July 15, 2022

ロブウェッジを酷使してスコアを減らす

 

[lob wedge]

「ロブウェッジは難しい」と云われますが、バンカー用の"bounce"(バウンス、底部の肉厚の度合い)の多いロブウェッジをフェアウェイで使おうとするから難しいのです。バウンスはバンカーでは役に立ちますが、固い地面ではヘッドが撥ね返されてしまってトップします。ピッチングとチッピングに使うロブウェッジのバウンスは4°~7°であるべきです。バンカー用ウェッジのバウンスは10°~14°もあります。こういうウェッジをピッチングとチッピングに使おうとすれば難しくて当然です。ゴルフ用品店で60°というロフトだけ見てバウンスを確認しないで買って来てはいけません。

私は四本のウェッジをバッグに入れています。
ピッチング・ウェッジ(ロフト:47°)私の飛距離:80ヤード【3/4スウィング(以下同じ)】
ギャップ・ウェッジ(ロフト:52°)私の飛距離:70ヤード
サンド・ウェッジ(ロフト:56°)私の飛距離:60ヤード
ロブ・ウェッジ(ロフト:60°)私の飛距離:50ヤード
(私の60°ウェッジのバウンスは7°)

「エイジのチッピングは"deadly"(正確無比)だ」と云われたことがあります。「誰が何と云おうと、ショートゲームではエイジが一番だ」と云われたこともあります。もちろん、これらは褒め過ぎですが、私自身の野望はショートゲームの達人になることですから、その第一歩として仲間から認められるのは嬉しいことです。本当に正確無比なら、ワンラウンドで三回ぐらいチップインさせなければいけないでしょうが、残念ながらそこまでの技倆はありません(^^;;。

しかし、ピン傍に寄せることには自信があります。方向と距離の両方が正確であることが望ましいのですが、以下に述べる方法で距離のコントロールだけは抜群です。

私がプレイするコースは市営で値段が安いのだけが取り柄のコースで、地面も凸凹しており、禿げちょろけの場所もあったり、グリーンはほぼ全て砲台、グリーン周囲の芝も長かったり…で非常に難しいのです。それでも転がす向こう見ずな人もいますが、私は転がすと異様な方向へ跳ねたり、長い芝で急停止したりするのが嫌なので、必ずボールを宙に上げてグリーンに着地させることにしています。ですから、50ヤード以内では60°ウェッジを酷使することになります。

[handle]

あまり知られていないことですが、ゴルフ・クラブは1インチ(2.5センチ)短く持つと10ヤード飛距離が減るという設計になっています。だったら、1/2インチ(1.25センチ)刻みなら5ヤードずつ打ち分けられるじゃないかと思いました。60°ウェッジのハンドルのフルショットのためにグリップする位置(親指の先端)を基点とし、そこから1.25センチおきに目印をつけました。【御注意】触れて判るような目印はルール違反となりますので、私はホワイト修正液でつけた目印にマジックで彩色しています。これは触っても感じ取れないのでOKです。【註】この件についてはUSGA(米国ゴルフ協会)に問い合わせました。日本はR&A(英国ゴルフ協会)傘下ですが、ルールは世界共通です。

[back swing]

私の色分けは左図のように基点(手元)が黄色、そこから1.25センチおきに紫、白、緑、赤、青(最先端)となっています。握るポイント(親指の位置)は合計六種類となります。この六つの握り方と右図の1~3という異なる幅のバックスウィングの組み合わせで10ヤードから50ヤードまでを打ち別けます。

ハンドル最先端の青色の目印は10ヤードと15ヤード共用です。10ヤード打つ場合には右図の1のバックスウィングをします。これは両手が僅かに右膝の外に出る程度。15ヤード打つ場合も同じ目印で握りますが、右図の2のバックスウィングをします。ターゲットラインと平行にテイクアウェイし、クラブシャフトが地面と平行になったところがトップです。

20ヤード打つ時にはハンドルの赤い目印で握り、右図の2のバックスウィングをします。クラブが地面と平行になるトップです。

25ヤード打つ時にはハンドルの緑の目印で握り、右図の2のバックスウィングをします。

ハンドルの白い目印は30ヤードと40ヤードに共用です。右図の2のバックスウィングをすれば30ヤード、右図の3の3/4スウィングをすれば40ヤードです。

ハンドルの紫色の目印も35ヤードと45ヤード共用です。35ヤード打つ時は右図の2のバックスウィングで、45ヤード打つ時は右図の3の3/4バックスウィングをします。

多くの場合、ピンまで20ヤード、30ヤードなどときっかりの距離ではありませんから、22ヤードなら赤い目印のちょっと上を握り、28ヤードなら白い目印のちょっと下で握ります。

以前はもっと複雑な組み合わせでしたが、次第にこのようにシンプルなメソッドに収斂しました。文字で読むと複雑なようですが、実際にはとても簡単です。ハンドルの赤い印が20ヤードであることだけ覚えれば、そこから5ヤード刻みなのですから。

[icon]

以下、老婆心ながらロブウェッジでチップ・ショットをする際の留意点をメモしておきます。

[staring point]

・60°のロフトを活かすには地面の上を水平に滑らす必要があります。ボールを上げようなどとすると先ず地面を打ち、跳ね返ったヘッドで図のボールのCあたりを打って、ゴロやホームランになりがちです。プロは図のA地点を狙ってボールを押し潰してディヴォットを取りながらバックスピンをかけますが、アマチュアはせいぜいボール先端のBを狙えれば上の部でしょう。私はボールと地面の接点であるD地点にウェッジのリーディング・エッジを打ち込むようにしています。

・80を切るレヴェルのロブ・ショットではプロのように急停止したり、こちらに戻って来たりすることは滅多にありません。1ピンの長さぐらいのランを見込んでおくべきです。幸運なチップインというものは、大体において着地後前方に転がって入るもの。ピンに直接当たって垂直に落下するというのは奇跡で、普通斜め横に弾かれます。常にピンの手前に着地させるのがベストです。

・左右平均に体重をかけるのがスタンダードですが、受けているグリーンへのチッピングでランを増やしたい場合は左足体重、下りのグリーンでランを減らしたい場合は右足体重にします。

・正確にチッピングしようと思ったら、鏡を横に置いて足・膝・腰・肩がスクウェアに目標を狙っているかどうか確認すべきです。私の場合、右脚が僅かに長いせいで普通に構えると自然にオープンになってしまい、肩は目標の左を狙ってしまいます。これではチップインなど期待出来ません。私の体型の場合、左膝を内側に押し込むか、長い右足をターゲットラインから少し下げる必要があります。こうすれば正しい方向性が得られます。

「転がし」だとボールからグリーンまでの距離、エッジからピンまでの距離などによってクラブ選択に悩まなくてはなりませんが、ロブウェッジで攻める分には悩むことはありません。唯一警戒すべきは砲台グリーンへ左足上がりでチップする場合です。この状況では必ずショートしますが、その原理解明と対策については下記「砲台グリーンの斜面からのチップ」をお読み下さい。

【参考】
・入射角・反射角(tips_23.html)
・砲台グリーンの斜面からのチップ(tips_197.html)

(July 15, 2022)

2秒でスウィングする練習

 

'Swing Like a Pro'(プロのようにスウィングせよ)という本(1968)が与えてくれた課題は沢山ありますが、私にとって最も難しい「2秒でスウィングせよ」(6/20掲載)に挑戦してみました。

Lydia Ko

先ず著者たちが示唆するように、模範とすべきプロを探しました。DVDのBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)はまさに2秒でスウィングしていました。YoutubeからダウンロードしたLPGAのLydia Ko(リディア・コウ、右図)もJin Young Ko(ジン・ヤン・コウ)も2秒でした。Sam Snead(サム・スニード)も2秒。彼が「一緒に回る時、(その速い速度に)影響されたくないので見ないようにしている」と語ったBen Hogan(ベン・ホーガン)のスウィングは、切り返しでバネのように即座に折り返し、振り子のように一瞬静止しないので2秒より短く振っていました。これは模範になりません。

2秒というととてつもなく速そうですが、プロたちには急いだ印象はなく「せー・のっ!」(あるいは「ワン・トゥー」)というテンポでスムーズにスウィングしています。慌てる必要はないわけです。ついでなので、他の'Swing Like a Pro'の留意事項も交えて練習を開始しました。裏庭で、ボールは無しです。

・先ずメトロノームで2秒のテンポに耳を傾けました。
・Shift-Turn-Shift-Turnを確実に行いながら素振り。【参照「2秒でスウィングせよ」(6/20)】
・切り返しの直後に右肘を右脇につけるのを忘れないようにする。【参照「ダウンの開始で右肘を引き下ろせ」(6/4)】
・シャフトが背中に廻るようなフル・フィニッシュを目指す。【参照「フル・フィニッシュを目指せ」(7/1)】

やってみると、上の全てを一度に遂行しようというのは無謀でした。先ず、2秒でスウィングするという速度を身につけ、おいおいに細部に手を入れて行くというのがよさそうです。スローなスウィングだった私にとって2秒というのは高いハードルに思われましたが、メトロノームと一緒にスウィングする限りにおいては無理な注文ではないという気がしています。

(July 15, 2022)



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