Golf Tips Vol. 120

常に1.2 mのパットを成功させる

'Make every four-footer'
by Jim Murphy ('Golf Magazine,' October 2008)

このtipは、パットをカップの右に逸らす人、ラグ・パットがOKの距離に寄らない人にお薦めだそうです。

「『アッパーにボールを打てば、いい転がりが得られる』という言い伝えがある。しかし、アッパーに打つと云っても、角度はせいぜい1°程度でしかなく、もしやり過ぎればボールは滑走してしてしまい、回転が減ってしまう。アッパーに打とうとすると、パターフェースをオープンに、そして上向きにしてしまい、ロフトを増やしてしまう。これが、あなたがパットをショートし右にミスする理由である。

あなたの想念を全て“ソリッドな接触”に向けるべきだ。パターのスウィート・スポットに一個のティーの頭が接着されていて、尖った先端がターゲットを指していると想像して欲しい。ストロークの際、ティーの突端がボール中央のディンプルを突くイメージを抱く。このイメージは、ボールをスクウェアに、しかも正しいロフトで打つことを助けてくれる。この方式ではボールをアッパーに打つことなど考えなくていい。

これは実際にドリルとして用いることが出来るtipである。両面テープでパターのスウィート・スポットにティーを貼付けてパットする。これは室内でも出来る練習法だ。一週間でパットに上達すること、間違い無し」

ボールを撫でるようなストロークだとへろへろと転がって、地面の凸凹に影響されやすい。このtipのようにボールを「突く」インパクトにすると、ボールは毅然と真っ直ぐ転がり、方向誤差も少ないように思えます。

(May 03, 2009)


遂に発見!? ストレート・パッティングの極意

当たり前のことなのかも知れませんが、少なくとも私にとっては新発見の“極意”です。あ、これはストレート・ストロークの話であって、アーク(円弧型)パッティングの方には何の意味もありません。

右の二つの図は「振り子式ストロークの作り方」(tips_62.html)のために描いたもので、特に上の図は何度か繰り返し掲載しているものです。私自身はこの正面から見た図しか実際には重要視していませんでした。しかし、それと同等に下の図(特にその右端の部分)もとても重要だったのです。

[Putting doll]

最近の私は正面から見たアニメのように左肩の上げ下げに専念していたのですが、それでもパットに上達したとは云えない状態で焦っていました。ふと「左肩を上げ下げはしても、ターゲット・ラインと平行でないこともあり得るな」と気づきました。私のチッピングは、テイクアウェイでクラブ・シャフトがターゲット・ラインに平行になるように引きます。これの方向性はとても素晴らしい。「同じことをパッティングでもすべきではないか?」で、左肩が前に出ないように気をつけて(左肩を垂直に沈めながら)、バックストロークしてみました。Bingo! 練習グリーンではパットの半分が入りだしました。

右図の紙人形の場合、右端の図のように組み立てられた肩(「腕」と書かれた部品)はターゲット・ラインに平行にしか動きません。これが“極意”なのです。この紙人形を模倣して、ターゲット・ラインと平行に左肩を動かさなくてはいけません。この図は8年も前から掲載していたのに、描いた当人もその重要性に気づかなかったというお粗末。

【後記】後になって私はこれを「はみ出し禁止のテイクアウェイ」と呼ぶようになりました。(June 03, 2015記)

この日のラウンドでは4〜5メートルのパットが何回も入りました。私自身驚きました。

アーク(弧)・パッティングの人には「パットでも'One Move'」(tips_70.html)をお薦めします。これはバックストローク開始に当たって、「左肩を身体の正面に向かって押し出す」というものです。ストレート・パッティングの場合にこれを適用してはいけません。

【参照】「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)

(May 07, 2009、改訂June 03, 2015)


バンカー・ショットを寄せる

'Land bunker shots close'
by Scott Sacket ('Golf Magazine,' May 2009)

「バンカー・ショットには二種類ある。上級者はどちらもマスターしているものだ。

・ピンまでに転がせる距離がある場合

普通のフル・スウィングのフィニッシュを短縮する。すなわち、身体はターゲットを向き、右腕が胸を横切って伸ばされる。【写真では両手は肩より下である】ウェッジは浅い角度で砂から出るので、スピンの少ないボールが必要ならこのメソッド。

・スピンをかけてすぐ止めなければならない場合

この場合、長いフォロースルーをしたり身体をターゲットに向けるのではなく、インパクト後左肘を曲げることによってクラブを直ぐに砂から持ち上げてしまう。この動きは、砂と接触するや否やクラブシャフトを真っ直ぐに上げるような感じになる。【写真では、両手のフィニッシュは地面と平行の高さで、なおかつクラブシャフトは垂直に天を指している】この急な角度のショットは結果として多めのスピンがかかるので、ピン傍で止めたいならこのメソッドを使う」

(May 20, 2009)


アドレスを再チェックせよ

'The Way of an Eagle'
Compiled by Robert Darden and P.J. Richardson (Thomas Nelson Publishers, 1996, $19.99)

この本はプロ・ゴルファーたちが、自分が育った宗教(キリスト教)的環境、信仰がゴルフを支えてくれた瞬間、および彼らから読者に贈るゴルフtipsという三部構成で、43人の男女が執筆した原稿をまとめた珍しい本。今回はPGAツァー・プロBernhard Langer(ベルンハード・ランガー)のtip。

「アドレス・ポジションで多くのゴルファーがミスを冒す。ボールを打つのを見るまでもなく、アドレスを見るだけでその人の力量が判ると云えるほどだ。

アライメントは重要だ。それは鉄道のレールのようなものでなくてはならない。外側の線はクラブフェースがターゲットを指している。内側の線はあなたの両足、腰、両肩が外側の線に平行に揃っている。それはとても重要であるが、そう簡単ではない。何故なら、われわれはボールの後ろからターゲットを見ているわけではなく、ボールの横から見ているからだ。これが正しく狙うことが難しい理由の一つである。

ボール位置も重要である。多くの人が余りにもターゲット方向にボールを置いていて、ボールに到着する頃の両肩はオープンにならざるを得ず、ボールに当てるには身体をスライドしたりしなくてはならない。私の目から見た場合の正しいボール位置は、短いショットではボールはスタンス中央、中距離のショットではスタンス中央と左足踵の間、ロングアイアンとウッド(特にドライヴァー)では左足踵の前方である(クラブが下降中に打つのではなく、払うように打つからだ)。

多くの人が魔法のようなtipを探し求めているが、問題解決の鍵はアドレス・ポジションと狙い方の中に潜んでいると云える。

どのアマチュアにも実行して貰いたいことがある。練習場でボールを打つ場合、地面にターゲットを指すようにクラブを一本置く。もう一本を両脚の間のボール位置に置く。これなら、自分のアドレス・ポジションとボール位置が一目瞭然となる」

 

(May 26, 2009)


飛ばし屋たちのアドレス

これは読者からの質問に有名インストラクターが答えるという趣向のコラム。

'Ask the top 100'
by Jim Suttie {'Golf Magazine,' June 2009)

「Q: 一般にアドレス時の体重の掛け方は両足に平均と云われている。しかし、右足に多くの体重を掛けているツァー・プロも少なくないように見えるが?

A: その通り。常に両脚に50/50の体重を掛けなければいけないというものではない。ショート・アイアンでは左脚に60%の体重を掛けてもいいし、ビッグヒッターのようにドライヴァーで強打したいのなら右脚に体重の70%を掛けてもよい。全米ロング・ドライヴ選手権の参加者の全てがそのようにセットアップしている。

飛距離を望むなら次のようにする。
・スタンスを肩幅より広くする。
・重心がボールの後方になるようにアドレス。
上のようにすると、結果的に頭と背骨がボールのやや後方になるセットアップとなり、インパクトでボールを上昇軌道で捉えることが可能になる。これがパワーの鍵である」

(May 30, 2009)


ショートゲームで勝て!

スポーツ心理学者Dr. Bob Rotella(ボブ・ロテラ博士)によるショートゲーム上達のススメ。

'Your 15th Club'
by Dr. Bob Rotella with Bob Cullen (Free Press, 2008, $24,00)

「賭けをしよう。あなたはTiger Woods(タイガー・ウッズ)、Brad Faxon(ブラッド・ファクソン)などお好きなパット名人を選んで結構。私は、そこら辺のパブリックの練習グリーンでうろうろしている一人を選ぶ。対戦方法だが、私の選んだ男は1.2メートルからパットし、あなたの選手は3メートルからパットする。断言するが、この場合、パット名人よりも素人の方がより多くパットを成功させるのは間違いない。

上の例で云えることは、ウェッジやショート・アイアンでピン傍につけることがいかに重要であるかということだ。1.2メートルにつけられれば、パットの技量は問題ではないのである。寄せのほとんどを2パット圏内につけられる人は90台前半か80台後半で廻れるだろう。三回に一回の割でパットが成功する距離にウェッジ・ショットをつけられる人は、80台半ばか80台前半で廻れる人だ。寄せワンのトライを五割達成出来る人は、70台で廻れるシングルの力があると云える。

ウェッジ・ゲームがうまく行っているのにスコアがまとまらないとしたら、パッティングに問題があるのだろう。あなたに必要なのは、パッティングを好きになることだ。パッティングは、7°のドライヴァーで320ヤードのパワー・フェードをかっ飛ばす動作に較べれば、きわめて単純で処理し易い動きである。多分あなたに320ヤード飛ばすクラブヘッド・スピードはないだろうが、グリーンを横断してボールを転がす力は備わっている。パット名人は生まれついてのものではない。誰でもパッティングをマスター出来るのだ。

パットをマスターするには自信が必要。そのためにはボールがカップに転げ込む様(さま)を見ることだ。入る可能性の少ないロング・パットを練習するのは無駄である。名手たちもロング・パットの練習もするが、あくまでもグリーン・エッジや地面に刺したティーを目標にして、タッチを確認するに過ぎない。

Dottie Pepper(ドッティ・ペパー、元LPGAプロ、現TV解説者)が私に教えてくれた次の練習法を試してほしい。

《九連続ドリル》

1) 練習グリーン上で、フラットでブレイクのないラインを見つける。
2) カップから1メートル、1.5メートル、2メートルの位置にティーを刺す。
3) 先ず、カップまで1メートルの位置から三回連続でパットを成功させる。三回続くまで次へは進まない。
4) 次にカップまで1.5メートルの位置から三回連続でパットを成功させる。失敗したら3に戻る。
5) 最後にカップまで2メートルの位置から三回連続でパットを成功させる。失敗したら3に戻る。
上のようにして、九回連続でパットを成功させるまで続ける。


このドリルはパッティング・ストロークのテクニックを磨くだけでなく、カップに転げ込むボールを見続けることによって、潜在意識に『パットは入るもの』と思い込ませられる。次回、あなたが1.5メートルのパットをする段になったら、『こんなのは朝飯前だ』と思うに違いない。

パッティングにおける不決断は大敵である。アドレスしながら『待てよ?ボール一個分右かも?』などと思ってはいけない。ラインを見た第一印象(直感)に従って決断するのが成功の鍵である。決断したら自信を持ってストロークし、失敗しても腹を立てたりないことだ。パットの結果には二つしかない。入るか、入らないかである。入らなくても、まだ大好きなこのゲームは続くのだし、地球は回り続けているのだ(一回のパット失敗など些細なことである)。

ウェッジとパターの使い方が巧い人たちは自信のあるゴルファーである。何が起ろうと、スコアをまとめられることを知っているからだ。Tiger Woodsは、ティーショットで必ずしもフェアウェイをキープ出来るわけではないのだが、彼がティー・グラウンドに立つ時、ドライヴァーによるショットがどこへ飛ぼうが、ウェッジとパットの成功によってどっちみちパーかバーディを達成出来ると信じている。彼のこの自信はあなたにも必要なものである」

上に出て来たドリルは絨毯の上でも可能です。ターゲットとして直径10.8センチの円形に切り抜いた紙を置き、三ヶ所のボール位置にビニール・テープか何か貼っておけば、気が向いた時にいつでも実行出来ます。《九回連続で成功させなければ不可》というルールが曲者で、いかに気楽な絨毯上とは云え七回目、八回目、九回目のパットには緊張させられます。テンション下のパットの練習としても役立ちます。

【参照】「絨毯上のパッティング」(tips_60.html)

(June 01, 2009、改訂June 03, 2015)


Padraig Harrington(パドレイグ・ハリントン)のパッティング

ショート・ゲームに関する読者からの質問に、インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)が答えるコラム。

'Ask Pelz'
by Dave Pelz ('Golf Magazine,' June 2009)

Q: 全英オープン優勝者Padraig Harrington(パドレイグ・ハリントン)のワイドなパッティング・スタンスとストロークをどう思います?あんな風に立って、あれほどいい結果を収められる理由が解らない。

A: 実は、彼のスタンスはとても素晴らしいのだ。広いスタンスを取る隠れた理由は、ストロークの間中下半身を不動にし、パターを後退・前進させる際に正しいプレーンを保てることだ。彼は両肩をターゲットラインにきちんと揃えており、レフトハンド・ロウのグリップが完璧にマッチしている。

Padraig Harringtonは、2008年のツァーにおけるパッティング部門のトップ・クラスだった。ラウンド平均パット数で二位、平均パット数で五位である」

(June 06, 2009、改訂June 03, 2015


1.2mのパットをミスしない方法

ショートゲームのインストラクターとして、大物Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)を追い上げているTodd Sones(トッド・ソーンズ)による記事。

'Stop missing four-footers'
by Todd Sones ('Golf Magazine,' July 2009)

「これはショート・パットをプッシュしたりプルしたりする人のためのtipだ。

ショート・パットのミスは、悪いセットアップが原因である。距離が短いため、ストロークの最中に軌道を修正することは不可能。次の手順によって正しいセットアップ法を身につけることが必要だ。

[Todd]

1) 直立して立ち、身体の前でパターを持った手を水平に伸ばす。両肘を身体の方に引き、胸郭(肋骨などで篭状になった部分)につける。【編註:図の緑線。この効果については後述】パターが両目の下に来るまで股関節(股の付け根)から上半身を前傾させる。

2) 腰を踵の上に位置させる。こうすると体重が両足に平均にかかり、ストロークの初めから終りまで身体を安定させてくれる。【編註:写真では、膝はほとんど曲げられていません】

3) 両目をボールの手前の端(身体に近い方の端)の上に置く。【図の赤線】

4) 両手は肩の下の内側に位置し、肩の前に出ていない。これは自然なストローク軌道を生み出す。

5) パター・シャフトと前腕部を一直線にする。【図の青線】一直線にならない場合は、パターが長過ぎるか短過ぎる」

最近の私は(3)と(5)に違反していました。少しボールから遠ざかる感じに立つようにしていたので、目はターゲット・ラインのずっと内側でしたし、シャフトと前腕部は一直線ではありませんでした。箒が真っ直ぐでなく折れ曲がっていたら扱いにくい筈ですが、私は折れ曲がったパターでパットしているようなものなのでした。ボール一個分プッシュしたりプルしたりするのは、これが原因だったのかも知れません。

練習グリーンで1.5メートルの距離で試しました。(1)の効果は読んだだけでは判らなかったのですが、「パターを水平に伸ばし、やおら両肘を身体の方に引いて胸郭につけ」た構えを実行すると、もの凄く方向性が良くなります。

両肘を身体に引きつけた後、股関節から上半身を折ります。すると、自然に二の腕の角度が出来、パター・シャフトと前腕部を自然に一直線にしてくれます。これが(1)の効果です。

(June 08, 2009)


Seon-Hwa Lee(李 宣和)のパッティング
[Lee]

LPGAプロSeon-Hwa Lee(サンファ・リー、李 宣和、韓国)は、エフォートレスなスウィングもさることながら、そのパッティングの巧さでも有名です。TVの解説者たちが異口同音に誉め讃えます。

私はTVで放送されたSeon-Hwa Leeのプレイのヴィデオを編集してDVDに焼いてあり、時折見ることにしているのですが、それは主にスウィングのテンポを参考にしていただけで、パッティングについて研究しようとしたことはありませんでした。現在、私のパッティングが低迷しているので、急遽彼女のパッティングを分析してみました。写真は2008年六月のGinn Tributeで彼女が優勝した時のものです。この時、彼女のパッティングは絶好調でした。

・彼女の両目はボールの真上ではありません。【図の赤線】ターゲット・ラインからボール約一個分内側という感じ。

・Seon-Hwa Leeは股関節から上半身を前傾させているだけで、膝はほとんど折っていません。【図の黄色線】

・顔は自然に下を向いています。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のように地面と平行になるほど下げてもいず、顎を上げてもいません。

・両肘は胸郭(肋骨などで篭状になった部分)方向に引きつけられています。【図の白線】肘が身体に接触しているかどうかは分りません。両手は肩の下の内側(肩から垂直の線を下ろしたと仮定して、その内側)に置かれていて、前に出てはいません。

・前腕部とパター・シャフトは一直線になっています。【図の緑線】その一直線の前腕部とパター・シャフトは、垂直の脚に対し、約27〜28°の角度を形成しています。

・Seon-Hwa Leeのストロークは「スクウェアに引き、スクウェアに出す」方式ですが、インパクト区間が長く、その間にボールを押す印象があります。

以上の大半は「1.2mのパットをミスしない方法」(前項)でTodd Sones(トッド・ソーンズ)が唱えていることとほぼ同じです。

Seon-Hwa Leeのスタイルを真似るとすれば、先ず股関節から前傾させなければいけません。アドレス時にプレストローク・ルーティーンとして必ずやるべきだと思いました。

私はかなり膝を曲げるスタイルをしていました。下半身を安定させるためでしたが、股関節で上半身を曲げればそれだけで下半身が安定するので、膝を深く曲げる必要はないようです。

彼女の目とボールの位置関係は、Todd Sonesの「 両目をボールの手前の端(身体に近い方の端)の上に置く」方式の延長かも知れません。確かに、意識的に目をボール一個分内側にしてアドレスすると、いい結果が得られることが多い感じです。

(June 08, 2009、復活December 13, 2015)


スクウェアなストロークの探究

私の現在のストローク法はターゲット・ラインにストレートに引きストレートに出すというもので、云ってみれば"grandfather clock"と同じ振り子運動です。ターゲット・ラインに平行に構えた両肩を上げ下げすれば、ボールは真っ直ぐ転がる筈です。なぜ、そうならないのか?それを解明するため、以下のような実験を考案して実行してみました。

[push]

パターに何か棒のたぐいをガムテープなどで横向きに装着します。そのパターを写真(上)のような材木か敷居などに沿わせてパッティング動作をします。パターフェースがスクウェアでない場合、その角度誤差が棒の長さ分だけ拡大表示されるというアイデアです。

私の場合、バックストロークはスクウェアなのですが、フォワードストロークがいけません。写真(下)のように、パターにくっつけた棒が右を向いたり左を向いたりします(パット数が多いわけだわ)。この実験は実際に御自分でやってみることをお勧めします。普通にパターフェースを見ているだけでは、その誤差を正しく視認出来ません。多分びっくりしますよ、その結果には。

こんなムラのあるフォワードストロークをどうするか。バックストロークがパターをうまくスクウェアに保っているのは、左肩をターゲットラインに平行のままストンと落しているからです。右肩も同じようにストンと落せば一挙解決に思えますが、これがうまく行きません。パターフェースがオープンになったりクローズになったりします。

試行錯誤しているうちに気づいたのですが、鍵は実は左手ではないか?左肘がストローク動作をブロック(妨害)しているように思えたのです。右手がフォワードストロークを進行中に左肘が動きを鈍らせれば、否応無くパターは円弧を描くしかありません。これでは「アーク(弧)パッティング」になってしまい、「ストレート・パッティング」とは云えません。ストレート・パッティングでは、パターに装着した棒はパッティングの最初から最後までターゲットを指していなければならないのです。

私の結論はちと異常に聞こえるかも知れません。チキンウィングを使うのです。フル・スウィングでは、パワーを損ないスライスの原因となるとして嫌われるチキンウィングですが、それをフォワードストロークで意図的に使うのです。その効果はパターに棒をつけた実験で簡単に証明出来ます。インパクト前後で左肘をチキンウィングにすれば、棒はスクウェアなまま前進します。スクウェアなフェースを保つ方法は他にもあるかも知れませんが、ターゲットに向かって左肘を突き出すチキンウィングほど簡単なものはないように思えます。今後、これを「チキンウィング・ストローク法©」と呼ぶことにします。

「何だ、パンタグラフ型パッティングと同じじゃない!」と思われるかも知れません。しかし、パンタグラフ型は、アドレス時から両肘を左右に突き出すスタイルなので、バックストロークでさえスクウェアでなくなる危険性を内包しています。やはり両肘は胸郭の位置に置き、左肩をストンと落下させるのが一番だと思います。

また、「そんなことでスクウェアなパットが可能なら、古今のプロの誰かもやっている筈だが、聞いたことないぜ」とおっしゃるとすれば、全くその通り。私の長年月のゴルフ本渉猟でも目にしたことはありません。長いゴルフの歴史の中で誰かは試してみた筈ですが、唾棄すべきチキンウィングの応用を公言するのは躊躇(ためら)われたのでしょうか?確かに私のアイデアは正攻法ではなく姑息な対症療法です。しかし、姑息でも変則的でも、私にとって役に立ってくれさえすればいいのです。この方法を究めて1ラウンド22パットで済むとしたら、「珍奇だ」、「みっともない」と誹られても全く構いません。

【参照】「完璧なストロークの探究」(tips_193.html)

(June 14, 2009)


ショート・パットを沈める

インストラクターDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)による加速して沈めるパット。

'How to sink the short ones'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' July 2009)

「アマチュアは短いパットに長いバックストロークをし、インパクトの瞬間に減速するということをしがちだ。これはストロークのリズムとテンポの一貫性を損ない、方向と距離のコントロールを失う原因となる。

例えば2メートル以内のパットであれば、原則として短く、しかも加速するパッティングをすべきだ。以前の長いバックストロークと、短く加速するバックストロークの両方を試して貰いたい。

ストロークを短くすることは、インパクトでパターフェースを捩りがちな悪癖を防止してくれる。それはまた、シンプルで、何度でもリピート出来る動きを可能にしてくれるものだ」

[push]

「加速するパッティング」というのは解釈が難しい表現です。強く打てばいいというものではありません。パチン!と弾くのでもありません。ハッキリしているのは撫でるようなパッティング(これは大概へろへろと転がる)ではないということです。TVでプロのパッティングを見ていると、ボールを押すような、あるいは撞(つ)くようなパッティングに見えることがあります。ビリヤードで球を撞くのに似た感じです。

われわれのレヴェルでは、フルスウィングでもパッティングでも、あまりクラブを振り回さない方がアラが露呈しなくていいと云えるでしょう。バックストロークが長くなればなるほど、手首が捩じれてフェースがスクウェアでなくなったり、パターの軌道がターゲットラインから逸れたり、体重を移動してしまったり、ロクなことがありません。David Leadbetter(デヴィッド・レッドベター)の云うように、短いバックストロークをした場合、われわれは本能的に「ショートしないように打たねば!」と考えますから、へろへろ球になる危険性も減らすことが出来ます。

私としては「決然と打つ」という趣が欲しい気がします。「しっかり打つ」というような生ぬるいものではなく、もっとメリハリがある感じ。短いバックストロークで決然と打つには自信がなければいけません。自信があればルックアップする(ボールの行方を目で追う)こともないので、狙いが逸れる心配もなくなります。決然と打たれたボールは、グリーンの凸凹を乗り越えて真っ直ぐ転がります。このように打たれたボールだと、見た目には撞いたように見えるのだと思います。

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)の短いバックストローク、短いフォワードストロークは、決然としたストロークの典型のように思えます。

(June 19, 2009、改訂June 03, 2015)


パーオンのための戦略

'Why you miss greens: Our 2-step strategy'
by Dr. Jim Suttie and Dana Upshaw ('Golf Digest,' July 2009)

われわれは何故パーオン出来ないのか?インストラクターDr. Jim Suttie(ジム・サッティー博士)がスウィング面から、クラブ・フィッターDana Upshaw(デイナ・アップショー)が道具選びの面から教えてくれるという、珍しい企画。

「・スウィングの間じゅう体重をスタンス中央に置き、スウィング弧の底辺をずらさないこと。これが正しいインパクトを迎える鍵である。バックスウィングで右方へスウェイしてはいけない。右足を安定させ、それが支柱であると思ってその上で身体を回転させる。誰かに右足の外側にクラブをあてがって貰って、それを押し退けないようなバックスウィングをすることだ。

・インパクトでボールを押しつぶすには、一定のスウィング巾が不可欠。スウィングの間、両手は頭との距離を終始一定に保っていなくてはならない。次のドリルを試みよ。両手で持ったクラブを右肩の上に載せる(肘が曲がっていてよい)。フルにバックスウィングした時のように身体を捩り、その後両手を伸ばす。それがあなたに最適のスウィング巾である。

・急角度のダウンスウィングでなく、サイドからサイドへの動きをするように。

・ハイブリッドは有益であるが、5番ウッド、7番ウッド、9番ウッドなどのロフトの多いフェアウェイウッドも忘れてはいけない。多くのゴルファーはこれらによってより高い弾道と飛距離増が得られるものだ。

・クラブ間のヤーデージは、スウィング・スピードが遅くなればなるほど減少する。6番アイアンを31.3m/secで振るゴルファーのクラブ間の飛距離の差はたった8ヤードに過ぎない。この間隔は短過ぎる。平均的ゴルファーはドライヴァーから5番アイアンまでの間に四本ものクラブ【例:3番ウッド、5番ウッド、3番アイアン、4番アイアン】を必要としない。私のお薦めは5番ウッドと9番ウッドである。

・あなたが45°のPWを持っていて、次のクラブが56°のSWだとすると問題である。ごく普通のゴルファーにとって、ウェッジ間の5°以上のギャップは大き過ぎる。どれか一本長いクラブを減らし、ギャップウェッジに換えるべきだ。例えば19°の5番ウッド、20°のハイブリッド、22°の4番アイアンなどは、全部飛距離が同じだから、そのどれかは簡単に馘に出来る」

編集部が薦めるクラブの変更案:
・3番ウッド→4番ウッド
・5番ウッド→7番ウッド
・3番アイアン→24°ハイブリッド
・4番アイアン→ギャップウェッジ

(June 29, 2009)


ドライヴァーとアイアン、体重で打ち分ける

'Fix a faulty swing path'
by Jim Sattie, Ph.D. ('Golf Magazine,' August 2009)

ドライヴァーが真っ直ぐ飛ばない人、アイアンをスウィートスポットで打てない人に捧げる、生体力学の博士号を持つインストラクターJim Sattie(ジム・サッティ)のユニークで、しかも説得力のある理論。

「どちらの問題解決の道も足にある。片方の靴を脱いで練習すればよい。

・ドライヴァー
 もし、バックスウィングで体重を左脚に置いたままだと、あまりにも急角度のダウンスウィングになり易く、結果はスライスかプルになる。右足の靴を脱いでアドレスし、体重が自動的に右足に移動するのを感じること。バックスウィングの間、体重をそのまま保てば、浅くインサイド・アウトのスウィングになることを学べるだろう。それこそドライヴァーで真っ直ぐのボールを打つ秘訣である。

・アイアン
 アイアンでの最も一般的なミスは、あまりにも浅い角度のダウンスウィングで、クラブを早期にリリースしてしまうことだ。その結果は弱々しくグリーン手前に落下するボールである。左足の靴を脱げば、身体はよりボールの真上に留まるため、急角度にボールに向かって打ち下ろすことが出来る。靴を脱ぐことによって体重が左サイドに位置し、ボールを打った後ディヴォットを取るというアイアンの正しい打ち方が可能になる」

私のドライヴァーがストレートに飛ぶのは、Jim Sattieの云うように右足体重にしているからのようです。もともとは距離を出すための上昇軌道で打つ手段だったのですが、偶然方向性にも役立っていたのでした。

(July 02, 2009)


フィニッシュを分析せよ

"Golf Digest編 Best 50ゴルフ・コーチ”第一位のButch Harmon(ブッチ・ハーモン)のtip。

'Driving: Fix it from the finish back'
by Butch Harmon ('Golf Digest,' August 2009)

「ゴルファーたちは、スウィング・チェックの一環としてフィニッシュを分析することをおろそかにしている。特にドライヴァー・ショットのフィニッシュでは、次の諸点に注目。

・右肩は左肩よりもターゲットに近くなくてはならない。そうなっていれば、あなたが身体を回転し続けている証拠である。

・ほとんどの体重は左足にかかっているべきである。右足を容易(たやす)く持ち上げることが出来るほどに。

・クラブシャフトは後頭部か首を斜めに横切る角度になっていなくてはならない。背中にだらんと垂れていたり、上を向いたままでは落第である。

・フィニッシュのポーズを持続出来るようでなくてはならない。ボールが着地するまで同じポーズで見守るように」

(July 23, 2009)


シャフトで自分の背中を叩け

'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)

古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。

「フルスウィングのフォロースルーの最終段階では、クラブシャフトがあなたの背中に接触すべきである。

そうなっているとすれば、あなたはインパクトを過ぎても加速し続けていることは間違いない。フルに加速するスウィングをしたい場合、クラブが自然に背中を叩くかどうかは重要なチェックポイントである」

(July 29, 2009)


アイアンでは両手先行アドレス

"Golf Digest編 Best 50ゴルフ・コーチ”第三位のDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)のtip。

'Irons: Set up perfect contact'
by David Leadbetter ('Golf Digest,' August 2009)

「素晴らしいアイアン・ショットを打つには、ボールを先に打ち、次いで地面を打つという若干ディセンディング・ブロー(下降気味の接触)のスウィングが必要だ。これは歯切れのいいショットを生み出す。

多くのアマチュアはボールを空中に浮かべようと苦闘する。そういう動きはインパクトでクラブヘッドを先行させて両手を遅らせ、トップするかダフる結果を招くと相場は決まっている。

理想的なインパクトを感じ取るためと、ショットの質を高めるため、ボールよりも両手がややターゲット方向に位置するアドレスを試してほしい。

これはインパクトにかけて両手がクラブヘッドに先行し、クラブフェース本来のロフトを保ちながらボールに向かって打ち下ろすスウィングへと導いてくれる。【編註:掬い打ちだとロフトが増え、飛距離が減ってしまう】」

(August 09, 2009)


ゴルフ物理学講座・初級

'Golf: The Art of the Mental Game —100 Classic Golf Tips'
by Dr. Joseph Parent (Universe Publishing, 2009, $24.95)

「ハイハンデの人々はクラブ・デザインの物理学的側面を理解していない。彼らは、ボールを宙に上げるにはボールを上向きに打たなくてはならないと考える。フェアウェイからのアプローチ・ショットの場合、ボールを上向きに打つと二つの現象しか起らないが、そのどちらも最悪のものだ。

ボールは地面に座っているのだから、ボールの下から上にスウィングするということは、先ずクラブヘッドが地面を叩くということに他ならない。もし、地面を叩かないとしたら、クラブのリーディング・エッジはボールの上半分を打ち、結果はトップとなる。

クラブ自体がボールを上げる仕事をするために作られていることを信じ、インパクトでは歯切れ良くボールに向かって打ち下ろすスウィングをすべきである」

(August 16, 2009)


[grip] 掘り出し物のパッティング・グリップ・改造版

「掘り出し物のパッティング・グリップ」(tips_62.html)は「両手の親指と人指し指がシャフト下方を指すようにグリップし、左手の中指、薬指、小指と右手の中指、薬指、小指をインターロックさせる」というものです。これを紹介した当時、「両掌の間に空洞が出来てしっかりグリップ出来ない」と書きました。それは私の手が小さいせいか、パターのグリップが細いせいかどちらかだったでしょう。

で、改造版を考案しました。インターロック部分だけの変更です。私はレフトハンド・ローなので、右手の中指だけ左手の薬指と小指の間に挟むインターロックにし、右手の薬指と小指はパターを直接握ります。グリップの裏側の変更ですから、表面上は以前の写真と全く同じです。

この変更により両掌の間の隙間はなくなり、インターロックの効果もあってしっかりグリップ出来ます。パターがぐらつくことはありません。

・両目がボールの真上になるように立つと、私の場合、伸ばした左人差し指先端が金属シャフトに掛かります(それほど短く持たないとボールから離れてしまう)。

・両目をターゲット・ラインに揃える。

・左肩を落すようにバックストローク。

・右肩を落すようにフォワード・ストローク。

この方法で、本日は27パットに収めることが出来ました。PGA Championship 2009最終日のTiger Woods(タイガー・ウッズ)のパット総数33を遥かに凌駕し(!)、前回の私の32パットを5ストローク改善出来ました。万歳。ま、これも長期的に役立つメソッドかどうかは神のみぞ知るです。楽観してはおりません。

(August 18, 2009)


ロブ・ウェッジの使い方

LPGAの賞金王だったAnnika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)のtip。

'Hitting a soft lob'
by Annika Sorenstam ('Golf Digest,' July 2009)

「ロブ・ウェッジを使う時は、バンカーショットのように下半身を不動にし、肩を積極的に回転させる必要がある。

・両脚を安定させるために、広めのスタンスを取る。
・フェースをオープンにし、ボール位置はスタンス中央より少しターゲット寄り(ボールをターゲット方向に寄せれば寄せるほど、ボールの軌道は高くなる)。
・アドレス時の両手の位置はボールより後方。【両手とクラブ・シャフトはYの字になる】
・バックスウィングでは早めにコックし、急角度のスウィング・プレーンを作り出す。
・体重は中央に保つ。普通のピッチ・ショットのように体重をターゲット方向に移してしまうと、ロブ・ウェッジのロフトを減少させ、ボールの高い軌道を減じてしまう。
・望んだロフトを活かすには加速することが不可欠。
・フィニッシュを高く、ベルト・バックルがターゲットを向くように」

(August 20, 2009)


目から鱗の当世風パッティング

'They still work!'
by Eden Foster with Michael Walker Jr. ('Golf Magazine,' September 2009)

この号の'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌は、創刊50周年を記念して多彩な回顧特集を組んでいます。その一つは同誌創刊号に掲載されたtipsを再掲し、現役のティーチング・プロEden Foster(イーデン・フォスター)が「現在でも通用するtipか否か」を検証するという面白い趣向です。ドライヴァー・ショットからパッティングまで六つのtipsが取り上げれています。そのパッティングに関する記事を読んでいて衝撃を受けました。

創刊号の記事は当時のプロDoug Ford(ダグ・フォード、The Masters 1957チャンピオン)によるもので、「パットにおける左手はあくまでもガイドである。ストロークはビリヤードのように右手でボールをコツンと叩くべきである」というもの。これに対するEden Fosterの分析は以下のようなものです。

「50年前のグリーンは現在のように早くなかったので、Doug Fordが云うように引っ叩くか弾(はじ)くようなパッティングをしなければならなかった。しかし、Masters(マスターズ)に優勝する連中を見れば分るように、最近のプロは長くスムーズな動きをしている。

現在の私(=Eden Foster)はPhil Mickelson(フィル・ミケルスン)のような型のストロークを教えている。即ち、長いバックストロークで、あまり加速させず、短いフォロースルーというメソッドである」

[icon]

私は最近の一流プロたちの短いフォロースルーに気づいていました。Tiger Woods(タイガー・ウッズ)を始め、日曜日にトップ争いをするプロたちのほとんどがインパクト後すぐ止めるような短いフォロースルーをしています(もちろん、ロング・パットを別として)。私はそれを真似しようとしていましたが、パターをすぐ止めることによる距離不足を補うためには、ビリヤードのように撞いて加速させる必要があると考えていました。50年前と現在のメソッドを混ぜこぜにしていたと云えるかも知れません。

プロたちが長いバックストロークをしていたという点には全く気づきませんでした。ストロークの強さではなく、パターヘッドの重さによって加速させているわけです。早速絨毯上で試すと、《長いバックストロークで短いフォロースルー》のアクションはまるでスレッジハンマー(大槌)を振るうのに似ています(あるいは杵で餅をつく時の動き、お寺の鐘を撞く動き、トンカチを使う動きなど)。パターを長く引いた後は、重力がヘッドをボール方向に戻す動きに任せてしまえばいいのです。人間が小手先でコントロールするよりずっと信頼出来ます。方向性もよく、ボールの回転も活き活きします。

本物のグリーンで実行すると、どうしても「入れよう」という欲(邪念)によって方向に狂いが出ます。しかし、ショートするミスが激減するのは間違いなくメリットです。練習で分ったことですが「手首を強ばらせず、頭を残してボールを目で追わない」ことを鉄則にすれば方向性の問題も解決出来ます。ま、これはどんなパッティング・スタイルにも役立つことですが…。

《長いバックストロークで短いフォロースルー》。「フル・スウィング同様、パットも重力に任せてしまえ」です。

(August 23, 2009)


フェアウェイ・バンカーは簡単

'Escaping fairway Bunkers'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2009)

「フェアウェイ・バンカーはハイハンデのゴルファーを心底から怯えさせる。しかし、それは見た目ほど悲惨なものではなく、多くの場合、同じ距離のラフからのショットよりはずっと好ましいものと云える。

フェアウェイ・バンカーへの対処法はグリーンサイド・バンカーと正反対である。フェアウェイ・バンカーでは砂ではなくボールを直接打つのであり、出来る限り砂を取らないようにすべきなのだ。

・安定したスタンスを得るため、両足を砂に埋め、クラブを1インチ(2.5センチ)短く持つ。【編註:靴を砂にめり込ませた分、結果的にクラブが長くなる。短く持って相殺しないと砂を取る結果になってしまう】

・通常よりボールから離れて立ち、フラット目の掃くようなスウィングをする。【編註:ボールに近く立つとフラットなスウィングが出来ず、砂を取る結果になる】

・テイクアウェイの際、スウィングの軸が揺らがぬよう、両足を砂の中で静止させること」

(August 26, 2009)


パットはしっかりと打て

'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)

古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。

「パットは読み間違いだけでなく、打ち方の悪さによっても失敗する。スウィートスポットで打たれたボールであれば、ラインに忠実に転がってカップに沈む可能性も高い。

バックストロークの際、『ソリッドに打つ』という言葉を思い起こし、ボールをしっかりと打つことに集中せよ。そうすればパターはぐらつかずにボールを打ち抜き、望んだ方向へボールを進めてくれる筈だ」

(August 27, 2009)


スウェイを撲滅せよ

'Banish your sway'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2009)

「スウェイはスウィングを台無しにするものだが、これは不幸にもパワーヒッターに共通の病いである。多くのアマチュアが上体を極限まで動かせば飛距離に繋がると思い込んでいるが、スウェイしてしまうとダウンスウィングでクラブフェースをスクウェアにボールに戻すのは、ほぼ不可能なのである。以下のポイントを熟読し、スウェイをパワフルな回転に変えるべきである。

・スタンスを広げる
狭いスタンスは上体を傾かせやすい。スタンスを広げて、回転せざるを得なくすること。

・膝を柔軟に
緊張して立つのもスウェイの原因の主たるものである。アドレス姿勢が『アスレティック・ポジション』(スポーツ特有の瞬発力を秘めた姿勢)になっていることが重要。膝の柔軟性を増すと太股と腰に重心を下げることが出来、それはバックスウィング時に右へスウェイすることを困難にする。

・右足の位置をチェックせよ
アドレスした時に、右足はターゲットラインに対して適切な角度になっている必要がある。バックスウィングの途中で右膝に不快なプレッシャーを感じるようだと、それはスウェイしている証拠である。これを防ぐには、トップで“右足の内側”に体重を乗せるようにする。もしこの動きが腰に負担をかけるようであれば、右膝の柔軟性を保ちながらしっかりさせることによっても、水平に移動しようという傾向を阻止出来る」

(September 03, 2009)


腰はターゲットに突き出せ

この号の'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌は、創刊50周年を記念して多彩な回顧特集を組んでいます。その一つは同誌に掲載された50年間のtips中の部門別ベストの発表というもの。以下のは「パワー部門」のベストに選ばれたもので、1968年3月号に掲載されたHarry Cooper(ハリィ・クーパー)のオリジナル記事に、現役のティーチング・プロT.J. Tomasi(T.J. トマシ)が解説をつけています。

'Make a diagonal hip turn'
by "Lighthorse" Harry Cooper and Dr. T.J. Tomasi ('Golf Magazine,' September 2009)

「ダウンスウィングの開始は、普通左腰を身体の背後に廻すとされている。そうではなく、右腰がターゲットに向かうように回転させるべきだ。【編註:この記事では、右腰がターゲットに向かうことを『対角線(右斜め方向)に突き出せ』と表現しています】

この方法は、旧来の『樽の中で身体を回転させる』というセオリーとは異なり、上半身と下半身の独立した動きを作り出す。それは、パワフルなスウィングのインパクトで見られる鞭を鳴らすようなアクションである。樽の中で腰を廻す水平運動はスウィング速度を制限する結果、腕の動きを作り出ししてしまい、ボールをカットしたりプルやスライスを生じやすい」

以上がHarry Cooperによるオリジナルで、以下はT.J. Tomasiの解説。

「Harry Cooperのtipは時代に先駆けたものだった。インストラクターたちが、身体の一部と他の部分を対抗させてトルクを作り出すことを話すようになるのは、この記事の20年も後のことである。

ダウンスウィングで腰を対角線に回転させると、ターゲットライン上にクラブヘッドを長く保つことが出来、エクストラのスピードも得られる。Percy Boomer(パーシィ・ブーマー、英国のインストラクター)が唱えた『樽の中でスウィングする』という理論は忘れるべきだ。Harry Cooperの方法によって飛距離が増すのを体験すべきである」

なお、「フルスウィング部門」のベストtipは、当サイトのtips_109.html所載の「バック・スウィングの正しい終点」です。

 

(September 06, 2009)


スライス防止策

この号の'Golf Magazine'『ゴルフ・マガジン』誌は、創刊50周年を記念して多彩な回顧特集を組んでいます。その一つは同誌に掲載された50年間のtips中の部門別ベストの発表というもの。以下のは「スライス対策部門」のベストに選ばれたもので、1970年8月号に掲載されたPaul Segerlund(ポウル・シーガーランド)のオリジナル記事に、現役のティーチング・プロMike Perpich(マイク・パーピッチ)が解説をつけています。

'Pre-cock your right hip'
by Paul Segerlund and Mike Perpich ('Golf Magazine,' September 2009)

「クラブフェースがターゲットを向くように狙い、身体をターゲットに平行な左側に揃える。【編註:線路の一本にクラブを当ててターゲットを狙ったら、両肩・腰・両膝などを結ぶ線は手前のもう一本の線路の向きに平行に揃えるという意味。後の線路はターゲットではなく、その左を指している】

スウィング開始前に右腰を右に捻る。ズボンの右のポケットを背後に廻す感じである。

右腰を右に廻しておくと、自然にインサイド目にバックスウィングを引くことになる。その動きは基本に忠実なスライス防止策の第一段階を完了させたことを意味する。この方法は、肩と腰を最大限に廻すことも容易にしてくれる」

以上がPaul Segerlundによるオリジナルで、以下はMike Perpichの解説。

「このtipは発表されて39年という時を経ても古くならず、未だに霊験あらたかである。アマチュアの多くは単純に両腕を持ち上げるバックスウィングをしがちだが、このtipはバックスウィングの開始直後から身体を回転させることを促してくれる。先ず練習場でこのtipを試し、それからコースで使うべきだというのが私の助言である」

(September 12, 2009)


Stack & Tilt:part 2

'Golf Digest' 『ゴルフダイジェスト』誌には何百通もの質問が寄せられたそうで、三ヶ月後の同誌は再度特集を組みました。今度は、Stack & Tiltの鍵となる三つのポイント、ドライヴァーへの応用、他のインストラクター達の批判とStack & Tilt創始者達の反論などからなっています。

'Stack & Tilt, part 2'
by Andy Plummer + Mike Bennet with Peter Morrice ('Golf Digest,' September 2007)

「・Stack & Tilt 三つの鍵

1) 体重は主に左足にかけ、トップまでそれを移動させない。ダウンスウィングでは体重を右に移して行き、インパクトでは約八割が左足にかかる。【http://www.golfdigest.com/instruction/stackandtilt?slide=6】

2) 背骨の角度はトップで若干ターゲット寄りに傾ぐ。Stack & Tiltを学ぶ者は、アイアンショットでは頭がボールよりターゲット方向に出るような気がすると云う。何故、背骨が左へ傾ぐか?身体の中心においた背骨を中心として肩が円運動をするからである。トップに至る頃、背骨はややターゲット方向に傾くことになる。これを『リヴァース・ピヴォット』とか、『リヴァース・シフト』などと呼んでもいいが、頭を静止させ続けて肩を回転させれば自然に起る現象である。これはFred Couples(フレッド・カプルズ)、Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)、Colin Montgomerie(コリン・モンガメリ)などにも見られる傾き方である。【http://www.golfdigest.com/instruction/stackandtilt?slide=7】

3) コーチ達は『ターゲット方向に腰をスライドさせては絶対にいけない』と生徒に教える。これは完全に間違いだ。腰を出来るだけターゲット方向に引く動きは、ドローの基盤を作るだけでなく、浅い攻撃角度によりソリッドなショットに繋がるものだ。【http://www.golfdigest.com/instruction/stackandtilt?slide=8】

・Stack & Tiltでドライヴァーを打つ

1) 掬い打ちするべからず
 『ドライヴァーは掃くように打て』と云われたゴルファーは、クラブヘッドが両手に先行するようなリリースをしてしまう。これはフェースが左に向かうカットの動きを生じ、プルかプル・スライスを招く。ドローを打つには両手をクラブヘッドに先行させてインパクトを迎えなくてはならない。それにはハンド・ファーストで構え、その位置関係を保ち続けなくてはならない。【http://www.golfdigest.com/instruction/stackandtilt?slide=9】

2) 腰の傾斜をリリースせよ
 『アドレス時のポスチャーを維持せよ』というのも間違いである。腰がボールに向かって傾斜している場合、身体を回転させることは非常に難しい。ポスチャーを保ちながらインパクトを迎えようとすると、身体は回転をやめてしまい、クラブヘッド・スピードの勢いを失ってしまう。腰を上方に突き上げて身体の傾斜をほどくべきである。これは野球の打者のヒッティングと同じことだ。【http://www.golfdigest.com/instruction/stackandtilt?slide=10】

3) ダウンスウィングでは背骨を背後に反らせ
 上述の腰を上方に突き上げる動きは、背骨の上半分をストレッチし反っくり返らすことと一体である。両手も伸ばされ真っ直ぐになっている。お尻は腰の下にすっぽり納まっている感じを抱くべきだ」【http://www.golfdigest.com/instruction/stackandtilt?slide=11】

【参照】「Stack & Tilt(スタック&ティルト)」

(September 15, 2009)


Stack & Tiltリンク集

以下のリンクでStack & Tiltのあらましが判ります。

http://www.golfdigest.com/instruction/stackandtilt
《コンテンツ》
・Stack & Tiltメソッドのスライド・ショー
・The New Tour Swing: Introduction 'Golf Digest'誌2007年6月号掲載記事の「序文」
・The Details: Here's How It Works 同上「詳細説明」
・Getting Started With Stack & Tilt 同上「練習にあたって」
・Stack & Tilt vs. Conventional Swing 同上「一般的スウィングとの比較」
・Stack & Tilt Critics Speak Out  同誌同年9月号掲載の「他のインストラクター達の批判」【当サイトで近日紹介予定】
・PDF Download: Step-by-Step Instructions 「詳細説明」のPDF
・Peter Finch: What It Did For Me 同誌編集者(ハンデ10)の「入門体験談」
・Video: Highlights Of Peter Finch's Lesson 同上編集者の「練習風景ヴィデオ」

同誌「Stack & Tiltフォーラム」
http://boards.golfdigest.com/thread.jspa;jsessionid=opm-2UXx9B76ittS?messageID=4081(ハンデ7のフランス人が74で廻ったという体験談を投稿しています)

DVDセットの内容、Stack & Tiltを採用しているツァー・プロたちの紹介
http://www.stackandtilt.com/

(September 15, 2009)


シングル級のチップ練習

Tiger Woods(タイガー・ウッズ)のコーチHank Haney(ハンク・ヘイニィ)によるtip。

'Practice chipping extremes'
by Hank Haney ('Golf Magazine,' September 2009)

「練習時間の少なさは入門者からシングルまで、全てのゴルファーの嘆きである。練習時間が限られている中でショートゲームに上達するにはどうするか?その答えはあなたを驚かすかも知れない。

あなたの愛用のウェッジではなく、多分コースでは試したことがないであろうロフトの少ないクラブで練習する。例えば6番アイアンを用い、異なるターゲットに向けて打つ。この不慣れなショットをすると、どこに着地させ、通常のチップ・ショットよりどれくらい多く転がるかに注意深くならざるを得ない。

別のクラブを用いて同じ着地点を目標にし、ボールがどう転がるかを研究する。

どちらの練習も、僅かでもストローク数を減らそうとするシングル級ゴルファーに不可欠な、脳とタッチに働きかけるものである」

6番アイアンによるチッピングをやってみましたが、練習グリーンを転がり出てしまうことが多く、コントロールに苦労しました。

(September 17, 2009)


足を閉じて13ヤード増

この号の'Golf Magazine'は、創刊50周年を記念して多彩な回顧特集を組んでいます。その一つは同誌に掲載された50年間のtips中の部門別ベストの発表というもの。以下のは「ドリル(練習)部門」のベストに選ばれたもので、1970年8月号に掲載されたティーチング・プロEric Alpenfels(エリック・アルペンフェルス)のオリジナル記事に、ティーチング・プロTed Sheftic(テッド・シェフティック)が解説をつけています。

'Swing your feet together'
by Eric Alpenfels and Ted Sheftic ('Golf Magazine,' September 2009)

「通常のアドレスをした後、両足をつけてスウィングする。バランスを失ってはいけない。

このドリルはインパクトの質を向上させるので飛距離増に繋がる。また、この方法は転倒せずにアウト→インのスウィングをすることは不可能なので、スライス系のスウィングを避けることが出来る。中級以上のゴルファー117人に6番アイアンを使って貰ってテストした結果、このドリルは平均13ヤードの飛距離増をもたらした」

以上がEric Alpenfelsによるオリジナルで、以下はTed Shefticの解説。

「本気で練習する人にはこのドリルがお薦めだ。両足をつけてスウィングすると、いかに膝と足の動きが重要であるか、また手首のコックとアンコックの正しい感覚を得ることがいかに重要かが解る。

ソリッドなスウィングとは、腕と手によるスウィングではなく、リズムと流動性によるものであり、同時に勢いを利用することによってエフォートレスなスピードを生み出すことである」

(September 20, 2009)


Stack & Tilt:part 3

今回はStack & Tiltメソッドに対する他の有名インストラクター達の批判と、Stack & Tilt創始者である二人のインストラクターAndy Plummer(アンディ・プラマー)およびMike Bennet(マイク・ベネット)の反論を紹介します。

'Stack & Tilt, part 2'
by Andy Plummer + Mike Bennet with Peter Morrice ('Golf Digest,' September 2007)

「■Butch Harmon(ブッチ・ハーモン)
 Stack & Tiltは新しい理論として提示されているが、その大部分はMac O'Grady(マック・オグレイディ)が長いこと教えていたものだ。個人的には、私はシステムは教えない。誰にでも共通の基本というものがあるとは思えないからだ。私はStack & Tiltが万人のものであるとは思わない」

□Andy Plummerの反論
 Mac O'GradyがStack & Tiltのいくつかの要素を教えていたのは、その通りである。基本ということについてだが、スウィングの要素を包括するシステムはあるべきだ。万人を客観的に計る方法がシステムということなら、このStack & Tiltはまさにシステムである。

■David Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)
 大方のアマチュアにとって一番の問題点は、ボールにあまりにも急角度に振り下ろすことだ。彼らがStack & Tiltのように左サイドに寄りかかってしまうと、ダウンスウィングで背骨を劇的に右へ傾けない限り、さらに急角度の打ち方になってしまう。250ミリセカンドしかないダウンスウィングで、その相殺をするのは非常に難しい。私がこれを薦めるとしたら、あまりにもインサイド・アウトのスウィングをする人だが、そういう人はあまり存在しない。

□Andy Plummerの反論
 多くのアマチュアはあまりにも浅い角度でボールに振り下ろし、ボールを打ち上げようという傾向がある。私のところへ来るゴルファーたちは、右へ体重移動し、そのまま留まってしまう。その結果、彼らのダウンスウィングは浅く、スウィング弧の最低点をボールの後ろにしてしまう。ボールのディヴォットはボールのターゲット方向でなく、背後になる(=ダフり)。Stack & Tiltは正しい角度のダウンスウィングへの第一歩なのだ。

■Jim McLean(ジム・マクレイン)
 頭は静止点ではないし、ゴルフスウィングには間違いなく体重移動が存在する。何事にもやり過ぎというものはあり、水平移動もその一つだが、偉大なゴルファーたちも水平移動は行なっている。

□Andy Plummerの反論
 ゴルフスウィングの水平移動は、ダウンスウィングにおける腰のターゲット方向への動きであるべきだ。バックスウィングでの右への水平移動は、正確なインパクトを難しくする。静止した頭に関してだが、Ben Hogan(ベン・ホーガン)、Sam Snead(サム・スニード)、Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)などは、バックスウィングで絶対に頭を動かさない。ボールは静止しているのに頭を動かすと、ボールが動いているのと同じことになる。最近Jack Nicklausは次のように述べている、『私は水平移動がよいとは思わない。ボールの上に留まるのがいいと思う』

■Ralph Simpson(ラルフ・シンプスン、理学療法士)
 Stack & Tiltを実行するにはかなりの柔軟性が必要だ。柔軟性を欠くと、横向きの急激な勢いによって背骨の腰椎に近い部分に過大な影響が与えられる。また、Stack & Tiltは左膝を痛める恐れがある。

□Mike Bennetの反論
 腰の障害を訴えたゴルファーは全くいない。整形外科医と理学療法士たちは、腰の前方+上方への動きは、身体の回転によって生み出された腰椎のストレスと急角度の力による左膝のストレスを軽減すると云っている。われわれはStack & Tiltで『立ち上がれ、拡張せよ、伸ばせ』と主張するが、これは捻るよりはずっと腰に良いと考える」

以下は「全米インストラクター・ベスト50」という記事のアンケートの答えの一部。インストラクターJim Hardy(ジム・ハーディ)は、「二つのプレーン」(tips_90.html)によって一躍有名になった人。

'What's your opinion of Stack & Tilt?'
by Jim Hardy ('Golf Digest,' August 2007)

「Stack & Tiltは私の『1プレーン・メソッド』に近い。私は自著で『1プレーンのゴルファーは、バックスウィングでの右への体重移動は最小限でよい』と書いた。実のところ、私は1プレーンのゴルファーにはバックスウィングの際に若干左に体重を置くことを認める立場である」

(September 23, 2009)


二段グリーンへのチップ

'Shed your fear of tiers'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2009)

「複数の段を持つ早いグリーンは、未経験なゴルファーには扱いが非常に困難なものだ。多くのアマチュアは高く上げるチップ・ショットしか知らないようだが、それはボールを充分に強く打たないと失敗しやすい。複数の段のグリーンにおいては、低い転がしがベストである。低い転がしを実行するに当たっては、先ずロフトの少ないクラブ(6番アイアンなど)によるチッピングというアイデアに確信を持つ必要がある。

目標着地点はピンがある段の手前の1メートル前後の地点である。その次の段に必ず届くだけ強くボールを打つこと。でないと、ボールは今まさに打ち終えた場所に戻って来るという最悪の事態を迎える。

短く、パットのように歯切れのよいスウィングをし、トップスピンがかかるように打てば、ワンバウンドした後よい転がりが得られるだろう」

(September 23, 2009)


チップか、パットか、それが問題だ

スポーツ心理学者Dr. Joe Parent(ジョー・ペアレント博士)によるショートゲームのヒント。

[Mental]

'Golf: The Art of the Mental Game —100 Classic Golf Tips'
by Dr. Joseph Parent (Universe Publishing, 2009, $24.95)

「グリーンから60〜90センチのフリンジにボールがある場合、パットすべきか、チップすべきであろうか?ツァー・プロの多くの考えはこうだ、《ボールを一打で沈めたければチップ、寄せワンでいいならパット》。

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)が、若き日のJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)に云った、『パターを使った最悪の結果は、チップした最良の結果に等しい』と。以来、Jack Nicklausはパターを選ぶのが常である。

あなたがローハンデのゴルファーでチップインを狙うのでない限り、Arnold Palmerを見習ってパターを選ぶべきであろう」

全英オープン2009でTom Watson(トム・ワトスン)が優勝を逸した夜、Tom Watsonのよき友Jack Nicklausが電話して来て、「あんたが最終ホールで、グリーン奥からのショットにパターを選んだのは正しかった」と慰めたとか。いまだにパター派のようです。

'Putt or chip'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' October 2009)

「フリンジにボールがある場合、重要なのはパットするかチップするかの決断に自信を持つことだ。迷いながらのプレイは、弱々しくためらいがちなものになり易い。

多くのゴルファーにとって、ウェッジよりもパターの方がコントロールし易いだろうから、多くの場合、パターを選ぶのが論理的に妥当であろう。だが注意すべき点がある。フリンジの芝はグリーンのそれよりも長いので、カップインさせるためにはやや強く打たねばならない。この場合、ボールをスタンス前方に置き、若干上昇気味のストロークをするとよい。

【チップすべきケース】

・フリンジが湿っている場合
・フリンジの芝が異常に密である場合
・ボールがグリーンの高さより芝に潜っている場合
…こういう場合はチップするのが利口。ぴょんとフリンジを飛び越え、グリーンに達したらすぐ転がりを開始出来るロフトのクラブを選ぶ。このショットはウェッジによるパッティングだと考えること。シャフトをアップライトに(立てるように)構え、ヒールを浮かす。そして、腕と肩によるシンプルなストロークをする。

【パットすべきケース】

グリーンがカップに向かって下っている場合は(12メートルも離れている場合は別だが)迷うことなくパットすべきである。ダウンヒルのコントロール不能な転がりの勢いを、フリンジの抵抗によって軽減出来、ボールをとろとろとカップに向かわせられるからだ。もしダウンヒルにチップすると、ボールにブレーキをかけることは不可能である」

【画像はhttp://www.zengolf.comにリンクして表示しています】

(September 27, 2009)


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