」の成果はたった41cm近づいただけでした。それに引き換え、「練習法その2」は練習以前より平均2.1mもピンに近づくという目覚ましい結果でした。
「練習法その2は砂への浅い進入角度を体得させるのに役立つ。クラブヘッドはボールのかなり後方で砂に進入し、ボールをかなり通り越した地点まで砂の中をスライドさせるべきである」
(October 04, 2003)
'Reduce spin, add distance'
by Art Sellinger ('Golf TIPS,' April 2003)
筆者のArt Sellinger(アート・セリンジャー)は何度かロング・ドライヴ・チャンピオンになった人。
「スピンが飛距離の邪魔者である。スピンを減らしてティー・ショットの飛距離を伸ばそう。
1) 長いティーを使い、目一杯高くティーアップする。これはアッパーなスウィングを誘い、10°以上の発射角度と3,000rpm以下のスピン率を生む理想的条件を整える。
2) アドレスでドライヴァーを地面に置いてはいけない。浮かして構えること。これはヘッドの中心かやや上方でボールを捉え易くする。逆にヘッドの下方でボールを捉えると、スピンを増やしてしまう。
3) 下向きのスウィング軌道になってはいけない。野球ならホームラン・バッターのアッパーカットのスウィングであり、合わせて打つバッターのフラットなスウィングではない。
4) Stay behind the ball.(ボールの後ろに留まれ)インパクトでターゲット方向に身体がスライドすると、その動きは発射角度を低くし、スピンを増やしてしまう」
(October 11, 2003)
ストレートに見える簡単なパッティング・ラインだと仮定しましょう。本当に最後の一転がりまでストレートでしょうか?色んな本に登場するtipですが、「カップを仔細に点検する」ことで上の疑問を解決出来ます。
写真を御覧下さい。カップの右下は綺麗に芝が揃っていますが、左上は削られて痛んでいます。ボールが左上の縁で弾んでカップインしたり、ケラれたりした時に出来た傷です。ここでカップの左を狙ったら、そのボールがカップインすることはあり得ません。ボールからカップまで数歩〜十数歩あるとしても、この有益な情報のためには歩いて損はありません。
早朝一番のスタートでは役に立たないtipです。念のため:-)。
(October 18, 2003)
中堅インストラクターBill Moretti(ビル・モレッティ)の薦めるパッティング・スタイルとパターの組み合わせ。
'Turn Three Shots Into Two'
by Bill Moretti with Mike Stachura (Andrews McMeel Publishing, 2002, $19.95)
「パターには四つの基本的なデザインがある。
1) ヒール・トゥ・バランス型、ややオフセット型(写真D)
商品:Ping Anser、Scotty Cameronなど。
使用プロ:Tiger Woods、David Duval、Loren Roberts、Brad Faxonなど。
あなたのストロークが腕と肩の動きで、パターをストレートに後退、前進させるものであり、しかもあまりにも遅かったり速かったりしない安定したテンポなら、この型を使うとよい。一般的に、バックストロークとフォロースルーの長さは同じである。
2) ブレード型(写真B)
商品:Calamity Jane、Wilson 8802など。
使用プロ:Bobby Jones、Ben Crenshaw、Phil Mickelson、Larry Mizeなど。
あなたのストロークが長く流れるようなもので、バックストロークでフェースがオープンになり、フォローでクローズになるタイプなら、この型が似合い。
3) マレット型(写真AとC)
商品:Ray Cook M-1X、Ram Zebra、Odyssey Rossie IIなど。
使用プロ:Dave Stockton、Nick Price、Nancy Lopez、Billy Casperなど。
コンパクトなストローク、右手でパワー、左手でコントロールし続けるタイプの人は、マレット型が最適。
4) センター・シャフト型
商品:Bulls Eye、Never Compromize Zi-alphaなど。
使用プロ:Tom Kite、Steve Jones、Bob Charles、Payne Stewartなど。
腕によるストロークをする人で、パターを低くバックさせる傾向がある人には、この型がベスト。
・パターの重さについて
一般的に云って、重いパターは遅いグリーンに、軽いパターは速いグリーンに向いている。重いパターはストローク法を変えることなく、パットに幾分かの力を与えてくれる。同様に、軽いパターはめちゃ速いグリーンでも恐れることなく流麗なストロークを可能にしてくれる。
あなたのストロークが自然に長めの遅いものであれば、重いパターが効果的。ストロークが短く速い人には軽いパターがベスト。
パターを強くグリップする人には重いパターがいい感覚をもたらす」
'Lights-Out Putting'
by Todd Thones with David DeNunzio (Contemporary Books, 2000, $22.95)
「・手首を使ったパッティングをする人にはブレード型がお薦め。しかし、エラーに対する許容度はない。
・センター・シャフト型は若干オープン目のテイクアウェイ・若干クローズ目のインパクトにふさわしい。
・振り子式パッティングをする人はヒール・トゥ・バランス型で決まり。ミスへの許容度もある。
・あまり正確にストローク出来ない人にはマレット型。マレット型はオーヴァーサイズのドライヴァーやアイアンと同じで、ミス・ヒットに対する許容度が高い」
(October 18, 2003、改訂May 31, 2015)
'Golf Digest'11月号は、10頁にわたる「ロフトを増やして飛距離を10ヤード伸ばそう!」という特集を組んでいます。
'Why everybody needs to try more loft--And that means you'
by Mike Stachura ('Golf Digest,' November 2003)
「あなたがPGAツァーのメンバーでもないのに、10°以下のロフトのドライヴァーを持っているなら、もっとロフトを増やして人生を変えるべきだ。
『ロフトが多いと、着地後すぐ止まってしまってランが少ない』というのが通説だった。しかし、我々のテストで計測した結果、そんなに急に止まるわけではないことが分った。
9番アイアンがピッチングウェッジより飛ぶのは正しいが、8°のドライヴァーが11°より飛ぶわけではない。鍵は発射角度であり、空気力学的に最適の発射角度は10〜15°である(編者註:クラブのロフトではない)。遅いスウィング・スピードの人は、この角度を増やせば距離も増える。一般的に2,000〜3,000 rpmのスピン率が理想だが、スウィング・スピードが遅い人はこれを増やせば滞空時間が増える。
TaylorMadeドライヴァーを使うツァー・プロの半数は9°のロフトである。現在、平均319.6ヤードでPGAツァーの飛距離のトップであるHank Kuehne(ハンク・キーニ)も9°を使っている。Callawayドライヴァーを使用するプロの40%も9°のロフトである。Titleistドライヴァーを用いる40%のプロのロフトは9.5°である。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)もErnie Els(アーニィ・エルス)も2003年には9.5°を使っている。
Srixon(スリクソン)開発チームの工学博士は『これまでスウィング・スピードが速い人は8°のロフトを好んだ。これからはスウィング・スピードが速い人は14°のロフトを選ぶだろう』と云っている。
プロのLanny Wadkins(ラニィ・ワドキンス)は、可能な限り少ないロフトで低いボールを打つことを30年以上も続けて来た。彼は云う、『ロング・ドライヴのショーを見に行ったら、てんぷらのように見えるボールが330ヤードとか340ヤードも飛んだ。俺は考え直した』 で、彼の現在のドライヴァーのロフトは10°である」
この記事には四人のアマチュアのテスト結果も出ています。そのうちスウィング・スピードが65〜67 mphの二人は、16°のドライヴァーを使うと最高の飛距離をもたらすことが分りました。
私の83歳の友人J.B.(ジェイ・ビー)もこの記事を読み、「わしは13°の3番ウッドでティー・ショットするのがいいのかも知れん」と云っていますが、普通の3番ウッドは最近のドライヴァーのようにデカヘッドではないので、スウィート・スポット以外で打つミス・ヒットへの許容度が少なく、スプリング効果も少ないでしょう。やはり、ロフトの多いドライヴァーに乗り換えるしかないようです。
(October 22, 2003)
'Closing the Deal'
by Clay Long ('Golf Digest,' November 2003)
「最新のデカヘッド・ドライヴァーを買う際、アドレスした時にややクローズ目に見えるクラブを選ぶこと。デカヘッドはインパクトでスクウェアにすることが難しく、ボールが右へ出易い」
'Gear Mysteries Explained' 「TaylorMadeの副社長は『一般のゴルファーに、スクウェアなクラブフェースで中庸な重心のドライヴァーを与えたらスライスばかりだ』と云う。『ヘッドが大きくなると、重心はシャフトの軸からどんどん離れてしまう。一般のゴルファーはスクウェアなインパクトを迎えるのに苦労する』その結果、多くの350 cc以上のドライヴァーは1°〜2°クローズのフェースにデザインされている。もし、このクローズ目のフェースが嫌なら、ヒール側に重心をおいたドロー気味のドライヴァーを選択出来る」 私の360 ccのドライヴァーもクローズ目のフェースです。私はこれを「世間に多いスライサーへの過剰サーヴィスか?」と思っていました。私は鉛を貼って左へ出る危険なボールを避けようとしましたが、これは間違いだったわけです。で、即刻鉛は剥がしました。 'Golf Digest'『ゴルフダイジェスト』誌11月号の特集「ロフトを増やして飛距離を10ヤード伸ばそう!」には、インパクト時にヘッドが上向きの進入角度か下向きかで、どれだけ飛距離が異なるかというテスト結果も載っています。 'One more angle to attack' スウィング・スピードが90 mphの場合、同じロフトなら上向きの角度で打つと10ヤード飛距離が増えています。上向きになる要因としていくつかの項目が並んでいますが、それらは別に推奨されているというわけではないので、ここには引き写しませんが、私個人として気になったのは次の二点です。 |
ボール位置ですが、これまでは普通の左足かかとの前方だったのを、爪先前方に変更。
そのボールの直後にヘッドを置くとあまりにも落ち着かないので、ボールの10 cm後方でアドレスすることにしました。
これで数日練習し、なんとかラウンド出来るところまで到達しました。ある日、一緒にラウンドしたJoe(ジョー)という私と同年輩の男が「そのクラブで打たせてみてくれ」と数ホールで試し、メーカーとクラブ名をメモしていました。普通、大して飛ばないドライヴァーには誰も興味を持ったりしませんから、これは明らかに彼の目に印象的な飛距離を見せたクラブだったことが分ります。それと値段ですね($179.95)。
その後、さらに同誌を読み進めて行くと、次のような記述にぶつかりました。平均319.6ヤードのドライヴでPGAツァーの飛距離のトップであるHank Kuehne(ハンク・キーニ)が書いたもので、高速度写真によるヘッドの進入角度の写真付きです。
'How I use loft to launch it'
by Hank Kuehne ('Golf Digest,' November 2003)
「最近ポピュラーになった長いティーは、ヘッドが上向きに掃くような角度でボールをヒットする助けとなる。私のスウィング弧の最低点はボールの遥か後ろ(スタンスのほぼ中央)であり、そこから上向きになった後にボールをヒットする。
ボールを掃くように打つためには、アドレス時に左肩が右肩より上になるように背骨の角度をセットすることだ」
なるほど。私が“ボールの直後にヘッドを置くとあまりにも落ち着かな”かったのは、肩を水平に保とうとしたからでした。左肩を上げていいなら、落ち着かないということはありません。
で、これまで学んだ通りを練習場で実行しました。
・ティーは出来るだけ高くする。
・ボール位置は左足爪先前方。
・クラブヘッドはボールの後ろ。左肩を上げたアドレス。
・フラット目のトップ。
・重心を前方にスライドさせず、右に残す。
これを、たまたまNo.14 (442 yard) Par 5で試してみましたら、二発のうち一発は残り165ヤードという、いい結果が出ました。そこから打った4番アイアンでグリーン右、寄せて1パットでイージー・バーディ。その二日後のラウンドでは、ドライヴァーは全て上の方式で打ち、6つのホールで新記録の飛距離が得られました。本日はNo.15 (400 yard) Par 4、やや打ち下ろしで残りが70ヤードというショットが出て、予想外の飛距離に有頂天となり、寄せをオーヴァーしボギーとしてしまいました:-)。
長いティーによるミスは下半身主導のスウィングを忘れた時に起り、プッシュやプルとなります。初心にかえって下半身主導のスウィングを定着させなければなりません。ついでですが、もうてんぷらは出ません。
【参考】
・長いティーで飛ばす
・もっとロフトを!
(October 23, 2003)
'Equipment'
by Mike Stachura ('Golf Magazine,' October 2003)
「まだデカヘッドの良さが分らないんですか?では、"vertical-gear effect"(縦のギア効果)についても御存知ないでしょう。
デカヘッドのドライヴァーのフェースは、上から下にかけてカーヴがあり、真ん中が膨らんでいる。ヘッドの上部でボールを打てばより多くのロフトが得られるが、ヘッド下部ではロフトは減少する。縦のギア効果により、インパクト時、ヘッド上部は反時計方向に回転し、ロフトによって生じるバックスピンを打ち消す働きをする。
PINGの技術者は『このヘッド上部はホット・スポットと呼ばれるべきもので、バックスピンを少なく、初期発射角度を増やす』と云う。ヘッドが大きいほどボールと接触する重心の上の面積が増え、縦のギア効果をより多く期待出来ることになる。
【参考】ゴルフ08「縦のギア効果」
TaylorMadeの調査によれば、「半インチ(1.3 cm)長いティーを使うと、平均1°の発射角度が増え、平均100 rpmのスピンが減少する」
'Gear Mysteries Explained'
by Jonathan Abrahams ('Golf Magazine,' November 2003)
「縦のギア効果と正しい発射角度の相乗効果によって、長い飛距離が得られる。
一つお忘れなく。長いティーを使う時は、ボールの赤道の下をクラブの重心の上部でヒットするのだということを」
'Butch's Basics'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' October 2003)
Tiger Woods(タイガー・ウッズ)は長いティーを使っていなくても、インストラクターNo.1のButch Harmon(ブッチ・ハーモン)の言葉は傾聴しなければならないでしょう。
「新世代のデカヘッド・ドライヴァーは、正確さを損なうことなく距離を増してくれる。高重心と薄く弾力に富むクラブ・フェースが、高い発射角度と長いキャリーおよびランを生む低いスピン率、フラットな弾道をもたらす。
高めのスウィート・スポットには高めのティー・アップが必要である。少なくとも、フェースからボールの3/4が見えるぐらい。
高いティー・アップは打ち上げを誘うように見えるが、それに乗るとてんぷらや大スライス、プルを生じる。地面からクラブを浮かせて構える。これならボールは高く見えず、スムーズなテイクアウェイが可能となる。
これまでの普通の長さのティーはパー3のホールのために取っておくか、博物館に寄贈しなさい。そのうち絶滅するに決まっている」
【参考】
・長いティーで飛ばす
・もっとロフトを!
・デカヘッドを活かす
(October 26, 2003)
'Put the Feel Back in Your Putting'
by Seve Ballesteros with John Huggan ('Total Golf,' Time-Life Inc., 1998)
「あるゴルファーが40フィート(12m)のパットに臨んでいた。同伴競技者Aが『2フィート(61cm)左から右』と云い、同伴競技者Bは『ストレート』、同伴競技者Cは『2フィート右から左』と助言した。パットは2mもショートしてしまい、全ての助言は無意味となった。
フォーカスをチェンジせよ。最初は方向優先で考え、その狙いにデッドに合わせる。しかし、次の瞬間その回路を遮断し、全ての努力を距離を合わせることに傾注せよ」
(October 26, 2003)
写真は最近の練習の一部です。1の部分で打つのが「縦のギア効果」を最大に活かし、打ち出し角度を高く、バックスピン量が減り、より多くの飛距離が見込める位置とされています。
実は「縦のギア効果」について勉強するまで、ずっとこの1の周辺で打っていて、「何でスウィート・スポットで打てないのか?」と悩んでいました。ティーを低くしたり、インパクトで伸び上がったりしてみましたが、結局スウィート・スポットで打てるようにはなりませんでした。
しかし、それで良かったのです!偶然ですが、最新の最良の打ち方をしていたことになります。写真の2もまあまあ。3は一寸良くないですね。
昔なら4(出来ればもう少し左)で打てれば大喜びしたところですが、この位置は株なら大暴落です。悪くはないのですが、多分5〜10ヤード飛距離を損することになるでしょう。
高いティーを使って左肩を上げたアドレスをし、なおかつてんぷらを出さない秘訣は、ダウンスウィングで身体を水平に廻すことだと気がつきました。インパクトで身体が沈むとスウィング弧も下がり、写真の1のさらに上で叩くことになりますから、見事なてんぷらが揚がります。クラブを買った当時はインパクトで沈み込むスウィングをしていたので、それでてんぷらが多発したのでした。
【参考】
・長いティーで飛ばす
・もっとロフトを!
・デカヘッドを活かす
・続・長いティーで飛ばす
(October 29, 2003)
以下はJohn Daly(ジョン・デイリィ)が11年前に出版した本です。
'Grip It and Rip It!'
by John Daly with John Andrisani (HarperCollins Publishers, 1992, $13.00)
「私はドライヴァーを使う時は非常に高くティーアップする。高さ2.5 cmはあり、ドライヴァーのてっぺんからボールの半分以上が出ている。
これは11年前の、ティーの標準が5 cmぐらいだった時のことです。最新流行のメソッドは“可能な限り高く”で、ヘッドを浮かして構えます。お間違えなく。
ドライヴァーは掃くように打つべきなので、高いティーアップはメンタル的な助けとなる。高いティーアップはインパクト前にヘッドが地面と接触するミスも無くしてくれる。
ボール位置をスタンス前方にすること。
ドライヴァーは上昇気味の軌道でボールを捉えるべきである。インパクトでの“アッパーカット”を実現するための方法に、次のようなものがある。ボールの2.5 cmターゲット寄りに、イメージ上のもう一個のボールが非常に高くティーアップされている状態を思い描き、その第二の高い位置のボールを打ち抜く。あなたが打ったボールは夕陽の彼方へと消えて行くことだろう」
11年前にはデカヘッド・ドライヴァーなど無かったので、彼は「縦のギア効果」なんて夢にも考えていなかったでしょう。しかし、本能的に現在の打ち方を予見していたように思えます。この当時、長いティーというものも販売されていませんから、ティーアップの高さについては控えめな数字ですが、アッパーにボールの下半分を打つというメソッドは最新のトレンドにそっくり。彼の現在のメソッドを知りたいところです。
なお、御存知のように今季のPGAツァー・飛距離No.1はもはやJohn Dalyではなく、若手Hank Kuehne(ハンク・キーニ)に栄光の座(?)を明け渡しています。
【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。
(October 29, 2003)
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