Golf Tips Vol. 73

マット練習でロフトが変わる?

'The Mat Effect'
by editors of 'Golf Digest' ('Golf Digest,' May 2003)

「ゴルフ練習場のマットの上でボールを打っていて、クラブに損傷がないかどうか考えたことはないだろうか?

我々テスト班は以下の三種類のアイアンを選んでテストしてみた。
・6番アイアン(鍛造ヘッド+スティール・シャフト)
・6番アイアン(鋳造ヘッド+スティール・シャフト)
・5番アイアン(鋳造ヘッド+グラファイト・シャフト)

テスト前にロフトその他のスペックを記録してから、我々は各クラブで1000個のボールを打った。我々の指に出来たマメがその証拠である。

テスト後、クラブを扱う専門家のところへ行き、全てのクラブを計測して貰った。グラファイト・シャフトのクラブには影響は見られなかった。鋳造+スティール・シャフトには若干の変化があった。最悪は鍛造+スティール・シャフトで、度重なるインパクトによってシャフトが曲がり、鍛造6番アイアンは5.5番アイアンに変貌していた!」

(June 01, 2003)


U.S.オープン

今年のU.S.オープンを目前にして、次のような本が出版されました。

'Open'
by John Feinstein (Little, Brown and Company, 2003, $25.95)

この著者は'Good Walk Spoiled'(『苦悩の散歩道 PGAツァー・トッププロたちの実像』)や'The Majors'(メイジャーズ)など、PGA ツアーの内幕を感動的に描いた人です。今回の本は2002年のBethpage Black(ベスペイジ・ゴルフ場ブラック・コース)で開催されたU.S.オープンの記録です。

[Open]

これまでと違うのは、プロ・ゴルファーたちはほとんど付けたしで、USGAという組織がどういう手順で、どういう役割分担でU.S.オープン開催に漕ぎ着けるかという物語が主であることです。

このU.S.オープン 2002で云えば、USGAのエグゼクティヴ・ディレクターであるDavid Fay(デイヴィッド・フェイ)が、自分が子供の頃から慣れ親しんだパブリック・コースBethpage BlackでU.S.オープンを開催出来ないか?という夢を抱きます。Bethpage Blackは名デザイナーが設計した難物コースとして知られていて、プレイするには夜明け前にコースに着き、順番を取らねばならないほどの人気コースです。しかし、オーナーであるニューヨーク州はメンテナンスのための出費を惜しみ、コースは荒れ放題になっていました。

ある年、David FayはUSGAの主だった人々を12人集め、Bethpage Blackを視察するラウンドを企画しました。人々はパブリックとは思えない凝った難しいレイアウトに舌を巻きましたが、そこでU.S.オープンを開催出来るとは考えませんでした。しかし、David Fayの腹心の部下たちはDavid Fayが12人もの人間をコースに連れて行ったこと自体、彼がそこでU.S.オープンを開催したいという並々ならぬ決意であることを読み取っていました。

David Fayはコース設計家を送り込み、Bethpage BlackがU.S.オープンコース足り得るべく改装する設計と予算を算出しました。ニューヨーク州に「USGAが数億ドル出資してコースを改善する。ニューヨーク州はU.S. オープン開催のために最善の便宜を図る」という契約を交わし、最初の視察から数えて七年目(2002年)のU.S. オープンを計画しました。

以後、コース設計家やUSGAのマネージャー達が上質でタフで難しいコースを作る歳月が描かれ、開催年に入ると交通手段、ヴォランティア集め、商品販売、その他の内幕と苦労話が続きます。特にニューヨークの同時テロ事件の後だっただけに、群衆とプロたちの保安・警護が大変でした。

あまりにもUSGA寄りのストーリィですので、これまでのツァー・プロの生活を感動的に描いたものと比較すると、USGAの提灯持ちの本という気もしないではありません。

いくつか面白かった部分を列挙しますと、

・USGAはカップの位置をpin placement'(ピン・プレイスメント)と云わず、"hole location'(ホール・ロケーション)と称する。ルール責任者は「pin(ピン)を見たければボウリング場に行ってくれ」と云う。

・Tiger Woods(タイガー・ウッズ)とMarK O'Meara(マーク・オメラ)が、それぞれのチャーター便でコース近くの飛行場に同時刻に着陸した。二人はBethpage Blackを下見に来たのだった。USGAの担当者は二人に「野次馬を避けるためNo.3からスタートして貰う。ゴルフ・シューズにはここで履き替えて貰いたい」などと説明しました。Tiger Woodsは目をぐりぐり廻して、「Mark(マーク)、あんたと一緒に行動するといつもこれだ。うんざりだよ」と云った。(実際にはMarK O'Mearaはどうでもよく、全てはTiger Woodsをめぐる騒ぎなのだが、彼はそれを逆転させて、MarK O'Mearaが騒ぎの中心のようにした冗談)

・上の二人が練習ラウンドしている三時間、USGA担当者はTigerのガールフレンドを本屋に連れて行き、時間つぶしのお付き合いをした。

・この年のU.S.オープン開催中、Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)には彼のガールフレンドであるテニスのスターMartina Hingis(マルティナ・ヒンギス)が終始従っていた。彼女は身体の故障でトーナメントに出られなかったからだ。

・Jeff Maggert(ジェフ・マガート)は雨天決行した二日目のUSGAの判断について、ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ文句を云い、責任者David Fayに対しても悪態をついた。三日目、彼はルール委員に「今日以後USGAは俺に近づかないでくれ」と宣言した。ルール委員は「しかし、この大会の主催者はUSGAであることをお忘れなく」とやり返した。(この記事を読んで、私はもうJeff Maggertが嫌いになりました)

・結局、このコースの手強さ、格調の高さは世に認められ、2009年U.S.オープン開催地となることが決まっています。

【おことわり】画像はamazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(June 08, 2003、改訂May 31, 2015)


Bruce Edwards(ブルース・エドワーズ)

U.S.オープン 2003最終日No.18グリーン。最終組の遥か前方(19組前)を歩いている一つの組に贈られたスタンディング・オベーション。それはスター的なプロには珍しくないことですが、この時観衆が連呼したのはキャディの名前でした。こんなことが過去にあったでしょうか?そのキャディはプロ・ゴルファーがやるように、帽子のツバに手をやって観衆の声援に応えました。こんなことがゴルフの歴史始まって以来あったでしょうか?

[Bruce]

Tom Watson(トム・ワトスン)のキャディBruce Edwards(ブルース・エドワーズ、48歳、写真)は、30年もTom Watsonと共にツァーで苦労して来た仲です。有名な話は、Pebble Beach(ペブル・ビーチ)でのU.S.オープン 1982最終日のNo.17で、Bruce Edwardsが「Tom、近くへ寄せてくれ」と云ったのに対し、Tom Watsonが「寄せるんじゃない、入れるんだ」と応え、事実見事にチップインを果たし、グリーンの周囲を走り廻りながら「云っただろう、Bruce!」とBruce Edwardsを指差して糾弾した場面です。このチップインが助けとなり、Tom WatsonはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)を破って逆転優勝します。

Bruce Edwardsには兄はいないので、「Tomは私の兄だ」と云って憚りません。お互いに尊敬しあい、いたわり合う間柄なのです。

昨年、Bruce Edwardsは30年も前から旧知の女性Marsha(マーシャ)に求婚しました。婚約した直後、あるラウンドの途中でBruce EdwardsはTom Watsonからボールを受け取ろうとした左手が開かないことに気付きます。関節炎だろうと放っておいたのですが、今年に入り、彼は喋るのも遅くなってしまい、やっと病院での診察を受けました。診断はALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis、筋萎縮性側索硬化症)というもので、現在治療の方法がない難病でした。次第に麻痺が広がると、発症から五年ほどでものが食べられなくなり呼吸も出来なくなって死亡するという恐ろしい病気です。

Bruce Edwardsも、彼の父も、Marshaに「婚約はなかったことにしよう」と説得しました。Marshaは一瞬だけ考えましたが、Bruce Edwardsとの結婚に変更はないと答えました。Tom Watsonの肝入りで、シニア・チャンピオンズ・ツァー開催地のハワイの浜辺で結婚式が行われました。Bruce Edwardsは48歳にして妻と、妻の連れ子である8歳と9歳の子供たち、それにイエロー・ラブラドル・リトリーヴァーという家族を得ることになりました。

今年のU.S.オープンへのTom Watsonの参加は単なる予選免除ではなくUSGAによる“招待”だったそうです。しかも、USGAはBruce EdwardsとTom Watsonのために、ラウンド用のカート提供までオファーしたそうです。センチメンタルと笑わば笑え。これがアメリカ流ヒューマニズムなんですね。USGAはBruce Edwardsへの花道を用意したわけです。Bruce Edwardsはカートを辞退し、四日間歩き通しました。

倒れるまで働くというBruce Edwardsの姿は、同じ病に冒された患者たちの希望の星でした。彼はこの難病を克服するための資金集め、話題提供に努力していました。メディアもBruce Edwardsとその病気を大々的に取り上げ、衝撃を受けた観衆はU.S.オープン初日から「Bruce、Bruce!」と声援を送りました。

The Masters(マスターズ)2003のチャンピオンMike Weir (マイク・ウィアー)は「自分よりもTom Watsonに優勝してほしいと思う」と語っていたそうです。

「古いパターを使ってみたら?」というBruce Edwardsの進言によって、Tom Watsonは奇跡とも云える進撃を見せ、見事USGAの招待に報いました。初日の終わり、並み居る若手・強豪を尻目にリーダー・ボードの上位に達した成果に、二人は涙で祝福しあったそうです。

最終日No.18フェアウェイ。Tom WatsonとBruce Edwardsを迎えた大歓呼とスタンディング・オベーションは、大会の優勝者に与えられるものに匹敵しました。Tom WatsonはBruce Edwardsの肩を抱きながらフェアウェイを歩き、Bruce Edwardsは手を振って観衆に応えました。多分、NBCかUSGAが「あなたもこれを聞くべきだ」とお金を出して呼び寄せたのでしょう、そこにはBruce Edwardsの妻Marshaの姿がありました。彼女は「Bruce、Bruce!」の大合唱を聞き、彼女の結婚が間違っていなかったことを知ったでしょうし、彼の妻であることがどんなにか誇らしかったことでしょう。彼女は引き上げて来る夫に抱きつき、Tom Watsonとも抱擁しました。

試合終了後にBruce EdwardsがTVインタヴューを受けました。これもキャディとしては初めてではないでしょうか。自由に口が動かず、かなり聴き取りにくい話し方で、麻痺が確実に進行していることが窺われました。

Tom WatsonとBruce Edwardsは、間もなくALS研究資金集めのための親善トーナメントを開催するということです。

今年のU.S.オープンは優勝者の名前は忘れ去られても、あるキャディのU.S.オープンとして歴史に残ることでしょう。

【おことわり】画像はhttps://booksbythepound.com/にリンクして表示させて頂いています。

(June 15, 2003、改訂May 31, 2015、再訂January 06, 2017)


眼鏡のハンディキャップ

'Golf Magazine's Handbook of Putting'
by the Editors of Golf Magazine (Harper & Row, 1973)

[Tom Kite]

「コンタクトレンズを着用しているゴルファーは、眼鏡をかけているゴルファーより有利である。コンタクトレンズは目の動きにつれて動く。だから、コンタクトレンズの着用者は常にレンズの中心でものを見ていることになる。

ゴルファーが既にパッティングのブレイク(曲がり)を見極めラインを決定し、アドレスに入ったと仮定しよう。ストロークを開始する前に、ラインと距離を再確認するため、彼は頭を廻してホールを見る。ここが眼鏡をかけているゴルファーにとって最も危険な瞬間である。彼が最初に頭を廻してホールを見、ボールに目を戻し、またホールを見た時、彼の両目はレンズの中心でものを見ていない。彼の両目は眼鏡の後ろで動くので、レンズの端で作られた歪みを通して見ることになる。

眼鏡をかけて、右目を閉じなさい。頭を右に廻し、左のレンズの端で見てみなさい。ぼやけたイメージになる筈だ。同じことがパットの前にも起る。コンタクトレンズを着用していれば、これは起らない。

両目は常にレンズの中心に留まるようにし、目と眼鏡が一緒に動くようにしなければいけない。頭をホールに向ける場合、反時計方向に90°廻せばレンズのセンターで見ることになる」

アメリカのプロ・ゴルファーたちはレーザー治療により、コンタクトレンズすらも無しで済むようにしています。イラストのTom Kite(トム・カイト)は率先してレーザー治療をしたクチで、もう眼鏡はかけていません。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)も後を追いました。

私はといえば、コンタクトレンズを購入する財力もありません。無念。

(June 26, 2003)


池本さんの「80を切った、その日」

大阪の池本さんから朗報が届きました。地道な練習と穏健な戦略が80を切る鍵であることが伺えます。池本さんの今後の奮闘状況は「ごるふな日々」で、どうぞ。

思い起こせば、パー70ながら80を切り、「暫定版」としてこのウェブに紹介して頂いたのが約三年前。それから何度か80は切りましたが、そのどれもがパー70か71のコースで、いつになったら「暫定版」を返上できるのかと情けないやら悔しいやら。

一念発起してレッスン・プロにも習い、ドローを打てるスウィングを目指すも、逆に腰を痛めたりアイアンが全く当たらなくなったりで、最近の成績は下降の一途を辿っておりました。

しかし、ついにこの輝かしい瞬間がやってきたのです(笑)。では、前置きはこれくらいにして、なぜ80が切れたのか自分なりの推測を述べさせていただきます。ちなみに、ラウンドは6月26日、曇ときどき雨、場所はホームコースのきさいちC.C.、6,086ヤード、パー72、スコアは40-39でした。

1、アプローチの腕を磨いた
この日は寄せワンのパーが5つありました。私の場合、グリーンから70ヤード以内はほとんどサンドウェッジ1本で寄せるのですが、スクウェアに構えてのエンドラン、フェースを閉じてのランニング、フェースを開いての柔らかいピッチショット、そしてフェースを吊り上げ、パターのように転がすランニングと、四種類の打ち方を使い分けるようになり、どんなライからでも大怪我をしにくくなりました。パーオン率が30%以下の私にとって、最悪でもボギー、あわよくばパーを拾うためにはアプローチを安定させるのが一番の近道だと思っていました。

2、OBを打たない
前回の暫定版でも書きましたが、OBを打つとスコアも心もズタズタになってしまいます。徹底的に逃げます。しかしそれはあくまで「戦略上の逃げ」で、気持ちの上では逃げません。つまり、思い切ってドライバーを振ること。中途半端に合わせて振る事こそOBへの特急券であると考えます。もちろん、「映画を観るように…」は必須と言っても良い、素晴らしいルーティーンですから忘れないようにします。

3、パットの練習が(たまたま)できた
この日はハーフ3時間、昼休み2時間弱と大変のんびりとしたラウンドでした。そのため、練習グリーンでじっくりとパットの練習ができました。私の場合、パットの調子は日によって全然違います。つまり、その日その時々の微調整が大変重要だと思うのです。

この日も、5mと10mの長いパットを距離感が合うまで何度か転がし、その後に1mを真っ直ぐ打てるよう練習。そして、実際のグリーン上では「Paul Runyanのパッティング戦略」通り、狙うパットと寄せるパットをしっかり区別して打つ。これでこの日は31パットでした(普段は平均36パット)。

4、グリーンオーバーしない
地味な戒めですが、この重要性がやっと最近わかるようになってきました。ダブルボギー以上の大叩きはOBを除くとその多くがグリーン周りからのミスや3パット絡みです。特に、砲台グリーンが多い我がホームコースでは、グリーンオーバーするとそこから最高にうまく行っても3打、下手をすれば5打ぐらいかかってしまいます。

タイガー・ウッズ並みのリカバリーショットが出来れば別ですが、そういう場所に打ちさえしなければ5打費やす必要も、スーパー・ロブショットを練習する必要も無いので、リーズナブルですよね。

以上、ややきれいにまとめ過ぎという感もありますが(^^;・・・これからも「80を切る!」日記をバイブルに精進して行きたいと思っています。

(July 01, 2003)


続々々々・無

'Don't Think Twice--Or At All, for That Matter'
by Jerry Adler ('Newsweek,' June 2, 2003)

アリゾナ・ステート大とシカゴ大の共同研究で、ゴルファーの頭に電極をつけ、チッピングやパッティングの際にゴルファーの脳がどのような活動を見せるかという調査が行われました。結論は『上手なゴルファーほどショットの前に脳を働かせない』というものでした。

「プロとアマの差は脳の左半球にあった。左脳は論理的、分析的、言葉による理論づけなど(例:多分、もう一寸左を向いて構えるべきだろう等)を行う部分である。プロは一旦どう打つか決めたら、プレショット・ルーティーンを実行することによって意識に上ってくる思考を押しやってしまう。学者の一人は『左半球を沈黙させることはとても重要だ』と云う。

学者たちは6人のプロと同数のアマチュアをテストした。ゴルファーたちはグリーンへ100ヤード、無風の状態におけるウェッジ・ショットを視覚化するよう要請され、電極を通して脳の活動をグラフィカルに描き出す装置によってモニターされた。

『プロたちは迅速にショットし、脳の動きは皆無だった。対照的に、アマチュアは脳の各所を活発に働かせた。神経節基部(学習動作の機能を司る部分)と前頭葉基部、扁桃(他の機能や情緒を司る部分)などの活動が見られた。彼らは恐れているわけでも不安がっているわけでもなかったが、彼らはディテール(とりわけ過去に失敗した記憶)に圧倒されていた。中には状況として説明されていない池のイメージを導入し、そこに打ち込むことを恐れているアマチュアさえいた』」

スウィングが出来上がっているプロは、単に与えられた使命を実行するだけなのに対し、一打一打スウィングが変化するアマチュアは、スウィングの留意点を呼び起こしておさらいし、前回のあの大失敗は避けようとか、ここでミスすると恥ずかしいとか様々なことを考えてしまうようです。最近のコンピュータのように簡単に“スリープ・モード”に入れるといいのですが。

(July 20, 2003)


柴山さんの「80を切った、その日」

宮城県にお住まいの柴山さんからの快挙のリポートです。道具の見直し、アドレスやルーティーンなど基本の見直しをされた結果だそうです。これらはゴルファーすべてが真似の出来ることであり、とても参考になる内容です。

ゴルフ歴11年。37歳。記録しているラウンドを数える事138ラウンド目にして、38-39の77をマークしました。

6月13日の金曜日。コースは宮城県の仙台CC。全長6,486ヤード。パー72。天気は小雨から快晴。このコースは私が一番よく行くコースで、過去68回ラウンドしています。

ゴルフを始めてから毎年平均スコアを更新していましたが、昨年初めて後退しました。今回以前の最小スコアは80で、四年前に出して以来、年に1度は80か81が出るものの、80が切れそうで切れないスコアが三、四年続いていました。ここ二、三年の年初めには「必ず今年こそは70台を出すぞ」と心に決めていましたが、同じような時期からゴルフを始めた友人が70台を出すようになり、焦りもあり今年は少し意気込みが違いました。

まずはラウンド数を最低月三回に増やそうと思いました。また道具についても見直しを図り、フィッティングをしてもらい自分の体型やスウィングにあったクラブに調整しました。特にアイアンのライ角はビックリするくらい狂っていました。いくらスウィングを良くしようとしてもこれでは良い球が出る訳ありません。私は身長が184cm、腕も長く、手も大きいので既製のクラブでは合わないという事がよく解りました。かえってクラブに合わせてスウィングを作るので、スウィングを崩すことになるとのフィッターの話しでした。フィッティングの重要性と効果は大きいと思います。

練習については週に二、三回、アプローチとショートアイアンを中心に、特にショート・スウィングによる30ヤードくらいのショットをよく練習しました。意識したのはスウィングのリズムとボールを打ってからマットを打つということです。絶対ダフらないと言う事です。またバンカーのホームラン病を治すべくバンカーも練習しました。砂質やライを変えて練習をしていくにつれ、またいろいろなウェッジを使用していくにつれ、自分に合うウェッジというのが明確になってきました。それまではロフトにこだわりバンス角も少なめのものを使っていたのですが、バンス角が14度の物を使用したら、思うように操作できたのでそれ以来バンスの効いたウェッジを使用するようにしました。ここ一番でいつもバンカー・ホームランでスコアを崩していただけにそれ以降目に見えて改善された点です。

ラウンド中は以下の点に注意するようにしました。一つ目はアドレスです。アドレス時にターゲットとボールの間の、ボールの先20〜30cmの所に目印になるような物を見つけ、それに平行してアドレスしていたつもりだったのですが、アドレスしたときに若干右向きに立つような癖になっていました。これは父に指摘されました。

二つ目はルーティーンの徹底です。調子の良いときでも、頭に血が昇っているときでも必ず同じ動作を繰り返すよう心掛けました。また構え辛いティー・グラウンドではスムーズに振り抜くイメージが出るよう、右手だけで素振りをして違和感のないスウィング・プレーンのイメージを強く持つようにしました。

三つ目は決められたルーティーンによりアドレスしたならば、腹をくくって気持ちよく最後まで振り抜く事だけ考えました。やはり70台が出るか出ないか位のハンディではティーショットの不安定からスコアを崩す事が多いと思いますので、ティーショットは大切だと思います。精神的には「当たればいいか」位の気楽な気持ちでティーショットに臨みますが、守るべき自分の手順をきっちり作る事が大切だと思います。

ちなみにフェアウェイ・キープ率ですが、昨年22ラウンドで31%、今年現在22ラウンドで36%という内容で、若干の改善がみられます。スコアの方も5月頃からハーフ30台が以前に増して出るようになりました。当日のラウンド内容はバーディー2回、パーが9回、ボギーが7回、パーオン率が83.8%、ボギーオンが100%、フェアウェイ・キープ率が35.7%という内容ですから、グリーンに乗るまでは120点の出来でした。ただしパットが39パットで3パットが6回の内容でしたので、パーオン率が高かったとはいえ、今後に重要な課題を残す内容でした。とにかくパットが寄らず入らずでした。パッティングだけが11年間進歩のない数字を示しています。ラウンド後は70台を出した喜びはありましたが、90台を出した様な感じでした。ショットの好調さで掴んだ77でした。

(Aug 01, 2003)


Swing-View

今年のU.S.オープン中継でSwing-View(スウィング・ヴュー)という趣向が使われていました。ゴルファーの正面から背面まで、ほぼ120度の範囲で撮影された映像を連続でも駒送りでもどのようにでも操作出来るというものです。

気になったので調べて見ましたら、実は去年(2002年)のU.S.オープンでも使われていたそうです。私は去年のU.S.オープンは真面目に見ていなかったようです。このシステムは昨年のU.S.オープンの前に、The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)が中継した2002 Asahi Ryokuken International Championshipで(ゴルフとしては)初使用され、The Golf Channelはこれを"Swing Matrix"と呼んでいます。

この撮影・再生システムはKewazinga Corp.(キワジンガ社)の特許申請中のもので、同社は社名を取って"K-System"と呼んでいます。"Swing-View"というのは中継担当のNBCのネーミングです。このシステムは基本的に36台のTVカメラをゴルファーの正面から背後まで、Uの字型の保持台にズラっと並べます。

一つ一つのカメラは、例えば正面のカメラはそのままスウィングのスタートからフィニッシュまでを撮影し、飛球線後方のカメラはそこでスタートからフィニッシュまでを捉えます。しかし、これだけでは36台のVTRに36種類の映像が独立して録画されるだけで、あまり意味はありません。"K-System"は36台のVTRの映像を一齣毎に相互参照出来るソフトウェアを備えているわけです。それと、シャトル・サーチのように簡単に動かせるコントローラー(ハードウェア)を備えているか、コンピュータ画面でマウスで制御するか、いずれかでしょう。各カメラ間の隙間はソフトウェア的に埋めてスムーズな推移を実現するそうです。

(Aug 01, 2003、改訂May 31, 2015)


メンタル・ゲーム

'Men's Golf Instruction'
by Wally Armstrong (Brentwood Home Video, 2003, $9.98)

上のタイトルのDVDを町のCD/DVDショップの安売りワゴンで見つけました。ディスカウント価格は$7.99。DVD二枚組(全7時間)としては安い。

インストラクターの名前Wally Armstrong(ウォリィ・アームストロング)は知りませんでしたが、実は元はプロで、The Mastersなどにも何度か出場したことがあるそうです。このDVDではWally Armstrongも教えるのですが、他のインストラクターやプロも多数登場します。というより、ほとんどは他のプロのヴィデオの使用権を得て、いい部分だけ借用している感じ。私が持っているFred Couples(フレッド・カプルズ)の'Couples on Tempo'というテープからの抜粋も出て来ました。このFred CouplesやDavis Love IIIなど、現在は想像もつかない初々しい顔をしています。

'The Mental Game'(メンタル・ゲーム)という部分を観てみました。Dr. David Cook(デイヴィッド・クック博士)という、カンザス大学の若いスポーツ心理学者がティーからグリーンまで、メンタル面のコツを教えてくれます。

「ティー・グラウンドに立ったら、コース設計家が加えた要素(池、バンカーなど)を取り払って、地形の原型を見るように。いま、ここからグリーンを見ると、右のバンカーと左のOBが着地点を極端に狭く見せ、ゴルファーに不安と疑念を与える。しかし、バンカーの距離は120ヤード付近に過ぎず、行ってみると分るがドライヴァーによるティー・ショットの着地点はかなり広い。このホールでのバンカーは無視すべきなのだ。

ボールを打つ前に行うべき三つの要素がある。
1) See it.(これから打つボールの軌跡を視覚化する)
2) Feel it. (その手応えを感じる)
3) Trust. (信じる)

ゴルフはボールをA地点からB地点へと運ぶゲームである。練習場ではそのように出来るのだから、コースでも出来て当然である。池やバンカーは無視し、ターゲット(着地点やピン)だけに焦点を合わせる。そこに到達させられるクラブを選択し、ボールの軌道(高さ、フェード、ドローなど)を視覚化する。そのようなボールを過去に打った感触、手応えを呼び起し、身体で感じ取る。そういうボールを何度も成功させたことがある自分の能力と経験を信じる」

ここでクック博士が実際に打って見せるのですが、これがいいスウィングなのです。多分、シングル級なのでしょう。二打目もピン・ハイのナイス・ショットでオン。

グリーンでクック博士が推奨するのは、パッティング前の深呼吸。これをプレ・パッティング・ルーティーンに含めるといいそうです。博士はスティンプ・ミーター(樋のような道具)を使って、五個のボールを一定の条件でグリーンに転がしてみせます。理論的にはそれらは一ヶ所に固まらなくてはならないのですが、実は直系30cmぐらいの円内にバラけます。

「機械を用いてもこのような結果になるのだから、人間がボールを弾いてホールに入らなくても当然だと思わなくてはならない。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)はこう云うのが常である。『今のはミスではない。入らなかっただけだ』我々もこの態度を見習うべきである」

(Aug 21, 2003)


離婚のススメ(70を切るコツ)

普通70台半ばで廻る人が65で廻ったというリポートを見つけました。90台半ばの人なら85、80台半ばなら75で廻れるかも知れません。で、そのコツですが、申し訳ないのですが愛する奥さんと別れて頂かなくてはなりません。「なにを、馬鹿な!」とおっしゃる?やはり、10ストロークも縮めるには、それなりの代償が必要なのです。

'Going Solo'
by Ben Tobias ('Golf Digest,' September 2003)

「11年に及ぶ結婚生活が終わろうとしていた。離婚が正式なものになった日、私は悲しさと後悔を身体から追い出すため、ゴルフに行くことに決めた。

虚ろな思いでプレイしていて、私はスウィングのことなど考えなかった。スコアさえ気にしていなかった。18番ホールに着いた時、スコアを計算し始め、3アンダーで廻っていることに気付いた。私は通常70台半ばで廻っていたので、3アンダーという事実には衝撃を受けた。

私は次のようなことに思い至った。この日、ずっとフェアウェイをキープし、グリーンを捉えていた。バーディもそこここで出していた。

最終ホール、私は最高のティー・ショットを放ち、ボールはピンから60ヤードに着地した。私はウェッジを掴み、ボールを打ち、それがホールに消えるのを見つめた。イーグルで、なんと65!その瞬間、私の沈鬱な気分はどこかへ行ってしまった」

このリポートの筆者は好んで離婚したわけではなく、泣く泣く別れたのです。笑顔で別れては何の効果もありませんので御注意下さい。

(Aug 24, 2003)


カスタム・バッグ製作リポート

宮崎にお住まいの小野さんからのリポートです。プロ顔負けの…というか、プロは契約に縛られて好きでもない自動車だの薬品メーカーなどのロゴをバッグに大書したサンドイッチマンにならなければならないのですが、小野さんはご自分の愛するもの(お子さんの名前、格言、その他)だけを選ばれたそうで、プロも羨む幸せなバッグの持ち主となられました。

[Bag]

世界でただ一つのキャディバッグを作ってみました。このリポートが皆さんの参考になれば幸いです。

カスタム・バッグ製作の理由はいろいろあります。ネームタグを持っていなくて、あちこち物色していたのですが、市販のものはデザインが気に入りませんでした。そんな折り、平成14年正月に宮崎の練習場で古閑美保プロのバッグを見てしまいました。それ以前からUSPGAプロのキャディバッグのデザインには興味があり、どこでどんな風に作られているのか興味がありました。ゴルフを始めて7年程ですが、最初に買ったキャディバッグ(お店で一番安かった7,500円)がかなり痛んで来ました。以上のようなことから、市販のバッグ+ネームプレート購入ではなく、プロライクなマイ・オンリィ・キャディバッグ製作を思い立ちました。

インターネットで検索すると、いくつかメーカーのホームページが見つかりました。その中の一つに、過去のオーダーバッグが見本として掲載されていましたので、それを元に考えればいいと思い、メールでこの会社に連絡してみました。

バッグ注文法には、(1) 出来合いでデザインに色を指定出来るセミオーダーと、(2) 型から全て自分でデザイン出来るフルオーダーの二種類ありました。基本料金は、セミオーダーが25,000円で、フルオーダーは10万円でした。金額の点と、フルオーダーで指定するほど設計面での希望はなかったので、セミオーダーとしました。

メーカーのデザイナーがデザインしてくれるのですが、勿論入れるロゴなどは自分で考えないと面白くないし意味もないので、一ヶ月ほど自分で考えました。BS1のUSPGAツアー中継も、プレーよりもバッグを見ていました。過去の雑誌も引っかき回して、調べました。

自分の名前、作成した年、息子(7才)と娘(2才7ヶ月)の名前を入れることは、最初から決めていました。市販のバッグのロゴが入っている部分にはゴルフの格言を…と思っていましたが、いざとなると一生の問題なので一番苦労しました。

一つは、ゴルフを始める前にテレビで聞いた、歌手・武田鉄矢氏がLee Trevino(リー・トレビノ)プロに言われた言葉、"Same Breath, Same Walk"としました(再確認しようと武田鉄矢氏の公式ホームページの掲示板に書き込んだものの返信がなかったのですが、自分の記憶を信じました)。

もう一つは、「ゴルフ80を切る日記」の高野さんが丁度取り上げていた言葉"Less is More"が、その時の自分のゴルフに必要な言葉であったのと、意味をよく知らない人が聞くと、ただ単に「ゴルフのスコアのこと」と勘違いすることで、逆に会話が弾むのでは?と思い、採用することにしました。

そして、自分の生涯の目標スコアも入れることにしました。目標スコアは69としたかったんですが、ヘンな意味に取られてからかわれそうだったので、71にしました。

[Bag]

何かイラストを入れようと考えていましたが、絵心はゼロ。日の丸は感情的に没。アップル・ビーが直訳でリンゴと蜂のイラストを入れていたのを思い出し、小野→斧というのを考えましたが、あまりに安直なので止めました。結局、私がコンピュータにMacを使用していて、今後もWindowsには移行する気はなかったので、リンゴ・マークの最新版にしました。

自分の名前は金色と指定しました(Tigerがそうでしたので)。それ以外は、メーカーのデザイナーさんにお任せしました。色違い(赤黒、黄黒、白黒)とロゴの配置違いで、JPEG画像4案が送られてきました。出来上がりでは、赤、黄は、どのような感じになるかわからなかったので、白黒のオーソドックスなものにしました。

バッグの両サイドに入れるロゴは、切り抜いた文字の周りを刺繍する“くくり文字”と決めていました。しかし、メーカーが示した字体は気に入らず、途中で字体の変更をお願いしたら、その字体では“くくり文字”は出来ませんと言われてしまいました。その他にも、デザインの変更に注文を付けすぎたら、返事が来なくなり、一時は止めようかと考えたこともありました。結局、“くくり文字”が出来る字体で妥協しました。

メーカーのホームページにロゴのサンプルが少しは出ています。しかし、どういうことが出来て、どういうことが出来ないとかの記載は全くありません。私の観点では、市販のバッグに施されていることは全て出来ると考えます(バッグの底にも、何か文字を入れたかったのです。凝り過ぎですけどね)。

デザインの最終確認後に素材の希望を伝えたら、印刷したデザイン画と番号が付いた2.5cm×7cmの素材が10種ほど送られてきました。家の壁紙選びと同様に、小さいサンプルで出来上がりの全体を想像するのは難しいので、ゴルフ・ショップに行って既製品と見比べ、友人の意見も聞いて決定しました。

そして、最終見積もり金額66,150円を確認後、発注しました。注文から30日〜50日で届くということでしたが、私の場合手直しなどもあったため60日ほどかかりました。

「このバッグいくらなら買います?」と人に聞いたら、4万円ぐらいという答えでした。「何たってオンリィ・ワン!」10万円は覚悟していた私にとっては安かったと思っています。

(September 02, 2003、改訂May 31, 2015)


スロー・ダウン

'MentalRules for Golf'
by Gregg M. Steinberg, PH.D. (TowleHouse Publishing, 2003, $12.95)

「プレッシャーのもとでは、早くボールのところへ近づこうと早足になりがちだ。早足は鼓動を早め、あなたのスウィングを乱してしまう。

スロー・ダウンし、歩行を楽しみなさい。ボールの地点に到達しても、これからの望ましいショットをゆっくり考え、決断したらゆっくりクラブを抜き、静かなペースで素振りをする。ボールにアドレスし、急がずにショットする。

スロー・ダウンし、打数もダウン(減少)するのを見守りなさい」

(September 04, 2003)


練習における間(ま)

'MentalRules for Golf'
by Gregg M. Steinberg, PH.D. (TowleHouse Publishing, 2003, $12.95)

「昔の練習場では、プロたちは打ったボールを自分で拾わなければならなかった。Ben Hogan(ベン・ホーガン)は20個のボールを打つと、必ず休憩し、試行錯誤の結果から何かを見つけ出そうとした。

心理学者たちは、ゴルフ・ボールを打つような運動の場合、練習時間と休憩をほぼ同量にすると練習効果が上がることを発見した。10分ボールを打ったら、10分休むのが望ましいというわけだ。この休憩時間に、ゴルファーはいま学んだことを分析出来る。スウィングの情報がより深く分析されると、よりよく記憶される。

自分でボールを拾う練習場がなくても、10分ボールを打って、10分休みながら自分のスウィングについて考えることは出来る筈だ。

Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)はボールの入った篭を遠ざけておくということを勧める。これによって、一球、一球の間のインターヴァルを長くするというアイデアである」

【参考】
・「最新科学研究成果応用の練習法」
・「休憩が練習の鍵」(tips_142.html)
・「生体力学的鍛錬ヴィデオ」(tips_50.html)
・「練習に熱中せずに休憩せよ」(04/01, 2015)

(September 18, 2003)


これぞアメリカ南部のゴルフ [Hammock]

ある日の昼のトーナメント。私とDon J.(ドン・ジェイ)を含むフォーサムは先頭でスタートでした。三時間後、No.18付近で後の四組のホールアウトを待つことになりました。少なくとも20〜30分はかかります。Don J.は「オレが何をすべきか知ってるぞ!」と叫ぶと、グリーン・サイドの松の木林にハンモックを張り出しました。

彼はスタート前にもここにハンモックを吊って寝てたりするので、この二本の松の木はDon J.愛用の木と云うべきでしょう。この日は携帯電話で留守番電話のメッセージを聞き出しました。

Don J.はかなりユニークな人物なので、誰でもこんなことをするわけではありません。しかし、暑い南部のゴルフ場で30分時間をつぶすとなったら、Don J.のこのアイデアに優るものはないでしょう。

(September 22, 2003)


ホームコース攻略法

「最近の記録、3オーヴァー・パーは一夜にして達成されたわけではない」とか勿体ぶって云いたいところですが、実は二夜で達成されたとも云える側面があります。

週末の市営ゴルフ場は午前中は混むものの、何故か午後三時あたりを過ぎると人影が少なくなります。土曜日の午後、ふと思い立って、苦手なホールだけ練習しに行くことにしました。雨の後なので、ゴルファーはちらほらとしかいません。

No.7 (172 yard) Par 3は打ち下ろしですが、左にバンカー、右に池。池を回避しようとフックをかけると高い松の木にぶつかります。バンカー上空目指してフェードをかけると、スライスとなって池に曲がって行く危険があります。どちらも何度も経験済み。非常に難物のホールです。私の場合、3番アイアンで真っ直ぐ打つとグリーン・オーヴァー、4番アイアンならぴったりなのですが、このホールへ来ると何故か4番アイアンが左右にブレます。

[2fingers]

で、比較的マシなショットが打てる5番ウッドを短く持ってはどうか?と思いました。指二本分余してグリップ。これでも飛び過ぎるような気がしましたが、おっかなびっくりスウィングするとショート。恐れずにフル・スウィングすればグリーン中央に届くことが分りました。

もう一つはNo. 13 (204 yard) Par 3、打ち上げ。これもオンさせたことは数えるほどという難物。ドライヴァーでは飛び過ぎ、3番ウッドが丁度いいのですが、それはベスト・ショットが出来た時です。最近の私としては、ドライヴァーが一番安定して真っ直ぐ飛ぶので、ドライヴァーを短く持ったらどうかと思いました。ここでも指二本余してグリップ。ミドル・ホールで打つ気持でフル・スウィングすると、見事グリーンに乗ることが分りました。

明くる日曜日は快晴。昨日の湿った空気とどう違うのか、再度No.7とNo. 13でテスト。指三本分余すということもやってみましたが、それではショートばかりで、やはり指二本が適当という結果でした(実は後日、No. 13で指二本でも飛び過ぎてグリーン奥につけてしまいましたが)。

3オーヴァー・パー達成はその翌日の月曜でした。No.7はプルでグリーン・サイドへ飛び(池に入らなくて幸い)、アプローチ失敗でダボ。しかし、ドライヴァーで打ったNo.13はピンに3mというナイス・オンで、バーディ。

「日本のゴルフ場でそんなことは出来ない」という声が聞こえて来そうです。日本のゴルフは遠い、高い、混むというのが相場。折角行くのだから…と、どうしても正規にラウンドして18ホールのスコアをつけたくなります。「練習だけに行くなんて勿体ない!」私もそうでしたから、よく分ります。しかし、午後遅くのセルフのラウンドで、後ろに誰もいなければ私がやったのと同じことが可能ではないでしょうか?十個のボールを打つのは難しいかも知れませんが、三つや四つは打てるでしょう。

ヴィジターで行くコースで最適のクラブの見当がつかないのは致し方ないとして、ホームコースでは最善の攻略法を掴んでおけるのが利点というものです。

(September 22, 2003)


自分の平均飛距離を求める

'The Best Golf Tips Ever'
by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「あるクラブを使って10個のボールを打つ。二つのベスト・ショットと二つのワースト・ショットを除外する。残る6個のボールから平均飛距離を割り出す。気に入ろうと気に入るまいと、それがそのクラブによるあなたのヤーデージである」

このtipは気に入りました。私などはどうしてもベスト・ショットに惚れ惚れしてしまい、他のショットはたまたまうまく打てなかったに過ぎないと決めつけたくなります。自惚れのヤーデージですね。上のtipは冷静にベストとワーストを切り捨て、最も可能性の高い飛距離を教えてくれます。「ゴルフはパーセンテージのゲームである」と云われます。一か八か、自分のベスト・ショットが実現出来るかどうか賭けるゲームではないということですね。特に、池越え、バンカー越えなどで、このtipは活きて来ます。

(September 28, 2003)


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