以下の金言集は当サイトが独自に収集・翻訳したものです。無断転載・引用を禁じます。
「ゴルフというものが一回に一打ずつプレイされるものだということは、目新しい発見でも何でもないのだが、私がそれを実感するまでにはとても長い年月が必要だった」
Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)
「パットの拙劣さは、樽一杯のリンゴに腐ったリンゴが一個混じっているようなものだ。それは先ずチッピングを酸っぱいものにし、次いでアイアン・ショットを腐食し、最後にドライヴァーをヘッド無しにしてしまう」
Sam Snead(サム・スニード)
「怒れるゴルファーは敗者である。自分自身をコントロール出来ずにショットをコントロール出来るわけがない」
Sam Snead(サム・スニード)
「私は医者を信じない。彼らはゴルファーのようなもので、あんたの抱えている問題に一人一人違った診断を下す」
Seve Ballesteros(セヴェ・バレステロス)
「このゲームには素晴らしいショットを忘れないための長期記憶と、悪いショットをすぐに忘れる短期記憶が必要だ」
Gary McCord(ゲアリ・マコード、元PGAツァー・プロ、現CBS-TVアナウンサー)
「私は心理学の修士号を獲得したかのように感じている。全米のゴルフ・コースにおける研究と経験、試行錯誤によって…。心理学は効果的なスウィング同様、いいゴルフに不可欠な分野である」
Mickey Wright(ミッキィ・ライト、名誉の殿堂入りしている元LPGAツァー・プロ)
「ポジティヴでなきゃいかん。身体はあんたの脳が視認出来ることしか遂行出来ないんだから」
Chi-Chi Rodriguez(チ・チ・ロドリゲス、右図)
「決断力を持て。過った決断でさえ、優柔不断より悲惨な結果にはならない」
Bernhard Langer(ベルンハード・ランガー)
「ゴルフは20%の才能と、80%のマネージメント(手腕)である」
Ben Hogan(ベン・ホーガン)
「いいスウィングは身体的喜びである」
Ben Hogan(ベン・ホーガン)
「奇跡的にパット出来た日の再現を求めるのではなく、いつも真剣にパットすべきだ。絶好調だった昨日は数億年昔のことだと考えよ。そうすれば、また奇跡が起らないとも限らない」
Jackie Burke, Jr.(ジャッキー・バーク二世)
「ゴルフは素晴らしいショットのゲームではない。最も正確なミスのゲームだ。ミスが最も少ない人々が勝者となる」
Gene Littler(ジーン・リトラー)
(January 03, 2011)
92歳のゴル友J.B.(ジェイ・ビー)の長男Jesse(ジェシー、60代半ば、既に引退してゴルフ三昧で、夫婦で世界漫遊を楽しんだりもしている)がテキサスからやって来ました。親子でわれわれのゲームに加わるのが常なのですが、今回は折悪しくJ.B.の奥さんが急病で入院してしまい、朝の面会に行くとシニア・グループのティー・タイムに間に合わない。で、特にJ.B.のお気に入りの三人に電話が掛かって来ました。「出来れば一緒に廻りたい」…と。J.B.は老人性黄斑変性症を患っていて、正面にいる人の顔の判別も出来ない状態。乗用車の運転は危険ですが、周辺は見えるのでゴルフ・カートは運転出来ます。体力が衰えているので、J.B.のティー・グラウンドはピンまで150ヤードの地点となっています。毎ホール、一緒のチームの誰かが彼のためにティーアップして上げ、グリーンやピンの方向を教えてやる必要があります。声をかけられた三人は、いつも彼の介添えを厭わない人間たちです。
息子のJesseは私とおっつかっつの腕前。150ヤードから打つ父親J.B.と張り合うことは出来ないので、似たようなレヴェルのゴルファーと競い合いたいというのが彼の本音だったでしょう。J.B.も勝ち負けにこだわる方なので、チーム対抗競技をやりたがります。それが電話の趣旨だったと解釈します。
J.B.親子がよくやるのは6ホール毎にチームを再編成してスコアを競うという「変形スキャッツ」です。私は、この方式は誰が敵なのか味方なのか分からないので嫌いです。で、この日は私の方から別なゲームを提案しました。スポーツ心理学者Tom Dorsel(トム・ドーセル)博士が友人達と試みた"Birdie or bust"(バーディ以外はお呼びじゃない)というゲームです。パーもボギーも無視で、バーディを出せば1ポイント獲得。最後に相殺し合い、バーディがゼロの人(たち)はバーディを出した人に決めたレートの賭け金を払います。
Tom Dorsel博士も書いていることですが、《バーディ以外はお呼びじゃないゲーム》は否応なく攻撃的ゴルフにならざるを得ません。ボギーやダボを恐れず果敢に攻めるので、バーディ・チャンスが増えます。バーディ・パットに失敗してもパーですから、必然的にスコアは良くなります。動機付けとしては最高の方法です。
皆がこの提案を受け入れた後、J.B.がもう一つの要素の追加を提案しました。"Rabbit"(ラビット)というゲームで、あるホールで一人勝ちしたら(この場合はパーでもボギーでもよい)「ウサギを捕まえた」状態になります。その後のホールで他の誰かが一人勝ちすると、「ウサギは野放し(誰のものでもない)状態」に戻ります。次に誰かが一人勝ちするとウサギはその人の手に移る…という繰り返し。最終18番を終えた時点でウサギを確保している人が勝ちで、他の人たちから賭け金を受け取る…というもの。
何と、J.B.がNo.3でバーディを出しました。視覚障害を逆手に取っていいストロークで長いパットを沈めたのです。"Rabbit"はJesseと私が取ったり取られたりでしたが、どちらもバーディを出せません。No.11でやっと私がチップイン・バーディ。その後、誰にもバーディは訪れず、ウサギも野放し状態でNo.18へ。ここで、またまたJ.B.一人がパーで上がって"Rabbit"を獲得。
私たちのこの日の賭け金は1ポイント=1ドルでした。J.B.は私から"Rabbit"の1ドル(バーディはタイ)、他の三人から("Rabbit"の1ドルとバーディの1ドルずつ)6ドル、計7ドルを獲得しました。私の獲得額はJ.B.以外の三人からバーディ分1ドルずつ、計3ドルでした。J.B.は、われわれ全員にクラブハウスで缶ビールを奢ってくれました。
スキャッツもそうでしたが、この《バーディ以外はお呼びじゃないゲーム》も腕前に関係なく、ツキが物を云います。それは視覚障害者のJ.B.が大勝ちしたことで明白でしょう。「バーディを出せるほど巧くない」と尻込みする人もいるかも知れませんが、誰しも負けるのは嫌なので果敢に攻めることによってパーオン率が上がり、思いがけぬバーディに恵まれるという効果的なゲームだと思います。
【参考】「バーディ・ゴルフ」(tips_13.html)
(February 10, 2012)
先日、午前中は13℃前後とやや寒かったため、シニアのメンバーは私を入れてたった四人しか集まりませんでした。一人が、『2対2でやろう」と云った時、先日私と《バーディ以外はお呼びじゃない》+"Rabbit"(ラビット)のゲームをした一人Jack Mears(ジャック・ミアーズ、私のゴル友のJackとは別人)が「Rabbitをやろうじゃないか。負けても1ドルで済む」と提案しました。他の二人は聞いたこともないゲームなので首を傾げ、Jack Mearsが説明しました。
Jack Mearsは最近バーディと縁がないので、それで《バーディ以外はお呼びじゃない》の方は無視し、Rabbitだけにしようとしたのです。私がNo.3でバーディを得ると、「今日はバーディは無関係だかんね」とあからさまに喜んでいました。
最近好調のゴルファーAがバーディを二つ達成。Jack Mearsは何も云いませんでしたが、内心ほっとしていたことでしょう。
たった1ドルのウサギなのですが、みな結構楽しんでいました。
"Eiji got the rabbit, again!"(エイジがまたウサギを捉まえた)
"Rabbit is turning loose!."(ウサギは解き放たれたぞ!)【誰かが、ウサギを手にしている男の連勝を阻んだ時】
"Rabbit is running wild."(ウサギは逃げ回っている)【誰もウサギを捉まえられない時】
"Rabbit is getting fat!"(ウサギは丸々肥えてるぜ)【誰もウサギを手に出来ないホールが続いている時】
…などと大騒ぎです。
私はNo.17でウサギを手にし、最終ホールで勝てば3ドル、負けてもチャラという安全パイ。二打目のバンカー越え、普段のチーム・ゲームでは安全にバンカーの横へつけてパーを狙うのですが、この日は2オンを狙いました。その一打はバンカーに掴まりボギー。バーディ二つのゴルファーAがパーにして、Rabbitは逃去りました(勝負無し)。
もし、《バーディ以外はお呼びじゃない》だけだったら、勝敗は次のようになったことでしょう。
Jack Mears:2ドルをゴルファーAに、1ドルを私に払う。計3ドルの損。
ゴルファーB:2ドルをゴルファーAに、1ドルを私に払う。計3ドルの損。
私:Jack MearsとゴルファーBから1ドルずつ貰い、ゴルファーAに1ドル払う。計1ドルの得:-)。
ゴルファーA:5ドルの儲け。
http://golf.about.com/cs/golfterms/g/bldef_rabbit.htm によれば、Rabbitはハーフ毎に勝敗を決定するのが普通のようです。確かに、私も18ホール単位でウサギの追っかけっこをするのは長丁場過ぎるという気がしていました。1ドルのRabbitなら、アウトとインに分けるのが妥当のようです。
(February 25, 2012)
私が強風のため敬遠した先週の木曜日、風などものともしない強者が六人いたようで、いつも通りのゲームを行ったそうです。そのNo.7(150ヤード)パー3でLeon(リオン、82歳)がホールインワンを達成しました。Leonは痩せた小柄な老人ですが、結構飛ばしますし、アプローチもぴたぴた寄せ、時折ロングパットを沈めたりもするスーパー・シニアの一人。
Leonは「3番アイアンで打ったんだが、ボールはグリーンに乗ってワンバウンドし、右に曲がりながらカップインした」と云っていました。カップインする瞬間が見えないホール・レイアウトもありますが、ここはかなりの打ち下ろしなので完全に見えたわけです。
「みんなにビールを振る舞ったんだろうね?」と私が聞くと、「冗談じゃない。みんながおれを祝ってくれるべきなんで、なんでおれが奢らにゃならん?プロのトーナメントだと新車が貰えるんだぜ?」との答え。大体、彼は酒を呑まないので、人に呑ませることなど思いもよらないようです。「ホールインワンって騒ぐけど、ただのイーグルじゃないか。大したことじゃないよ」とのこと。
しかしです、2009年に書いた「ホールインワン・アメリカ南部篇」(tips_123.html)を読み返したら、私は次のように書いていました。Mr. Kidd(89歳)がホールインワンを出した翌週のことです。
「私の組のキャプテンのLeon(リオン、80歳)があるパー3で僅か数センチでホールインワンを逃した時、私が『Leon、あれがもしホールインワンだったら、私はビールにありつけたかい?』と聞くと『入ってたら当然奢るよ。先日、Mr. Kiddもそうしたしたし…』と云いました」
ホールインワンを達成しなかった時には「ビールを奢る」と云い、ホールインワンを出した後では態度を豹変させたわけです。ひょっとして彼が何度もホールインワンを経験していて、もう興奮しないのだろうかと思って聞いてみました。彼は前にもホールインワンを出したことがあるが、それは練習で一人で廻っていて(証人がいない)、しかも二個のボールを打っていた時のことだったそうです。ですから、今回が初めての公式ホールインワンということになります。
缶ビール数十本で御祝儀はお仕舞いというスタイルも日本のゴルファーには信じられないでしょうが、「ただのイーグルでビール奢ったり出来るか!」という態度は、もっと信じられないかも知れません。しかし、これがアメリカ南部のホールインワンなのです。
(February 28, 2012)
私のゴルフ仲間の一人J.B.(ジェイ・ビー、92歳)の長男Jesse Tutor(ジェシー・テューター、写真、65歳)が現在の住まいであるテキサスから里帰りした折、彼ら親子とラウンドする機会がありました。Jesseは某投資会社の役員を退職し、夫婦で地中海やアフリカのサファリ・ツァーなどを楽しみ、当人はアメリカ各地でゴルフ三昧の日々を送っています。一緒にプレイした時、彼はあるパー5で三打目をボール二個分ほどのピン傍につけ、イーグル逃しのバーディを射止めました。その数週間前、彼はある施設でクラブ・フィッティングをして貰い、彼のスウィングに最適のセットを購入したということでした。以下は私のリクエストに応えて書いてくれた、Jesseのリポートです。
「私は最近カスタム・ゴルフクラブ・フィッティングを経験した。これは私の友人の勧めでやったのだが、クラブ・フィッティング以後の彼のショットの向上が無視出来ないほどのものだったからである。
私が訪れたのはテキサス州ヒューストンのRedstone G.C.(レッドストーンG.C.)にあるTaylorMade Performance Lab(日本語名称:テーラーメード ・パフォーマンス・ラボ)である。このゴルフ・コースは、マスターズの前に毎年開催されるShell Houston Open(シェル・ヒューストン・オープン)でよく知られている。
この施設はmotion capture technology(モーション・キャプチャー技術)を用いて、プレイヤー個々のスウィングの特徴に合わせたクラブを組み立てる。約二時間、ドライヴァー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアン、ウェッジ、パターによるスウィング/ストロークの分析を行った。身体とクラブに34個のマーカーを装着した動作が、青いシルエットの3次元デジタル・イメージになる。
プレイヤーのスウィングは六台の高速度カメラによって撮影される。6番アイアン、ウェッジ、パター、そしてドライヴァーで6〜8回のスウィングをする。6番アイアンとウェッジでは、スウィング・スピード、スウィング軌道の角度(イン/アウト、上/下)、ターゲットとスウィング軌道に関連するクラブフェースの角度、ライ角などが測定される。ドライヴァーとパターも同様の測定だが、さらにロフトの測定が追加される。
アイアンとドライヴァーでは、ボールのデータの記録も行う。その項目には速度、発射角度、バックスピン、キャリー、ラン、そして合計飛距離などが含まれる。フィッティングのプロがプレイヤーに最適の組み合わせを見い出すまで、交換可能なクラブヘッドとシャフトを様々に組み合わせ、何度も繰り替えされる。
次に屋外の打ちっ放し練習場で、クラブフィッター推薦のクラブを試す。彼はボールの速度と飛距離を計測するローンチ・モニターを見守る。プレイヤーの前方、後方、横方向から撮影されたスウィングのヴィデオは、DVDとなってお土産となる。自分のスウィング・プレーンを確認出来るいい材料である。
クラブフィッターは元レッスン・プロなので、スウィングに関する質問にも快く答えてくれる。私の場合、最も有益なtipは『ストロング・グリップにせよ』という助言で、高い確率でソリッドに打てるようになった。
二時間のクラブ・フィティングの費用は400ドルだが、TaylorMade製のクラブを購入すればその一本一本について10%引きにしてくれる。私はクラブフィッターの推薦で10.5度ロフトのスティッフ・シャフトのBurnerドライヴァーと、3番からピッチングウェッジまでのR11アイアン・セット(フジクラ製65gレギュラー・グラファイト・シャフト、ライ角は0.5度フラット)を購入した。クラブフィッターは、古いサンド・ウェッジとギャップ・ウェッジ、そしてフェアウェイ・ウッドはそのまま使って問題ないと云った。彼は、私が前もって購入しておいた新発売の3番ウッドも10%引きリストに加えてくれた。私はロング・パターを使っているが、クラブフィッターは私のストレート・バック、ストレート・スルーのストロークには理想的な型であると云ってくれた。トータルの経費(税金と送料込み)は1,577ドルであった。
数日後クラブが届くと、私は練習場へ行って試し、さらにコースに出て同じ位置から新旧両方のクラブで打ってみた。その時、新しいクラブが明らかに優れているという感触は得られなかった。異なるクラブによるスウィングでは、タイミングもテンポも変わるので当然と云えば当然である。だが、私が新しいクラブに馴れ、連続して数ラウンドしてみると、新しいクラブだとボールを以前よりずっとソリッドに打てることに気づいた。そしてグラファイト・シャフトのアイアンでは、古いスティール・シャフトより数ヤード余分に飛ばせるようになった。
新しいドライヴァーで、私のゴルフ人生における最長不倒距離をいくつも出せるようになった。新しいクラブに馴染めば馴染むほど、愛着の度が深まりつつある今日この頃である」
Jesseは以前のドライヴァーでもかなり飛ぶ方でしたから、完全フィットしたクラブなら飛距離が増して当然です(でなければ、TaylorMadeの名がすたるというもの)。ドライヴァーは私ならR11を買うでしょうが、それは錘(おもり)の調整でボールの軌道を自分の好みに合わせたいからです。プロのクラブフィッターがローンチ・モニターを使って最良のボール軌道を決めてくれたJesseの場合は、もう再調整の必要はないわけで、Burnerで充分なのです。
冒頭で彼のイーグルもどきのファイン・ショットを紹介しましたが、JesseがBen Hogan(ベン・ホーガン)のように常に正確なショットを連続させたかというと、そうではありません。ドライヴァーとアイアンで印象に残っているファイン・ショットは、18ホールで片手に満たない感じです。やはり、右や左の旦那様が時折出ます。いくらクラブフィッティングしても、ぶっ飛ばそうとかいいとこを見せようというメンタルな面など、人間の不確定要素が邪魔をすると正確さが損なわれるわけです。
1,577ドルなんて、今度私が寄贈して頂いたiMacより高く、私には無縁の代物です。しかし、アイアンのライ角調整なら40ドルぐらいなので手が出せます。しばらくやって貰ってないので、これを機会に真面目に考える気になりました。
(March 18, 2012)
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